税理士が解説する相続税コラム

最大1,500万円が非課税になる「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」

住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例

住宅を購入する時に、父母や祖父母から資金提供を受ける方は、住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例を利用することで、資金贈与に伴う税金の負担を抑えられる可能性があります。
執筆:相続センター 柏事務所
公開:2020年9月10日

住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例とは

この特例は、父母や祖父母から住宅を取得するための資金の贈与を受けても、一定額までは贈与税がかからないという制度です。
限度額は段階的に下がってはいますが、それでも基礎控除額の110万円に加えて最大で1,500万円が非課税になる可能性があります。

この特例は、令和3年12月31日までに住宅資金として贈与を受けた場合において、一定の要件を満たすときに対象となります。

主な要件と期限

特例を受けるための受贈者(贈与される人)の主な要件と期限です。

  • 贈与を受けるのは直系卑属(子や孫)である
  • 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上である
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下である
  • 取得の期限:贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅用の家屋を新築や取得等をすること
  • 居住の期限:贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること

表)非課税限度額

居住用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
令和2年4月1日~令和3年3月31日 1,500万円
(1,000万円)
1,000万円
(500万円)
令和3年4月1日~令和3年12月31日 1,200万円
(8000万円)
700万円
(300万円)

(注1)「省エネ等住宅」とは、一定の省エネ等基準(断熱等性能等級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であることなど)に適合する住宅用の家屋であるという、一定の証明書などを贈与税の申告書に添付することにより証明されたものをいいます。
(注2)個人間の売買で、建築後使用されたことのある住宅用の家屋(中古住宅)を取得する場合、または消費税が10%課税でない場合には表中( )内の金額が限度額となります。

取得期限等の延長について

通常であれば、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」の適用を受けるためには、取得の期限(贈与を受けた年の翌年3月15日)までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築(いわゆる棟上げまで工事が了している状態を含みます)または取得等をし、居住の期限(同年12月31日)までにその家屋に居住する必要があります。

ただし、「災害に基因するやむを得ない事情」により、取得期限までに新築等ができなかった場合または居住期限までに居住ができなかった場合には、それぞれの期限が1年延長され、特例の適用を受けることができます。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、工事の施工ができない、工期が延長した等により生じた遅延であれば、この「災害に基因するやむを得ない事情」に該当するものと認められます。

デメリットはないの?

メリットとデメリット

この制度は相続税対策にもなりますし、亡くなる前3年以内の贈与が相続税の課税価格に加算されるというルールの適用もありません。
一見するといいことずくめのようですが、必ずしもそうとはいえません。

  1. 要件が細かく定められている
    取得と居住の期限については上述しましたが、この他にも贈与を受ける人の要件や住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の要件が事細かに定められています。
  2. 申告が必要
    この制度を適用することにより納付税額がない場合であっても、必ず翌年3月15日までに申告をしなくてはなりません。
  3. 小規模宅地等の評価減が使えなくなる可能性がある
    小規模宅地等の評価減については、別居していても持家のない親族であればこの特例の適用を受けられる場合があります。居住用小規模宅地をお子さまに相続させようとお考えであれば「あえて子供どもには住宅を持たせない」という選択肢も考えられます。

今回、ご紹介した内容と間違えやすい制度で「相続時精算課税制度」というものがあります。
贈与税の制度ですが、今回のコラムの内容とは別のものですのでご注意ください。 相続時精算課税制度とは?

当センターでは生前贈与についてのご相談も承っております。お気軽にお問い合せください。

「小規模宅地等の特例」基礎編
「小規模宅地等の特例」家なき子特例
<YouTube動画>【3年内贈与加算とは?】生前贈与の注意点!

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