税理士が解説する相続税コラム

生命保険の活用 ~生命保険と相続税対策~

生命保険証書

「生命保険は相続税の対策になる」そう聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回は生命保険による相続税対策についてご紹介いたします。
執筆:相続センター 越谷事務所
公開:2020年2月6日

生命保険で相続税対策

本来、被相続人の死亡により取得した生命保険金については受取人固有の財産です。遺産分割協議の対象にもならないものです。
しかし、この生命保険金の契約について、相続税法上では相続財産とみなされ、課税の対象となります。

ただ、この生命保険金には非課税枠が設けられており、法定相続人1人当たり500万円まで控除することができます。
生命保険が相続税の対策になる、というのはこの非課税枠を利用し、所有している財産を生命保険に変えることで、相続財産を減らし、結果として相続税額を減らすことができるということです。

例えば、法定相続人が2人の場合、500万円×2人、合計1,000万円までの生命保険については相続税が課されません。
このとき、被相続人の財産が1億円の場合、何もしないと1億円に対して相続税が課されますが、財産のうち1,000万円を生命保険に変えることで、9,000万円に対しての課税となります。

なお、法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人としてカウントできる養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなりますので、養子が複数名いる方についてはご注意ください。

非課税の対象とならない生命保険

被相続人の死亡により取得した生命保険金なら全て非課税枠が利用できるとは限りません。
相続財産となる(非課税枠が利用できる)のは、被保険者と保険料の負担者(契約者)が被相続人の場合のみです。

例えば、相続人が被相続人に保険をかけ、保険料も相続人自身が支払っていた場合には、その相続人に対して相続税ではなく所得税(一時所得)が課されます。実務では、生前贈与とセットで親に保険をかける契約でしばしば登場します。

※一時所得 = 受け取った保険金 - 支払った保険料 - 50万円

この金額の半分の金額に対して、他の所得と合わせて最高で55%の所得税・住民税(所得税:45%、住民税10%、計55%)が課されます。
50万円の控除と、所得の半分が課税対象となることから税負担が軽減され、親の相続税の納税資金として活用されています。
また、契約者(被相続人以外と受取人が別人であった場合には、相続税ではなく贈与税の対象となります。

法定相続人以外が受け取ると……

契約者も被保険者も被相続人ではあるが、受取人が法定相続人ではなかった場合についても、この非課税枠を利用することができません。

例えば、被相続人が親、法定相続人が子のケースで、生命保険の受取人を孫にした(祖父母の生命保険を孫が受け取る)場合には、非課税枠を利用することができず、法定相続人ではない孫に対して相続税が課されます。

※法定相続人ではない人物(孫養子を含む)に対して相続税が課された場合には、本来納めるべき税額より20%多い税額を納める必要がありますので、この点も注意が必要です。

つまり、非課税枠を適用できる(相続税対策になる)生命保険については、以下の3つの要件を満たすことで、はじめて生命保険を相続税対策として利用することができるのです。

①契約者(保険料の負担者)が被相続人
②被保険者が被相続人
③受取人が法定相続人

その他にも、被相続人が相続人に対して生命保険をかけていた場合など、契約者や被保険者、受取人が誰になるかで税務上の取り扱いは大きく変化します。
不安な方は専門家に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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