辻・本郷 税理士法人

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研究開発税制の見直し

  • 所得税
  • 法人税

1.概要

平成27年度税制改正において、研究開発税制について、「オープンイノベーション型」の拡充、繰越控除制度の廃止などの見直しが行われました。
以下の改正は、法人については平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用となります。 

2.内容

(1)オープンイノベーション型の拡充(特別試験研究に係る税額控除制度)
1.)控除率の大幅引上げ
<改正前> 特別試験研究費の額の12%
              ↓
<改正後> 大学・特別試験研究機関との共同・委託研究:30%
                 企業間等      :20%

2.)特別試験研究費に該当するものの範囲の追加・変更
・特別試験研究費に該当する中小企業者への委託研究につき、委託先に、公益法人等(※社会医療法人等を含む)、地方公共団体の機関・地方独立行政法人等(※公立病院を含む)を追加
・特定中小企業者に支払う知的財産権の使用料を特別試験研究費に追加
・特別研究機関等のうち試験研究独立行政法人の範囲から国立研究開発法人以外の法人が除外されます。

(2)控除上限の変更
一般試験研究費(総額型)については、控除の上限をその事業年度の法人税額の30%から25%に引き下げ、特別試験研究費につき、別枠でその事業年度の法人税額の5%とし、控除限度額の総枠でその事業年度の法人税額の30%となります。
なお、試験研究費の額が増加した場合等の税額控除制度(高水準型又は増加型の選択適用)については改正はなく、上記の制度とは別枠で、法人税額の10%を上限として控除することができます。

(3)繰越税額控除制度の廃止
一定の要件を満たした場合に、その事業年度の法人税額から控除しきれなかった試験研究費の税額控除の金額を、その翌事業年度の法人税額から控除することができる、繰越税額控除限度超過額の控除制度が廃止となりました。
平成27年4月1日前に開始した事業年度分の法人税については、従来どおり適用されますが、同日前に開始した事業年度において控除しきれなかった金額については、同日以後に開始する事業年度において法人税額から控除することはできません。

研究開発税制の見直しにより、特別試験研究費については優遇を受けやすくなりますが、一般試験研究費については控除限度額の上限が下がり、かつ繰越控除が廃止される点に注意が必要です。
以上の見直しは、所得税についても平成28年分以後のものについて同様に適用されます。

【ご参考】 国税庁

平成27年度法人税関係法令の改正の概要
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2015_5/pdf/all.pdf

経済産業省HP(研究開発税制)
http://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/tax.html

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