かるた一覧

離婚後は、相続するのも一苦労
離婚後は、相続するのも一苦労

離婚後は、相続するのも一苦労

(1)相続する権利は誰にある?

3組に1組が離婚するといわれる現代において、離婚で揉めて、さらに相続でも揉めるケースがあります。離婚した場合、別れた元妻には相続の権利はありませんが、元妻との間に産まれた子どもは法定相続人となります。再婚している場合には、現在の妻とその子どもも当然法定相続人となります。

遺産のうち誰が何を相続するかは、遺言がない限り、法定相続人間による話し合い(遺産分割協議)で決めます。しかし、元妻の子どもとの話し合いが感情的になってしまわないとも限りません。そもそも会ったことがほとんどない間柄で、話し合いがまとまることの方が稀です。多くの場合、解決までに時間がかかることになります。

 

(2)話合いがつかないと税金が高くなる?

相続税の申告期限は亡くなってから10か月です。しかし、その間に話し合いに折り合いがつかないと、さまざまな特例が利用できなくなります。たとえば、配偶者の場合、法定相続分又は1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続しても相続税がかからない配偶者の税額軽減の恩恵が受けられます。また、自宅の敷地を相続した場合には、土地の評価額を330平方メートルまで80%減額してくれる小規模宅地の特例も適用できます。しかし、一般的にこれらの特例は、期限内に申告をした人だけが受けられるもの。期限オーバーすると、負担しなくてよかった税金の負担が発生します。

 

(3)遺言でフォロー

税金の面からも話合いがつかないと、関係する誰もが痛い思いをします。そこで、遺言を作成することになります。財産を配分するということは、何らかの意図を伴っているもの。再婚した家族に多く遺したい、事業を引き継いでくれた子に事業資金を遺したい、何十年も離れ離れになった子にこれだけは遺してあげたいなど、さまざまなケースがあります。故人の意思を明確に伝えるためには、遺言を作成しておかなければ、思いのとおりになることはありません。

 

(4)生前対策も要注意

生前対策として養子縁組をしたり、贈与するケースがありますが、離婚するとこれらの所有権は相続人に移るため、返してもらう権利はなくなります。特に、会社の株式を贈与していた場合、別れた元妻が株主として会社の経営に口を出したり、影響を及ばすこともありえます。贈与した株式を再度買い取ってくれと言われて高くつくケースも耳にするので、慎重に検討しないといけません。別れるつもりで結婚はしませんが、「最後に遺恨」を遺さないことが、何よりも「最高の離婚」かもしれません。

 

というわけで、「離婚後は、相続するのも一苦労」