税理士が解説する相続税コラム

相続した親の自宅を売却しても税金がかからない?

相続した親の自宅を売却しても税金がかからない?

近年ニュースになるほど話題となっている「空き家問題」。今後増え続けるといわれて何年かが経過し、その対策として措置法も制定されました。

今回は空き家を売却する際の税金のお話です。
執筆:相続センター 湘南事務所
公開:2020年6月10日

空き家問題の深刻化

近年の少子高齢化等により空き家問題が深刻化しつつあります。誰も住んでいない古家が景観を損ねたり、樹木が伸び放題で近隣に迷惑がかかったり、場合によっては放火等のリスクも存在しております。

また固定資産税も建物が建っていた方が更地よりも安いため、なかなか費用をかけて取り壊しも進まない状況でした。その解決策として「空き家対策特別措置法」が制定されました。

相続した空き家を売却した場合の譲渡所得の特例(措法35の3)

相続により取得した空き家を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円が控除できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」という制度があります。

1. 対象期間

相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売却

2. 要件

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物登記を除く)
  • 相続の開始の直前において被相続人がひとり暮らし
  • 相続してから譲渡時まで貸付、居住等していないこと
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却価額が1億円以下
  • 建物付きで売却する場合には耐震基準を満たしていること
  • 更地にして売却する場合には取り壊し費用を売主が負担すること
  • 更地にして売却する場合には譲渡時までに建物が取り壊されていること

<参考>国土交通省:空き家の発生を抑制するための特例措置[PDF]

3. 税金

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 諸費用 - 特別控除(最大3,000万円)

【具体例】相続した家屋を取り壊して、取り壊し後の土地を2,000万円で譲渡した場合

<前提条件>

  • 昭和55年建築
  • 除却費200万円
  • 被相続人が20年間所有 ・取得価額不明
    ※取得費不明の場合は譲渡価額の5%で計算
    ※所得税・住民税は20%として計算(復興特別所得税2.1%は省略)

○本特例を適用する場合の所得税・個人住民税額:0円
(2,000万円 - 2,000万円 × 5% - 200万円 - 特別控除3,000万円)× 20% = 0円

○本特例がない場合の所得税・個人住民税額:340万円
(2,000万円 - 2,000万円 × 5% - 200万円)× 20% = 340万円)

この具体例の場合、特例が使えることにより340万円も税額に差がでます。

4. 必要書類

イ. 譲渡所得の内訳書
ロ. 売った資産の登記事項証明書等
ハ. 売った資産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用 家屋等確認書」
ニ. 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し(建物付きで売却の場合)
ホ. 売買契約書の写しなどで売却代金が1億円以下であることを明らかにするもの

まとめ

家を取り壊して更地にして売却

この法律が施行されてから確定申告を何度も行っておりますが、古家を取り壊してから更地にして売却するケースが多いようです。

一般の方は知っている解体業者がいない為、取り壊し費用は買主負担としてその分値下げして売却してしまった為、確定申告でご相談にみえたお客様で本法律が適用できないケースもありました。この法律適用のためには、取り壊し費用は売主負担が大原則です。

また×1年12月末に売買契約の締結をし、代金の決済と建物の取り壊しは×2年に行い、×1年の収入として申告する場合には、本法律は譲渡の日までに建物の取り壊しがされていることが要件となっておりますので、本法律の適用はできないこととなっております。

このあたりを知っているかどうかで税金も大きく変わってきます。
弊社では相続税の申告のお客様には、このようなご説明をさせていただいておりますので、相続のアフターフォローまでしてもらえる税理士をぜひお選びくださいませ。

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