税理士が解説する相続税コラム

ご家族が亡くなった後の手続き ~税理士もお手伝いします~

ご家族が亡くなった後の手続き

相続が発生すると悲しんでいる間もなく、いろいろな手続きが待っています。
相続税がかかる場合、相続開始日(相続があったことを知ってから)から10カ月以内に申告をしなければなりませんが、相続税がかからない場合でもいろいろな手続きが必要です。

今回は、ご家族が亡くなった後の手続きの一部を時系列に、期限・時効も含めて説明します。執筆:相続センター 長門事務所
公開:2021年4月6日

社会保険等の手続き

社会保険等の手続き

年金受給者の死亡により権利を喪失するため「受給権者死亡届(報告書)」を提出します(国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内)。
年金証書に亡くなったことを証明できる書類(住民票の除票・死亡診断書のコピー等)を添えて年金事務所等に提出します。この時未支給年金や受給できる遺族年金があれば請求します。

健康保険(国民健康保険、後期高齢者医療保険)の資格喪失届は14日以内に市区町村役場に提出し、被保険者証(保険証)を返納します。

介護保険者の資格喪失届は同じく14日以内に市区町村に提出し、保険証を返納します。65歳以上の場合、保険料が月割りで再計算され過不足があれば後日精算となります。

相続放棄・限定承認

被相続人(亡くなった方)に借金がたくさんある場合、3カ月以内に家庭裁判所に申し立てをして財産を引き継がない「相続放棄(そうぞくほうき)」をすることができます。

また、借金の全容が不明な場合、プラスの財産の範囲内で借金を引き受ける「限定承認(げんていしょうにん)」という制度もあります。相続放棄は相続人がそれぞれ選択できるのに対し、限定承認は相続人全員で行います。

なお、相続放棄については「相続放棄の期間の伸長の申し立て」を行えば3カ月後でも放棄できる場合があります。
関連コラム→「相続放棄とは ~手続きと影響を解説~

準確定申告

不動産所得、事業所得や年金収入のある方が亡くなり、確定申告が必要な場合、4カ月以内に準確定申告をしなければなりません。
関連コラム→「被相続人(亡くなられた方)の所得の申告と納税~準確定申告~

相続税の申告・納付

相続財産が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた場合、10カ月以内に相続税の申告・納付が必要となります。

小規模宅地の特例等の適用後の金額が基礎控除以下であっても、特例適用前の金額が基礎控除額を上回れば、申告が必要となります。

ところで、相続財産を構成する預貯金、株式、不動産、自動車などは、相続税の申告期限までに分割協議が確定しないと、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が適用できません。そのためには10カ月以内に分割協議書を作成し、それぞれの名義変更等の手続きをするのが望ましいでしょう。手続きは以下のとおりです。

  1. 預貯金
    口座名義人の死亡が確認されると、金融機関は口座の凍結を行う(民法改正で令和元年7月から一部が引き出し可能)。そこでいったんは相続人の共有財産になり、のちの遺産分割協議書などをもとに相続人が払い戻しを請求する。
  2. 株式
    銀行預金等と同じ。相続人は、証券会社に口座を開設し、株式の名義を(相続人に)書き換える。
  3. 不動産
    不動産について、現在のところ相続登記(所有権移転)は罰則や期限が定められている義務行為ではないが、そのままにしておくと将来の相続で手続きが煩雑になるため、早めの手続きが望ましい(注:民法・不動産登記法の改正に伴い、令和5年度より相続登記が義務化される見通し)。提出先は法務局だが、申請は専門的なので司法書士に委任したほうがよい。
  4. 自動車
    遺産分割協議書などによって相続が決まれば、運輸支局で車の移転登録を行う。行政書士に登録を委任することもできる。

関連コラム→「家を相続したら相続税額が安くなる?~「小規模宅地等の特例」基礎編
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請求すればもらえるお金

死亡後に手続きをすればもらえるお金があります。以下の請求権には時効があり、課税の対象になる場合があります。

  1. 葬祭費・埋葬料
    国民健康保険加入者が亡くなり、葬式をした場合、市区町村によって金額は異なるが葬祭費として1~7万円が支給される。健康保険に加入した人が亡くなった場合は埋葬料として一律5万円が支給される。時効は2年以内。
  2. 高額療養費
    被相続人が生前に一定額以上の医療費を支払っていた場合、一定の基準によって払い戻しを受けられる。介護保険についても同様で、時効は2年以内。
  3. 生命保険金
    生命保険金請求権の時効は3年以内。生命保険金はみなし相続財産で、「500万円×法定相続人の数」以内なら非課税。
  4. 未支給年金
    死亡時にまだ受け取っていない年金(年金は2カ月分を偶数月に後払いとなっており、死亡した月の分まで支給されるため)を受け取れる。時効は5年以内。相続人の一時所得になる。
  5. 遺族厚生年金
    厚生年金の加入期間が25年以上の人が亡くなった場合に遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金が受け取れる。時効は5年以内。遺族年金は非課税。

まとめ

ご家族が亡くなった後の手続きは煩雑で、相当期間を要します。
相続専門の税理士は、それらの手続きについても熟知しており、コーディネートしてくれます。まずは、税理士に相談することをお勧めします。

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ぜひ「相続税申告の手続き・手順」もあわせてご覧ください。
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