税理士が解説する相続税コラム

財産評価基本通達とは ~相続財産を評価する~

財産評価基本通達とは ~相続財産を評価する~

相続税の申告をするとき、相続した財産がいくらになるのか全ての価額を調べる必要があります。

相続財産には評価が難しいものもありますが、相続税額を計算する上で、財産の評価の仕方はとても大事になってきます。評価の基準となる基本通達についてご説明します。
執筆:相続センター 所沢事務所
公開:2020年6月24日

財産評価基本通達ってなに?

相続、遺贈または贈与によって取得した財産の価額は、相続税法第22条において「時価」によって評価することと規定されています。
“時価”、お寿司屋さんで目にすると少し怖くなる言葉ですね……。どうして怖くなるのか、それは“時価”と言われても一体いくらなのかわからないからです。

財産評価でも同じことで、相続税法で“財産は時価で評価してください”と規定されていても、時価とはいくらなのか、一体どんな方法で求めるの?という疑問が生じます。

納税者や税理士がこの時価を独自の方法で評価し始めたら、納税実務はとてつもなく複雑かつ多様となり、不公平が生じてしまいます。

そのため実務が簡便になるよう、また不公平が起きないよう国税庁が財産評価の一般的なマニュアルとして「財産評価基本通達」として価額の計算方法を示し、多種多様な財産の評価を一定の基準のもと行えるようになっています。

財産評価基本通達があれば税理士はいらない?

財産評価のマニュアル

そんな財産評価のマニュアルがあるならば、税理士なんて必要ないんじゃないの?そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、財産評価という分野はあらゆる状況に置かれた多種多様な財産を評価する必要があり、その多様性の前では財産評価基本通達も全ての実務に対して万能な訳ではありません。

マニュアル通りの評価をしたことによって、合理性を欠いた過大評価または過小評価になり、納税額が適正な納税額から乖離してしまうことがもあるため、時にはマニュアルとは異なる対応が必要になります。

そのようなケースのために財産評価基本通達では、総則5項に(評価方法の定めのない財産の評価)、総則6項に(この通達の定めにより難い場合の評価)として対応を定めており、総則5項または総則6項をもって税理士が合理的な評価方法を検討します。
ぜひ「相続税評価額」も合わせてご覧ください。

財産評価基本通達は財産評価の「マニュアル」に過ぎない

財産評価基本通達は財産評価の「マニュアル」

財産評価基本通達は財産評価の「マニュアル」であると説明させていただきましたが、なぜ「ルール」ではなく「マニュアル」なのか。それは税務通達が、国税庁が国税局や税務署に対して命令する文書であるという位置付けにすぎず、法令とは異なり、国民への拘束性を有しないためです。

財産評価基本通達という「マニュアル」は税務の世界ではとても便利なものですが、「時価」によって評価するという「ルール」に立ち戻り、マニュアル外の評価を検討することは(不動産鑑定士や他の士業とも繋がりの深い)税理士が検討を尽くす複雑な作業となります。

そのため、財産の評価に関してはご自身で悩まずに税理士にご依頼いただくことをお勧めいたします。

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