税理士が解説する相続税コラム

「結婚20年目のプレゼント」に自宅を贈与 ~贈与税の配偶者控除の特例~

「結婚20年目のプレゼント」に自宅を贈与

長年連れ添ったご夫婦が、配偶者のために自宅を残したい(購入したい)と思うのはごく自然なことだと思います。

一定の要件を満たしているご夫婦であれば贈与税の控除が受けられる、贈与税の配偶者控除の特例があります。概要や気を付けるべきポイントをお伝えします。
執筆:相続センター 岡山事務所
公開:2020年6月5日

配偶者控除の特例とは

配偶者へ居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与をした場合、基礎控除110万円と配偶者控除2,000万円の合計2,110万円まで贈与税が控除されるというものです。

居住用不動産の価額は、建物については贈与した年度の固定資産税評価額、土地についてはその年分の路線価等をもとに評価することとなります。

特例を受けるための要件

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)

①婚姻期間が20年を経過した夫婦間の贈与であること
②贈与された財産が、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭であること
③贈与を受けた年の翌年3月15日までに、(贈与により取得したまたは贈与を受けた金銭で取得した)居住用不動産に贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

失敗事例

①2,110万円までの贈与には、税務署への諸手続きなしでも贈与税がかからないものだと思い込み、贈与税の申告を失念した。
⇒翌年の3月15日までに贈与税の申告をした場合にのみ、配偶者控除(贈与税がゼロ)が適用されます。

②自宅の贈与には移転コストがかからないものだと思い込んでいたが、後日、不動産取得税の納付書が届いた。
⇒配偶者が相続により不動産を取得した場合には不動産取得税はかかりませんが、贈与により取得した場合には課税されます。
また、登録免許税についても相続により移転させた方がお安くなります。

③自宅を売却予定であるにも関わらず配偶者に贈与したまたは配偶者名義でセカンドハウスを購入するための資金を贈与した。
⇒自宅として居住する目的以外の贈与については配偶者控除の適用はありません。

④相続開始前3年以内に配偶者へ自宅を贈与したため、相続税の申告時に相続財産に足し戻して申告した。
⇒特定贈与財産(贈与税の配偶者控除の規定により控除された金額)は相続税の申告に含める必要はありません。

まとめ

同じ配偶者からの贈与について、配偶者控除の適用は1度しか受けることができません。

贈与した後に要件を満たしていないことに気が付き配偶者控除が適用されないケースや移転コストを考えると、相続財産額によっては贈与でなく、相続により自宅を移転したほうが有利になるケースもあります。

実行する場合には、専門家に相談するなど慎重に検討することをお薦めします。お困りの方は当センターまでご相談ください。

前のコラム 次のコラム

相続税コラム・一覧へ

相続税申告のご相談・お問い合わせ
相続かるた
辻・本郷 税理士法人

私たちは、税務会計をご支援する辻・本郷 税理士法人の相続税専門チームです


上へ

お問い合わせ
0120-912-914
【受付】平日9時〜17時半※土日祝除く