税理士が解説する相続税コラム

上場株式、投資信託の評価

投資

上場株式や投資信託などは富裕層が多く所有をしているイメージが強いですが、確定拠出年金・NISAの普及をはじめ、老後2,000万円問題やコロナ・ショックなど将来を不安視する傾向から、サラリーマン家庭においても金融商品の所有が増えているのではないでしょうか。

相続や贈与があった場合どのように評価をしたらよいか、上場株式と投資信託の例をあげてご説明します。
執筆:相続センター 新潟事務所
公開:2020年8月20日

上場株式の評価

株価チャート

上場株式の評価は、下記4つの価格の中から最も安い価格を単価として選択し、その単価に株数をかけて評価します。

  1. 課税時期(相続の場合は相続の開始した日)の最終価格
  2. 課税時期の月の毎日の最終価格の平均額
  3. 課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額
  4. 課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

ただし、上場株式を負担付きで贈与をする(借入金などと一緒に贈与する)場合には、単価は課税時期の最終価格となりますので、注意が必要です。

次に株数の確認ですが、証券会社の口座とは別に端株を持っていることがよくありますので、証券会社の残高証明書とは別に、株主名簿管理人(株式事務代行機関=信託会社、証券代行会社)へ残高証明書の発行依頼をするとよいでしょう。

また、贈与を受ける人の特定口座に同一銘柄の上場株式等がすでにある場合には、特定口座で受け入れることができないため事前に確認をしましょう。この場合には、一般口座で受け入れることになります。

投資信託の評価

投資信託とは、運用会社が国内外の複数の株や債権に分散投資し、運用する金融商品で、評価方法を簡単に申し上げると、相続開始日時点で換金した場合の金額で評価します。

(1) 中期国債ファンドやMMF(日々決算型)の証券投資信託の受益証券

1口当たりの基準価格 × 口数 + 未収分配金 - 源泉徴収されるべき所得税の額 - 信託財産留保額および解約手数料

(2) 上記(1)以外の証券投資信託の受益証券

課税時期の1口当たりの基準価額 × 口数 + 源泉徴収額 - 信託財産留保額

1万口当たりの基準価額が公表されている証券投資信託については、算式中の「課税時期の1口当たりの基準価額」を「課税時期の1万口当たりの基準価額」と「口数」を「口数を1万で割って求めた数」と読み替えて計算した金額とします。

受益証券とは、投資信託の買い付け時に発行される利益分配を受ける権利(受益権)を証券化したもので有価証券の一種です。

信託財産留保額とは、投資信託を解約する場合に必要となる費用のことです。目論見書を確認すると、留保割合の記載がありますので、それに基準価額を掛けた金額を控除します。

源泉徴収されるべき所得税の額、源泉徴収税額とは、投資信託を解約する際に生ずる税金です。譲渡所得に対して20.315%(源泉所得税15%、住民税5%、復興所得税0.315%)かかります。
そのため、もし取得価格(個別元本)がわかるようなら、相続開始日時点で換金した場合の金額から取得価格(個別元本)を控除し、その残額に20.315%を掛けることで源泉徴収税額を求めることができます。

その他(配当金など)

配当の計算基準日が到来している銘柄の配当金のうち、相続開始日時点で支払われていないものについても、未収配当金(または配当期待権)や未収分配金として相続財産となりますので、それぞれの銘柄の配当の計算基準日(決算日など)の確認も忘れないようにしましょう。

最後に

相続についてはいつ発生するかが分からない一方、贈与については当事者の意思により決定をすることが可能です。
税金を計算する上での評価額という観点で考えると、金融商品の価格が下がったタイミングなどで贈与をすることにより、評価額を抑えることが可能です。
ただし、贈与税は相続税に比べ税率が高くなる場合がほとんどなので、贈与をする株数については慎重に検討をする必要があります!
もし生前贈与を検討されるのであれば、相続業務に精通をしている税理士に、ぜひご相談を!

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