税理士が解説する相続税コラム

家を相続したら相続税額が安くなる?~「小規模宅地等の特例」基礎編

家を相続したら相続税額が安くなる?~「小規模宅地等の特例」基礎編

一緒に住んでいた父親に相続が発生し、涙ながらにお葬式をしたのもつかの間、税理士さんからの「相続税がかかります」の声にびっくり!父親の残した自宅以外にはそんなに財産なんてないのに困ったわ……

今回は自宅を相続する場合のお話をします。
執筆:相続センター 町田事務所
公開:2020年4月28日

相続発生後のびっくり!にお答えします

相続が発生するまで、ご両親の財産なんか見たこともないのでわからない……こんなご相続人様がほとんどではないでしょうか?

特に、宅地が相続財産のほとんどを占め、現金があまりない場合、べらぼうな額の相続税なんて払えないと頭を抱えることも……でも、ご安心ください。

ご自宅を相続した場合に使える「小規模宅地等の特例」というものがあるのです。

「小規模宅地等の特例」ってなんですか?

相続税における不動産の特例の中でも一番有名な特例です。
正しくは「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」と言います。

亡くなられた方がご自宅や店舗、貸アパート等として使っていた宅地を、その方のご親族が取得する場合に、宅地の評価額を一定の面積までは最大限80%減額してよいですよ、という制度です。

例えば、2億円のご自宅の宅地を相続で取得したとしても、相続税評価額においては80%減額して4,000万円ということになります。
仮にご相続人様がお子様2人の場合の相続税額を計算してみると、相続税額3,340万円が「0円」になるのです(財産が土地のみと仮定)。
※宅地の価値は変わりませんが、相続税額が劇的に変わります

どんな宅地だったら使えるの? ~特例対象宅地等とは

では、どんな宅地だったらこの特例を使えるのでしょうか? 対象となる宅地を「特例対象宅地等」と言います。「特例対象宅地等」は大きく分けて、①自宅用 ②事業用 ③貸付用 の3種類があります。

①自宅用 ~特定居住用宅地等

特定居住用宅地等とは、被相続人(亡くなった方)が住んでいた、又は亡くなった方と生計を一にしていた親族の居住用宅地等で、配偶者又は一定の要件を満たす親族が取得した宅地等のことをいいます。

②事業用 ~特定事業用宅地等

特定事業用宅地等とは、被相続人(亡くなった方)又は亡くなった方と生計を一にしていた親族が事業をしていた宅地等で、一定の要件を満たした親族が取得した宅地等のことをいいます。

※事業をしていたとは、例えば、近所のパン屋や喫茶店のように個人や法人で事業をしている場合を指します

③貸付用 ~貸付事業用宅地等

貸付事業用宅地等とは、被相続人(亡くなった方)又は亡くなった方と生計を一にしていた親族が貸付をしていた宅地等で、一定の要件を満たした親族が取得した宅地等のことをいいます。

※貸付事業とは、例えば貸アパートや立体駐車場の敷地などを指します。

上記①~③の特例対象宅地等は「その他一定の他の要件」を満たせば、以下の表に掲げる区分ごとに一定の割合を減額します。

相続開始の直前における宅地等の利用区分 限度面積 減額割合
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 貸付事業以外の事業用の宅地等 400m² 80%
貸付事業用の宅地等 一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等 200m² 50%
被相続人等の貸付事業用の宅地等 200m² 50%
被相続人等の居住用の宅地等 330m² 80%
国税庁「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」参照

まとめ

土地を相続した際に、相続税評価額が下がる「小規模宅地等の特例」基礎編では概略をご説明しました。この特例を適用するには、今回ご説明した点以外に、さまざまな「その他一定の他の要件」があります。

例えば『小規模宅地等の特例』ってなんですか?」で例を挙げました“2億円が4,000万円になるケース”です。
相続税は「0円」なのですが、この特例を適用するには相続税の申告書をご相続があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、お亡くなりになった方の住所地を管轄する税務署に提出する事が必要になります。 ※税金が「0円」でも申告が必要になるんです!

「自分が相続した宅地が該当しそうだな」、「『その他一定の他の要件』」に自分は当たるんだろうか」などと疑問に思われましたら、当センターまでお気軽にご相談くださいませ。

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