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ポイントサービス未使用分の損金算入は不可【審判所裁決:平成29年3月1日付】


企業が提供しているポイントサービスの未使用分に係る費用の損金算入を巡る国税不服審判所の裁決が明らかになった。顧客に商品の購入金額等の一定割合がポイントとして付与され、次回以降の商品等の購入の際に購入金額に充当できるもののうち、顧客が付与を受けた日の属する決算期末までに使用しなかったポイントに係る費用を、企業が損金の額に算入して法人税等の申告をしたところ、損金算入できない旨の更正処分等を受け、企業側がその取り消しを求めていた事案で、審判所は損金算入できないとする旨の判断を下した。

付与されるポイントの内容

本件は、企業の各店舗で顧客が入会手続をした上で商品等を購入すると、会員特典としてその都度、商品等の購入金額に対する一定の割合でポイントが付与され、次回以降の買い物の際に1ポイントごとに値引きが受けられ、設定されたポイント数に応じて景品との交換も可能といった内容である。蓄積されたポイントは付与された日から一定期間が経過すると失効する。

審査請求内容

この審査請求は、平成23年10月期から平成26年10月期の各事業年度末日のポイント未使用残高とその直前事業年度末日の未使用残高を比較し、増加したポイント数につき1ポイント当たりを一定の金額に換算し、その税抜き金額を「ポイント値引き」として売上高から減額、同額を未払費用に計上する会計処理をした。
法人税法22条3項第2号は、法人の各事業年度の所得の計算上、損金の額に算入すべき金額の一つとして、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く)の額を挙げている。
争点は本件ポイント各未払計上額が各事業年度の損金の額に算入されるか否かである。

審査請求人の主張

請求人は、本件のポイントは次回以降の商品等購入金額への充当や特定景品の交換に利用できるので、実質的には商品等販売時に販売額の一定割合の値引きを行ったものと評価されるから、ポイント付与時に顧客に対して一定の債務が生じ、本債務は法人税法第22条3項第2号に規定する債務が確定しているか否かを判断するための法人税法基本通達2-2-12(債務の確定の判定)に求める要件も満たしていると主張した。

原処分庁の答弁

一方原処分庁は、ポイントを付与した時点で具体的な給付をすべき原因となる事実が発生しておらず、請求人がポイントを付与した顧客に対して負うことになる債務の金額を合理的に算定することはできないから、ポイントを付与した時点で債務の確定があったということはできないと答弁した。

審判所の裁決

これに対して審判所は、本件ポイントは次回以降の会計時から使用できることになるから、請求人による本件サービスの提供は請求人が顧客の次回以降の来店、商品等の購入を期待して行うものだと指摘。したがって本件ポイントの使用に要する費用は販促費、一般管理費その他の費用に該当するとした。
ただ、本件ポイントの付与された顧客は、ポイントを商品購入等金額に充当することや一定のポイント数に応じた景品等と交換することができるとしても、充当又は景品等交換が行えるのは次回以降の会計時となるため、本件ポイントの使用に要する費用は、顧客の使用時に初めて具体的な債務が確定するべきというべきであり、ポイント付与時に具体的な給付原因が発生しているとはいえないと判断。
ポイント各未払計上額は各事業年度の損金の額に算入できないとし、処分は適法だとした。


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