税理士が解説する相続税コラム

相続した自宅の敷地から古墳が出てきたら?

相続したご自宅の敷地から古墳が出てきたら?

お客様が相続されたご自宅の土地を拝見していたところ、お向かいのマンションの建設工事の際に、古墳が出てきたというお話を伺いました。30年ほど前のことだそうです。

「うちの敷地にも埋まっていたりして?」とお客様は冗談めかしておっしゃいましたが、念のため、古墳などの遺跡がある土地について調べてみました。執筆:相続センター 代々木事務所
公開:2021年4月30日

周知の埋蔵文化財包蔵地とは

文化財保護法では、古墳、城跡、集落跡などの遺跡があるのがわかっている場所を「周知の埋蔵文化財包蔵地(しゅうちのまいぞうぶんかざいほうぞうち)」と規定して、保存や保護を図っています。

このような場所は、一般にイメージされるよりもはるかに多く、たとえば、世田谷区の場合、過去の調査でわかっているだけでも300カ所以上あるそうです。

「東京都遺跡地図情報インターネット提供サービス」を検索すると下のような画面が表示され、住所から遺跡の有無を調べることができます。世田谷区のホームページでは、遺跡のある場所の航空写真も閲覧できます。

相続した土地の下に古墳があったら?

相続した土地の下に古墳があったら

冒頭でご紹介したお客様のご自宅の敷地には、冗談ではなく、本当に古墳が埋まっていました。

教育委員会に照会したところ(都道府県・政令指定都市等の教育委員会が埋蔵文化財を管轄しています)、ご自宅の土地は「周知の埋蔵文化財包蔵地」に指定されているため、新たに建物を建設する場合などは、文化財保護法に基づく届出が義務付けられていて、計画している工事の内容によっては、発掘調査が必要になることがわかりました。

お客様の土地はかなり大きなものでしたので、宅地分譲やマンション建設なども検討されていらっしゃいました。
発掘調査の費用はお客様が負担することになりますから、古墳がない土地に比べて、条件的に不利ではないでしょうか?

古墳などの遺跡がある土地の評価

平成20年にこれと同じような事例について、土地の評価額を減額すべきという裁決が国税不服審判所から出されました。

裁決では、土地の開発にあたって、発掘調査が不可欠で、かつ、その費用も土地の所有者が負担しなければならないことから、古墳がないものとして評価した金額から、調査に係る費用の80%相当額を減額すべきとしています。

そこで、お客様の土地についても、調査工事にかかる費用の80%相当額を減額して申告しました。

「古墳」と聞くとかなり特殊な事例という印象を持たれるかと思いますが、有名な大森貝塚もJR大森駅近くのごく普通の住宅地にあります。

ご近所で、今回のお客様のような昔話を聞かれたら、念のため、ご確認されることをお勧めします。
調査工事費用の見積もりや、路線価との関係など、専門的な検討も必要となりますので、お困りの際は、当センターまでお気軽にお問い合わせください。

関連コラム→「2020年路線価公表!今年の動向は? ~路線価って何だろう~

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