税理士が解説する相続税コラム

賃貸アパートをサブリース契約で貸し付けた場合の敷地評価

賃貸アパートをサブリース契約で貸し付けた場合の敷地評価

以前のコラムでも、賃貸アパートの敷地については、相続発生日における入居率に応じて貸家建付地の評価を行うことをお伝えしてきました。

今回は賃貸アパートを、サブリース契約で貸し付けていた場合の貸家建付地の評価についてご紹介します。 執筆:相続センター 盛岡事務所
公開:2020年7月10日

サブリース契約とは?

サブリース契約……不動産オーナーが管理会社へ賃貸物件を一括で貸し付け、不動産オーナーは実際の入居状況にかかわらず、毎月一定額の家賃を管理会社から受け取る契約をいいます(「転貸借(てんたいしゃく)」とも呼ばれます)。

不動産オーナーにとっては、空室リスクを避けられ、管理会社が入居者募集から賃貸物件の維持管理を一括で行ってくれるため、さまざまな負担から解放されるメリットがあります。

その反面、受け取る家賃が相場より安かったり、経過年数とともに家賃が大幅に下がったりするというデメリットもあります。

貸家建付地とは?

賃貸アパートなどの賃貸住宅が建っている敷地は、貸家建付地として評価します。

貸家建付地(かしやたてつけち)……所有している土地に家屋(貸家、賃貸アパート・マンションなど)を建てて、他に貸している敷地のことをいいます。価額は以下のように計算することができます。
貸家建付地の価額 = 自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合 × 借家権割合(30%) × 賃貸割合

貸家建付地の評価は、借地権割合(地域によって異なる)と借家権割合が減額できますが、賃貸割合は相続開始日における入居状況によって判断します。

※土地と建物を所有していて、人に貸していることが前提となります。被相続人(亡くなった人)は土地だけ所有し、建物は別の人が所有している場合には原則、貸家建付地に該当しません。

借地権(しゃくちけん)……建物の所有を目的として、土地を借りて使う権利のことです。

借地権割合……所有権を100%とした場合、借地権がどれくらいの割合になるかを示すものです。地域によって異なり、毎年国税庁が路線価とともに公表しています。路線価が定められていない地域は、評価倍率表を利用します。

借家権割合……建物の借主がその建物を使う権利のことです。国税庁が公示する財産評価基本通達によって、全国一律『30%』と決められています。

賃貸割合……建物のうち、どれだけ賃貸されているかを割合で計算します。各部屋(独立部分)の床面積の合計から、実際に貸している部屋の床面積合計との割合で計算します(相続税の計算上では、入居率が高いほど控除できる額が多く(相続税が安く)なります)。

サブリース契約の貸家建付地の相続税評価

賃貸割合

通常、空室部分については賃貸していないと判断するため、貸家建付地としての評価減は行いません。

しかし、サブリース契約の場合は、管理会社が建物全体を賃貸していると解釈されるため、たとえ空室が生じていても、原則として敷地全体について貸家建付地の評価を行うことができます。

ただし、管理会社が貸主(その特殊関係者も含む)の経営する同族会社で入居者募集をしていない場合や、他の管理会社に再委託している場合など実態が伴わない場合には、租税回避行為とみなされ貸家建付地としての評価を行うことはできませんので、注意が必要です。

土地の評価には多くの決まりやルールがあり、プロである税理士でも実務経験が不足している場合には、評価額の計算が困難になる場合もあります。

管理会社を設立し、そこで所有不動産を管理している不動産オーナーは、ご自分の管理会社が相続税評価にどのような影響を与えているか、相続が発生する前に実務経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。

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