税理士が解説する相続税コラム

REITと不動産小口化商品の課税について ~相続税対策にも効果あり

REITと不動産小口化商品の課税について

100万円を定期預金で1年間銀行に預けても、利息は20円しか受け取れない低金利時代。リスクはあっても投資での資産運用を考える方もいらっしゃるでしょう。

先日、予想配当年3%のREIT(リート)を購入した際、「課税はどうなるのか」と気になり、同じような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではと思いましたので、今回はREITと不動産小口化商品の課税についてご説明します。
執筆:相続センター 名古屋事務所
公開:2021年12月29日

REITについて

REITの正式名称は不動産投資信託証券(Real Estate Investment Trust)といい、投資信託の一種です。
投資会社が多くの投資家から集めた資金を元手に不動産を購入し、そこから得られる賃貸収入や不動産売却益を投資家に分配する金融商品です。

実際に不動産に投資をする不動産小口化商品とは異なり、REITは投資会社に投資します。

REITの課税 知っておきたい2つのポイント

  • 証券会社等で購入したREITの配当は、配当所得として源泉徴収されますが、確定申告をしても配当控除は受けられません。
  • REITを売却した場合には、上場株式等譲渡所得として課税されます。

REITの相続税評価額

相続税評価額は、①課税時期の最終価格、②課税時期の月平均最終価格、③課税時期の前月平均最終価格、④課税時期の前々月平均最終価格 から最も低い価格で評価します(上場されているREITに限ります)。

REITのしくみ概要

不動産小口化商品について

一方、不動産小口化商品とは、投資家から資金を集めて実際に不動産を購入し、出資割合に応じて収益を分配する金融商品のことです。
投資家自身が直接不動産を購入するよりも投資額が少なく、不動産価格の下落、運用会社の破綻等のリスクはありますが、賃貸料等の収益還元による安定した配当を受け取ることが期待できます。

不動産小口化商品は大きく分けると2種類あります。

①任意組合型

現物出資や金銭出資等により出資した投資家と事業者が「任意組合契約」を結び、共同で事業主体となります。
投資家に不動産の所有権はありますが、登記簿謄本に投資家の氏名が記載されるかは「現物出資型」か「金銭出資型」かによって異なります。不動産からの収益は出資口数に応じた持分により分配します。

不動産小口化商品(任意組合型)の課税 知っておきたい2つのポイント
  • 年間の利益分配金は不動産所得ですが、仮に損失が発生しても損益通算はできません。
  • 売却した場合には、現物不動産と同様に分離譲渡所得として課税されます。
不動産小口化商品(任意組合型)の相続税評価額

相続税評価額は、現物不動産の持分所有と同様に土地は路線価等、建物は固定資産税評価額を基に評価、貸家建付地等の評価減額ができます。

不動産小口化商品(任意組合型)

②匿名組合型

「匿名組合契約」により投資家から金銭出資を受けた事業者が事業主体となり、事業によって得た利益を出資者に分配します。投資家に不動産の所有権はなく、登記簿謄本には事業者が記載されているため、匿名性があります。

不動産小口化商品(匿名組合型)の課税 知っておきたい2つのポイント
  • 年間の利益分配金は、原則、雑所得として源泉徴収されます。
  • 売却した場合にも、原則として雑所得ですが、匿名組合契約内容から、共同経営とみなされる場合には、分離譲渡所得として課税されます。
不動産小口化商品(匿名組合型)の相続税評価額

相続税評価額は、課税時期の出資解約返戻金で評価し、返戻金が不明な場合には出資額で評価します。

不動産小口化商品(匿名組合型)

おわりに

相続税を考慮して、不動産の持分所有と同じ方法で評価をする「任意組合型」の不動産小口化商品での運用を検討されている方が、近年増えているとのことです。

REITや不動産小口化商品のような金融商品による相続税対策に関するお問い合わせ・ご相談についても、私たち辻・本郷 相続センターで承っております。

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