税理士が解説する相続税コラム

更正の請求 ~払い過ぎた税金は戻ってくる?~

更正の請求

相続税を納めてから税金の払い過ぎに気がついた場合、払い過ぎた税金を返金(還付)してもらうよう請求ができます。

今回は、払い過ぎた税金の還付請求の手続きとその期限、相続税を多く払ってしまうケースをご紹介していきます。執筆:相続センター 北九州事務所
公開:2021年3月12日

更正の請求とは

過去の申告について、税金を適正な額より払い過ぎていた(本来払うはずの税金よりも多く申告・納税してしまった)場合に、払い過ぎていた部分の税金の返金を求める手続きがあり、これを「更正(こうせい)の請求手続」といいます。

所得税や贈与税、法人税についても更正の請求手続が存在しますが期限があり、請求ができるのは原則として申告期限から5年以内となります。
具体的に相続税の更正の請求手続きを見ていきましょう。

更正の請求期限(特例あり)

相続税の更正の請求はいつまでに手続きをすればよいでしょうか。
請求には期限があり、原則として相続税の法定申告期限(被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内の日)から5年間以内です(国税通則法23条)。

<例>
亡くなったことを知った日:2021年1月6日(通常はお亡くなりになった日)
相続税の申告期限:2021年11月6日
(原則)更正の請求期限:2026年11月6日

ただし、相続税には「更正の請求の特則」という特例が存在します。
相続税特有の事由(じゆう)により、上記期限では対応できない可能性があるためです。
そのような事由が相続税申告後に発生した場合は、更正の請求の申告を事由発生から4カ月以内に限り行うことができるとされています(相続税法第32条第1項)。

相続税の申告期限から5年以内に事由が発生した場合

事由が発生した翌日から4カ月以内
以下のように相続税の更正の請求の提出期限が原則より短縮されます。

<例>
亡くなったことを知った日:2021年1月6日
相続税の申告期限:2021年11月6日
事由が発生した日:2022年3月1日
(特例)更正の請求期限:2022年7月1日

相続税の申告期限から5年超に事由が発生した場合

事由が発生した翌日から4カ月以内
以下のように相続税の更正の請求の提出期限が原則より延長されます。

<例>
亡くなったことを知った日:2021年1月6日
相続税の申告期限:2021年11月6日
事由が発生した日:2027年3月1日
(特例)更正の請求期限:2027年7月1日

相続税が払い過ぎとなる事由って?(よくある代表的なもの)

どのような事由で相続税の払い過ぎが発生しやすいか、代表的なケースを2つご紹介します。

1. 土地や非上場株式などの財産評価額が過大になっている

財産評価時価

財産評価の金額は相続税申告の際には「時価」で行うことになっていますが、この時価がいくらかになるかは評価をする税理士によって異なる場合があります。
仮に過大評価され税金を払い過ぎていることが判明した場合、更正の請求手続の期限は、原則的な期限である相続税の法定申告期限から5年間以内が適用されます。

2. 未分割の財産が分割された

相続財産の遺産分割協議が成立していない場合、いったんは法定相続分に従って財産を取得したものとみなして相続税を計算し、申告・納税することになります。
その後、遺産分割協議が成立し、実際の財産分割額が当初の相続税申告と異なる場合、相続税額も当初の金額から減ることが考えられます。この場合は特例期限が適用されます。

その他にも特例期限が適用される事由としては、相続人の異動があった場合、遺留分侵害額(いりゅうぶんしんがいがく)請求による金銭が確定した場合、遺言書の発見や遺贈(いぞう)の放棄があった場合、特別縁故者への相続財産の分与が確定した場合などがあります。
関連コラム→「遺留分侵害額の請求があった場合の税務手続き
関連コラム→「遺産分割協議が終わらない ~申告期限に間に合わないとき~

すでに行った申告について、財産評価額の見直しを行いたいという方や、遺産分割協議がまとまり、改めてもう一度申告される方、更正の請求手続きのみでもご相談を承っておりますので、当センターまでお気軽にお問い合わせください。

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