税理士が解説する相続税コラム

遺産を寄付する ~やり方によって税金が変わります!~

遺産を寄付する

遺産の一部を寄付したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
遺産を学校や公益法人等に寄付したいと思ったら、以下の方法を覚えておいてください。「どこへ」「どうやって」寄付するのかによって税金が変わってきます。

遺産の寄付の方法と税金についてご説明します。
執筆:相続センター 福島事務所
公開:2020年8月21日

遺産の寄付の方法(2種類)

寄付の方法は『相続人に寄付を託す』と『遺言により寄付する』の2つです。
また、誰にどのような財産を寄付するかによって、相続税・法人税・所得税といろいろな税金が複雑にからみ合ってきます。

1.相続人に寄付を託す

相続人に託す

相続や遺贈によって取得した財産を相続人が寄付した場合、原則相続税は課税されますが、以下の要件を満たすと相続税がかかりません。
つまり、要件を満たさなければ、相続人が相続した財産から相続税を支払ったのち、単に寄付しただけということになります。

  1. 寄付した財産は、相続や遺贈によって取得した財産そのものであること(相続や遺贈で取得したとみなされる生命保険金や退職手当金も含まれます)
  2. 相続財産を相続税の申告書の提出期限(10カ月後)までに寄付すること
  3. 寄付した先が国や地方公共団体または教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる、特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人であること
  4. 相続税の申告書に、寄付した財産の明細書および文部科学省が発行する「相続税非課税法人証明書」を添付すること

ポイントは背景色つきの部分です。
取得した財産そのもの(遺言や遺産分割協議を経て名義変更した財産)しか認められません。

相続した不動産や株式を現金化して寄付したり、遺産分割協議前に香典や相続人の預金から寄付したりすると、要件を満たさないことになりますのでご留意ください。

また、相続税非課税法人証明書は寄付を受けた法人が文部科学省に申請して発行してもらうもので、約1~2カ月かかるといわれていますので、相続が開始したら早めに寄付をする法人に相談しましょう。

2.遺言により寄付する(法人に対して)

寄付金

遺言で法人に対して寄付した場合には、相続税は個人にのみかかる税金ですので、非課税となります。かわりに、受け取った法人に対して法人税が課税されます。ただし、一定の公益法人に対する寄付は法人税も非課税になります。

また、寄付する財産が現金預金や貸付金等であれば問題ありませんが、それ以外の不動産や株式等を寄付する場合には、被相続人が時価で譲渡したとみなして譲渡所得税が課税されますので、被相続人の所得税準確定申告で譲渡所得の申告が必要となります。

さらに、税金は相続人が法定相続分で負担することになりますので、一般的には現金以外の寄付は避けた方が得策です。

どの方法がおすすめ?

一番よいのは、遺言で現金預金を寄付することです。
そうすれば、寄付した財産は相続財産から除外され、相続人サイドには何も税金が発生しません。
また1の3の要件(特定の法人である)を満たさない法人にでも寄付することができます(同族法人は別の課税関係が生じる場合があります)。

いずれにせよ、現金以外の寄付はそもそも受け取ってもらえない場合もありますので、事前に寄付先に相談をしておいた方がよいでしょう。

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