リース契約満了時にリース物件を購入した場合の減価償却方法について

2009年8月17日(月) / 投稿者: 村崎 一貴
  1. はじめに
    リース税制改正により、所有権移転外ファイナンスリースについては、原則としてリース物件を売買したものとみなして資産計上し、リース期間定額法により減価償却することとなります。ところで、リース物件をその契約満了時に購入する場合があるかと思われますが、その場合の減価償却方法については、リース税制前と後とで取扱いが異なります。
    そこで、リース契約満了後にリース物件を購入した場合減価償却方法につき、リース契約の締結時期が平成20年4月1日前のものと以後のものとで分けてそれぞれ説明させて頂きます。

  2. 平成20年3月31日以前に契約したリース物件を購入した場合
    リース期間中は、リース料支払時に費用処理しておりますので、契約満了時の購入時に資産計上することになります。
    1. 取得価額
      契約満了時の購入代価になります。

    2. 償却方法
      平成19年4月1日以後の取得になりますので、定額法、定率法等が適用されます
      (旧定額法、定率法ではありません。)。

    3. 耐用年数
      中古資産に該当する為、その資産の法定耐用年数ではなく、使用可能期間を見積もった見積耐用年数又は簡便法により算定した年数になります。

  3. 平成20年4月1日以後に契約したリース物件の場合
    リース期間中はリース料総額を取得価額として資産計上し、リース期間定額法により償却していくことになります。契約満了時の購入時には、その購入代価を追加で資産計上します。なお、償却方法が定額法か定率法かによっても取扱いが異なります。
    1. 取得価額
      1. 定額法
        契約満了時の簿価(=0円)に購入代価を加算した価額になります。
      2. 定率法
        リース契約時の取得価額(=リース料総額)に契約満了時の購入代価を加算した価額になります。


    2. 償却方法
      上記2(ii)同様、定額法、定率法等が適用されます。

    3. 耐用年数
      1. 定額法
        同じ資産区分の法定耐用年数からリース期間を控除した年数になります。控除後の年数が2年未満である場合には2年とします。

      2. 定率法
        同じ資産区分の法定耐用年数になります。
  4. 具体例
    1. 例示
      リース料総額 200万円
      リース期間 4年間(H20.4.1?H24.3.31)
      法定耐用年数 7年間
      定率法償却率 0.357
      改定償却率 0.5
      保証率 0.05496
      契約満了時の購入金額 50万円
      購入日 H24.4.1
    2. 定額法の場合
      年度 取得価額 期首簿価 償却費 期末簿価
      1年目 (H21年3月期) 2,000,000 2,000,000 500,000 1,500,000
      2年目 (H22年3月期) 2,000,000 1,500,000 500,000 1,000,000
      3年目 (H23年3月期) 2,000,000 1,000,000 500,000 500,000
      4年目 (H24年3月期) 2,000,000 500,000 500,000 0
      5年目 (H25年3月期) 500,000 500,000 167,000 333,000
      6年目 (H26年3月期) 500,000 333,000 167,000 166,000
      7年目 (H27年3月期) 500,000 166,000 165,999 1

      ※1 1?4年目はリース期間中であり、リース期間定額法により償却。
      ※2 5?7年目は3年(法定耐用年数7年?リース期間4年)の定額法償却率(0.334)により償却。

    3. 定率法の場合
      年度 取得価額 期首簿価 償却費 期末簿価
      1?4年目は(I)と同様        
      5年目 (H25年3月期) 2,500,000 500,000 178,500 321,500
      6年目 (H26年3月期) 2,500,000 321,500 160,750 160,750
      7年目 (H27年3月期) 2,500,000 160,750 160,749 1