税理士が解説する相続税コラム

貸駐車場の土地評価はどのように行われる?

貸駐車場の土地評価

お持ちの土地を有効活用し、駐車場経営を行っている方は多いと思います。

いわゆる「貸駐車場」の土地評価は、利用制限(他人が使用する権利があるか否か)の有無により大きく変わります。
今回は貸駐車場の土地の評価がどのように行われるかについてみていきましょう。
執筆:相続センター 船橋事務所
公開:2021年12月15日

駐車場の相続税評価について

土地の価額は、原則として利用状況により以下の9種類に分けて評価を行います。

①宅地 ②田 ③畑 ④山林 ⑤原野 ⑥牧場 ⑦池沼(ちしょう) ⑧鉱泉地 ⑨雑種地

これらの分類を地目(ちもく)と言います。登記簿上の地目にかかわらず、課税時期の現況により判定します。

駐車場で、上記⑨雑種地 の区分になっている土地については、「一団の雑種地」で評価を行います。

雑種地の価額は、個別の事情により異なりますが、その雑種地と状況が似ている付近の土地について評価した1m²当たりの価額を基本として評価する場合があります。
その土地とその雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積を乗じて計算した金額によって評価します。

実際に評価をするときには、青空駐車場(更地状態の駐車場)として貸し付けているのか、土地を業者に貸し付けて、業者がアスファルト舗装や各種設備等を設置しているのかなど、その貸付状況により評価方針を検討することになります。

貸主自らが駐車場経営をしている場合

土地の所有者自らが土地を更地状態で駐車場として貸し付けている場合や、所有者自らがアスファルト舗装やフェンス等の設置を行った上で貸し付けている場合には「自用地(じようち)」として評価します。

自用地とは、所有者自身が使うための土地を指します。この場合、他人が使用する権利はありません。

自用地として評価を行う理由は、当該土地はあくまでその場所で自動車の保管を引き受ける契約のために用いられており、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約のために用いられているとは考えられず、駐車場の利用権が土地自体に及ぶものではないとされるためです。

自用地として評価することは変わりませんが、アスファルト舗装や砂利等を土地に施している場合には、当該土地は構築物の敷地として利用されていると考えられます。
一定の要件を満たせば小規模宅地の評価減の特例適用を受けることができます。

関連コラム→「家を相続したら相続税額が安くなる?~「小規模宅地等の特例」基礎編

借主がアスファルト舗装や駐車場設備の設置をしている場合

一方で、アスファルト舗装やフェンス等の駐車場設備を土地の借主負担で造ることを認めるような契約の場合には、土地の賃貸借になると考えられます。
その土地の自用地としての価額から、賃借権の価額を控除した金額によって評価
します。

貸し駐車場の土地評価

式にすると以下のとおりです。

駐車場の評価額 = 自用地の価額 ― 賃借権の価額

この場合の賃借権の価額は、次の区分に応じたそれぞれの価額によります。

(1)賃借権の登記がされているもの、設定の対価として権利金や一時金の支払のあるもの、堅固な構築物の所有を目的とするものなど

自用地としての価額 × 賃借権の残存期間に応じた一定割合※

※下記の割合表をご参考にしてください。

自用地としての価額に乗じる割合表
賃借権の残存期間 5年以下 5年超
10年以下
10年超
15年以下
15年超
割合 5% 10% 15% 30%

ただし、地上権は非常に強い権利であるため実務的にはほとんど登場しません。
一般的には次の(2)に該当する賃借権として評価するケースが多いと言われています。

(2)(1)以外の賃借権

自用地としての価額 × 賃借権の残存期間に応じた一定割合 × 1/2

自用地としての価額に乗じる割合表
賃借権の残存期間 5年以下 5年超
10年以下
10年超
15年以下
15年超
割合 2.5% 5% 7.5% 10%

おわりに

これまで確認してきたように、貸駐車場の土地の評価を行う際は、駐車場の形態によって評価が異なります。
具体的な判断においてはその土地の現況、契約内容等を総合的に考慮して決定します。
ただし、形態によっては相続税での財産評価額や、小規模宅地等の特例の適用の有無に違いがあります。

駐車場を含めて、土地評価についてお困りの際は、私たち辻・本郷 相続センターまでお気軽にお問い合わせください。

関連コラム→「土地の有効利用で相続対策 ~土地の評価額~

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