税理士が解説する相続税コラム

相続税の申告と納税 ~遅れた場合のペナルティーと新型コロナウイルス感染症への対応~

相続税の申告と納税

昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、期限までの申告等が困難になる方がいらっしゃるかもしれません。

申告期限までに申告をしなかった場合や納税が遅れた場合には、どのようなペナルティーが発生するのか、また、やむを得ない事情で期限内に申告・納税が困難な場合の対応についてご説明いたします。
執筆:相続センター 秋葉原事務所
公開:2020年10月13日

相続税の申告と納税

相続等により取得した財産がある場合、相続税の申告および納税が必要になることがあります。

相続税の申告と納税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内に行うことになっています。
また、納税については、現金による一括納付が原則です。

相続税の申告期限までに申告と納税が遅れた場合のペナルティー

相続税の申告期限までに申告をしなかった場合や、申告しても納税しなかった場合、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には、本来の税金に加えてペナルティーが発生するため注意が必要です。

①無申告加算税

うっかり忘れていたなど申告期限までに申告しなかった場合、無申告となり加算税がかかります。
加算される税金の割合は申告をする時期により変動し、納付すべき税額に加算されます。

  • 申告期限が過ぎた後に気が付いて自主的に申告
    5%が加算
    ※税務署から税務調査の事前通知を受ける前までに申告した場合に限ります

  • 税務調査の通知以後、調査による更正等予知前までに申告
    10%(納付すべき税額が50万円を超える場合には、その超える額に15%

  • 税務調査による更正等以後に申告
    15%(納付すべき税額が50万円を超える場合には、その超える額に20%

さらに、5年以内に同じ税目に対して無申告加算税または重加算税を課された(徴収された)ことがある場合には、上記金額に10%加算した金額になります。

②過少申告加算税

誤った額で申告した場合など納める税額が少なすぎた場合、過少申告加算税が課税されます。
新たに納めることになった税額に加算されます。

  • 申告期限が過ぎた後に気が付いて自主的に申告
    加算なし
    ※税務署から税務調査の事前通知を受ける前までに申告した場合に限ります

  • 税務調査の通知以後、調査による更正等予知前までに申告
    5%(納付すべき税額が50万円を超える場合には、その超える額に10%

  • 税務調査による更正等以後に申告
    10%(納付すべき税額が50万円を超える場合には、その超える額に15%

③重加算税

事実を仮装隠蔽して申告した場合には、重加算税が課税されます。

  • 過少申告加算税に代えて納付すべき税額に35%
  • 無申告加算税に代えて納付すべき税額に40%を乗じた金額が課されます

さらに、5年以内に同じ税目に対して無申告加算税または重加算税を課された(徴収された)ことがある場合には、上記金額に10%加算した金額になります。

④延滞税

納付期限までに納付がされなかった場合には、納付するタイミングに応じて、次の割合により、利息に相当する金額が課されます。

  • 納期限の翌日から2カ月を経過する日まで…年2.6%(平成30年1月1日から令和2年12月31日までの期間)
  • 納期限の翌日から2カ月を経過した日以後…年8.9%(平成30年1月1日から令和2年12月31日までの期間)

延滞税には除斥期間があり、要件を満たすと一定期間、延滞税がかからないという特例があります。

たとえば、期限内申告書が提出されていて、法定申告期限から1年経過して修正申告した場合などは1年分までしかかかりません。申告して2年経過後に税務調査がきた場合などが該当します。
しかし、重加算税が課される場合にはこの特例が使えません。

新型コロナウイルス感染症の影響による申告期限の延長

新型コロナウイルス感染症の影響により、申告期限までに申告・納税することが困難な場合については、個別に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出することで、期限の個別延長が認められます。

申請書に代えて、相続税申告書の余白等に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を付記することで、申請書を提出した場合と同様の取り扱いになります。

この場合の申告・納付期限は、原則として申告書等の提出日となります。申告書を郵便で税務署に提出する場合には、通信日付印の日が提出日とみなされますので、納付するタイミングには、注意が必要です。

最後に

相続税の申告・納税が正当な理由がなく遅れた場合には、ペナルティーが発生し、金銭的な負担が大きくなります。財産を守るためにも申告・納税を計画的に行うことが大切です。

昨今のコロナウイルス感染症の影響等のやむを得ない事情のほか、誠実に申告納付を行う意思があっても、間に合わない場合があるかもしれません。申告・納税が遅れるかもしれないと感じた場合には、お気軽に当センターにご相談ください。

相続税申告までの手続きは「相続開始から相続税申告までの手続き・手順」をご覧ください。

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