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遺留分制度の見直し(民法改正)


本年7月6日に、民法改正法案(相続法)が参議院本会議で承認可決されました。
この民法改正案において、遺留分制度が見直される予定です。改正の主な内容は以下のとおりです。

1.改正の概要

(1)相続開始前の10年間に限定
現状では、「相続人」に対する生前贈与については、特別受益として期間制限なしで遺留分の算定基礎財産に持ち戻されることになっています(しかも、その価格は相続時の「時価」がベース)。

今回の改正案では、持ち戻す期間を相続開始前の10年間の贈与に限定しており、それより前の贈与については遺留分算定から除外する、という内容となっています。例えば、事業承継で自社株式を後継者である相続人に贈与した場合には、これまでは20年前の贈与でも遺留分の対象となりましたが、改正後は遺留分の対象に含める必要がなくなります。

(2)遺留分の金銭債権化
現状では、遺留分権利者が遺留分減殺請求権を行使した場合には、その行使の結果として割合的に減殺される結果、例えば、被相続人が相続人へ承継するための自社株式や事業用資産を保有している場合でも、これらの財産が他の相続人との共有となり、共有関係の解消をめぐって新たな紛争を生じさせるなど円滑な事業承継の障害となるケースも存在しました。

今回の改正案では、「遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができるものとする」と改められ、これにより、事業承継に不可欠な自社株式や事業用資産自体は後継者に承継しやすくなるものと考えられます。

2.事業承継における民法改正の影響

これまでは、後継者に自社株式を集中して承継させようとしても、遺留分を侵害された他の相続人から遺留分に相当する財産の返還を求められた結果、自社株式が分散してしまうなど将来の減殺請求のリスクを考慮して、自社株の承継方法として贈与以外の方法(例えば売買)を選択するケースも多くありました。

今回の改正で10年という期間が設けられたことは中小企業の事業承継においても大きなポイントになると思われます。

さらに、平成30年度税制改正において、事業承継税制の特例が創設されており、こちらも10年間の特例措置となっていますので、中小企業の事業承継を進めやすい環境が整いつつあることもあり、このタイミングを好機に早期の贈与を中心とした対策を検討してみてはいかがでしょうか。

3.改正の施行日

この改正の施行日について、附則1条では「公布の日より1年を超えない範囲で政令で定める日」となっています。


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