赤伝処理とは何か?意味・使い方・仕訳例をわかりやすく解説

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監修者 宇都宮健太

建設業などで経理業務をしていると、「この仕訳、赤伝処理で直してください」といった指示を受けることがありますよね。

赤伝処理とは何なのか、なぜわざわざその処理方法を使うのかについて、正確に説明できる人は意外と多くありません。

仕訳ミスを見つけたとき、何となく言われた通りに赤伝を切っているだけでは、帳簿の意味やお金の流れを正しく理解しているとは言えないでしょう。

この記事では、赤伝処理とは何かという基本的な概要から、どのような場面で使われるのか、仕訳はどのようにしたら良いか、実務での注意点までを、経理初心者にもわかるように整理して、解説していきます。


目次

1.赤伝処理とは?

赤伝処理とは、主に建設業で用いられることの多い会計処理の一つです。

この章では、赤伝処理の定義、なぜ赤伝処理が必要とされるのか、また、類似した用語との使い分けについて解説していきます。

1-1.赤伝処理とは、計上してしまった取引内容を帳簿上で取り消したり修正したりする処理

赤伝処理とは、すでに計上してしまった取引内容を、帳簿上で取り消したり修正したりするための処理です。

会計帳簿は一度記帳した内容を直接書き換えるのではなく、「どのような経緯で修正されたのか」を履歴として残すことが求められるため、そこで使われるのが、金額をマイナスで計上する赤伝という考え方です。

例えば、売上を10万円で計上した後に、実際は8万円だったことが判明した場合、差額の2万円を減額する必要があります。このとき、元の仕訳を消して書き直すのではなく、2万円分をマイナスの仕訳として計上し、帳簿上で正しい金額に戻します。これが赤伝処理です。

つまり赤伝処理とは、過去の取引を帳簿上でなかったことにする、あるいは正しい状態に戻すための、会計上の修正手法です。

1-2.なぜ赤伝処理が必要とされるのか

赤伝処理が必要とされる理由は、帳簿の信頼性と修正履歴を守るためです。

会計では「いつ、どのような取引が行われ、後からどう修正されたのか」が第三者にも追える状態でなければなりません。もし過去の仕訳を自由に書き換えてしまうと、帳簿の整合性が失われ、税務調査や社内チェックの際に説明ができなくなります。

実務では、売上の二重計上や金額の入力ミス、返品の発生など、後から訂正が必要になる場面は避けられません。その際に赤伝処理を用いれば、元の取引(黒伝)を明示したまま、修正分だけをマイナスとして計上できます。

このように赤伝処理は、帳簿を「正しい数字にする」だけでなく、「正しく修正された過程を残す」ために不可欠な処理なのです。

1-3.黒伝処理・青伝処理との違い

処理名内容
黒伝処理通常の取引の計上処理
赤伝処理過去の取引を帳簿上でなかったことにする、あるいは正しい状態に戻すための修正処理
青伝処理黒伝処理、赤伝処理都は全く異なり、銀行取引や株式投資の分野で、主に出金や売り注文などを記録するための処理

赤伝処理を理解するには、黒伝処理や青伝との違いを整理することが重要です。

まず、訂正が入る赤伝処理に対して、通常の取引を計上する処理を黒伝処理といいます。売上計上や仕入計上など、日常的に行われるプラスの仕訳が黒伝にあたります。赤伝は、この黒伝を前提として発生する修正用の処理です。

一方、青伝処理とは、銀行取引や株式投資の分野で使われる青い伝票を青伝票と言い、主に出金や売り注文などを記録するためにこの青伝票を用いる処理を、青伝処理と言います。会計上の修正概念である赤伝処理とは用途も文脈も異なります。

※また、返品伝票との関係も混同されがちですが、赤伝処理は「目的」、返品伝票は「手段」という関係にあります。赤伝処理は、計上済みの取引を帳簿上で戻すための考え方であり、返品伝票は、その赤伝を発行する際に「なぜ修正するのか」を示す具体的な内容が返品であることを表す伝票です。

つまり、返品が発生した場合、帳簿を正しい状態に戻すために赤伝処理を行い、その赤伝の理由として返品伝票が存在する、という整理になります。


2.赤伝処理が必要な代表的なケース

赤伝処理が必要になる代表的な場面は、「取引自体は一度成立して帳簿に計上されたものの、後から内容を取り消す、または修正する必要が生じた場合」です。

なぜなら、すでに黒伝として計上された取引は、帳簿上に履歴として残っており、単純に削除や上書きをすることができないからです。

そのため、実務では特に「商品が返品されたケース」と「処理済みの伝票を取り消したいケース」で赤伝処理が多く用いられます。

この章では、この2つの典型例について整理します。

2-1.商品が返品されたケース

商品が返品された場合、赤伝処理が必要になります。

これは、売上や仕入といった取引自体は一度成立しているものの、結果としてその取引がなかった状態に戻るためです。

例えば、すでに売上として計上した商品が、品質不良や数量違いなどの理由で返品された場合、帳簿上では売上を減額し、売掛金や現金の残高を正しい状態に戻す必要があります。このとき、元の売上仕訳を消すのではなく、返品分をマイナスとして計上する赤伝処理を行います。

このように、返品が発生した場合、帳簿の整合性を保ちつつ実態に合わせるために、赤伝処理が用いられます。

2-2.処理済みの伝票を取り消したいケース

処理済みの伝票を取り消したい場合も、赤伝処理が必要となります。

その理由は、金額の入力ミスや数量の誤りなどによって、計上内容そのものが誤っているにもかかわらず、すでに会計処理が完了していることがあるためです。

例えば、本来は10万円で計上すべき売上を100万円で処理してしまった場合、その伝票を単純に削除すると、帳簿上の履歴が不明確になります。このような場合、誤って計上した分を赤伝で取り消し、そのうえで正しい内容の伝票を改めて計上します。

赤伝処理を使うことで、誤りがあった事実と修正の過程を帳簿に残すことができる点が重要です。


3.赤伝処理が建設業で特にトラブルになりやすい2つのケース

赤伝処理は会計上は正当な修正手段ですが、使い方を誤ると建設業法違反となり、トラブルを生じる可能性があります。

なぜなら、建設業法では、元請負人が下請負人に支払う下請代金について、不当な減額や一方的な相殺を厳しく禁止しているためです。

帳簿上は「赤伝処理」という形を取っていたとしても、実態として下請代金を不当に減額していれば違法と判断されます。

特に問題となりやすいのが、合意のない相殺と、根拠の不明瞭な費用の差し引きです。

3-1.合意なしに下請代金から報酬を相殺するケース

下請先に合意のないまま赤伝処理を行い、下請代金から報酬や費用を差し引く行為は、建設業法違反となる可能性があります。

その理由は、下請代金は契約に基づいて支払われるべきものであり、元請負人が一方的な判断で減額することが認められていないからです。

例えば、工事の過程で元請が負担した追加費用や手直し費用について、事前の協議や書面による合意がないまま、「その分を赤伝処理しておく」として下請代金から差し引くケースが該当します。

このような処理は、会計上は赤伝として処理されていたとしても、実態としては下請代金の一方的な減額とみなされ、違法となるリスクがあります。

赤伝処理はあくまで合意済みの取引内容を帳簿に反映させる手段であり、交渉や契約そのものを省略できるものではありません。

3-2.差し引く根拠が不明瞭な費用を下請代金から差し引くケース

差し引く根拠が不明瞭な費用を赤伝処理によって下請代金から控除する場合も、建設業法違反となるおそれがあります。

なぜなら、下請代金から控除できる費用は、内容や金額、負担者について明確な根拠があり、かつ事前に合意されている必要があるからです。

具体的には、元請負人が「協力費」「販売促進費」「事務手数料」といった名目で、実態や算定根拠が曖昧な費用を設定し、それを下請代金から赤伝処理で差し引くケースが問題になります。

このような場合、帳簿上は正規の処理に見えても、実態としては不当な減額と判断され、違法とされる可能性があります。

赤伝処理は、あくまで正当な契約内容や合意事項を反映させるための会計処理であり、根拠のない費用を正当化するための手段ではない点に注意が必要です。


4.赤伝処理の正しい処理手順

赤伝処理を正しく行うためには、いきなり仕訳を切るのではなく、事実関係の確認から段階的に進める必要があります。

赤伝処理は「どの取引を、どこまで、なぜ戻すのか」を明確にしたうえで行う修正処理であるためです。

以下では、商品返品の場合と、処理済み伝票の取消しの場合に分けて、基本的な手順を説明します。

4-1.商品が返品された場合の手順

赤伝処理の中でも、商品が返品された場合の手順について、まずはご紹介します。

①返品された商品や返品理由、個数などを確認する

商品が返品された場合は、まず返品された商品そのものと、返品理由、数量や金額が正しいかどうかを確認します。

これは、返品内容を誤って把握すると、赤伝処理によって帳簿がさらに不正確になるリスクがあるためです。

②返品を記録するために返品伝票を作成する

次に、返品の事実を記録するために返品伝票を作成します。この返品伝票は、後から見たときに「なぜ赤伝が発行されたのか」を説明する根拠資料になります。

③赤伝処理を行う

そのうえで、返品内容に基づいた赤伝処理を行い、売上や売掛金などをマイナス計上して帳簿を正しい状態に戻します。

④必要に応じて返金手続きをする

最後に、すでに代金を受け取っている場合などは、実態に応じて返金処理や相殺処理を行います。

この一連の流れにより、実際の取引と帳簿の内容を一致させることができます。

4-2.処理済みの伝票を取り消す場合の手順

次に、処理済みの伝票を取り消す場合の手順について、解説します。

①伝票の誤りがあるか、取消しが必要かどうかなどを確認する

処理済みの伝票を取り消す場合は、まずその伝票にどのような誤りがあるのか、また本当に取消しが必要なのかを確認します。

具体的には、訂正すべき取引内容、数量、金額などを洗い出し、「全額取り消すのか」「一部だけ修正するのか」を明確にします。

②赤伝による過去の伝票の取り消しを行う

次に、誤って計上された過去の伝票に対して、赤伝を用いて取消し処理を行います。これにより、帳簿上では一度計上された取引が、修正された形で整理されます。

③必要に応じて正しい伝票を発行する

そして、誤りを正したあとの正しい取引内容については、必要に応じて新たに正しい伝票を発行します。

この手順を踏むことで、帳簿の数字だけでなく、修正の理由や経緯まで説明できる会計処理が可能になります。


5.赤伝処理の勘定科目と仕訳例

赤伝処理では、特定の専用勘定科目があるわけではありません。

なぜなら、赤伝処理の本質は「新しい取引を記録すること」ではなく、「すでに計上した取引を帳簿上で取り消す、または修正すること」にあるためです。

したがって、どの勘定科目を使うかは、もともとどの取引を修正するのかによって決まります。

以下で、勘定科目の考え方と具体的な仕訳例を確認します。

5-1.赤伝処理は修正前の逆仕訳をきる

赤伝処理では、複数の勘定科目が該当します。

これは、赤伝処理が独立した取引ではなく、既存の取引を打ち消す処理であるためです。

例えば、売上の計上を取り消す場合には「売上高」や「売掛金」を使いますし、仕入の修正であれば「仕入」や「買掛金」が対象になります。現金で受け取っていた場合には「現金」が関係することもあります。

このように、赤伝処理でよく使われる勘定科目には、「売上」「仕入」「売掛金」「買掛金」「現金」などがあり、元となる黒伝仕訳と同じ勘定科目を使って、逆方向の仕訳をきる点がポイントです。

5-2.赤伝処理の仕訳例

ここでは、実務で混乱しやすいケースとして、「当初は5個納品したと認識していたが、本来は10個納品すべき取引だった」場合を例に、赤伝処理の流れを確認します。

① 前提条件の整理

商品単価は1個10,000円で、最終的な納品数は10個、合計金額は100,000円です。代金はすべて掛け取引で、売掛金として処理します。

・商品単価:1個 10,000円

・最終的な納品数:10個

・合計金額:100,000円

・代金はすべて掛け(売掛金)

② 最初に5個納品したときの仕訳(黒伝)

最初は5個だけ納品したと認識していたため、次の売上仕訳を行っています。

借方金額貸方金額
売掛金50,000売上高50,000

この時点では、B社に対して5万円分の売上が計上され、売掛金も5万円残っている状態です。

③ 本来は10個であったため、修正処理(赤伝処理)を行う

後から確認したところ、取引条件上は最初から10個分の売上を計上すべきであったため、まずは最初の仕訳を帳簿上で取り消します。

このときに行うのが、最初の仕訳と逆の内容を持つ赤伝処理です。

借方金額貸方金額
売上高50,000売掛金50,000

この赤伝処理により、最初に計上した5万円分の売上と売掛金は、帳簿上で相殺されます。

④ 正しい内容での伝票処理(黒伝)

赤伝処理でいったん帳簿をゼロの状態に戻したうえで、改めて正しい取引内容で売上を計上します。

借方金額貸方金額
売掛金100,000売上高100,000

この結果、帳簿上には「10個・10万円分の売上」が正しく残り、B社に対する売掛金も10万円となります。


6.赤伝処理を行う際の注意点

赤伝処理を行う際には、いくつかの注意点があります。

特に建設業の実務では、会計処理が適切でも、手続きや説明が不足しているとトラブルや法令違反につながるおそれがあります。

この章では、赤伝処理を安全かつ適正に行うために押さえておくべき注意点を解説します。

6-1.元請側と下請側でしっかり協議や合意を行うこと

赤伝処理を行う前提として、元請側と下請側で十分な協議と合意を行うことが不可欠です。

その理由は、赤伝処理そのものが下請代金の減額や修正につながる場合が多く、一方的な処理は不当減額と判断されるリスクがあるからです。

例えば、工事内容の変更ややり直しが発生した場合でも、その費用負担について事前または事後に協議し、双方が納得した内容にすることが重要です。

合意のないまま赤伝処理を進めるのではなく、「なぜ修正が必要なのか」「どの金額をどう処理するのか」を共有したうえで処理を行うことが、トラブル防止につながります。

6-2.差引額の算定根拠を明確にし、下請側に開示すること

赤伝処理によって金額を差し引く場合には、その算定根拠を明確にし、下請側に開示することが重要です。

なぜなら、差引額の根拠が曖昧なままでは、正当な修正であっても不当減額と疑われる可能性があるからです。

具体的には、領収書や見積書、契約書、工事内容の変更指示書など、金額の算定過程を説明できる資料を整理し、必要に応じて下請側に提示できる状態にしておく必要があります。

根拠を示すことは、相手方への説明だけでなく、自社を守るための証拠保全という意味でも重要です。

6-3.会計ソフトを用いる際に二重計上を避けること

会計ソフトを使用して赤伝処理を行う際には、二重計上になっていないかを必ず確認する必要があります。

その理由は、赤伝処理と黒伝処理を組み合わせる過程で、操作ミスによって売上や売掛金が過剰に計上されてしまうことがあるからです。

実務では、元の伝票(黒伝)と同一内容の逆仕訳をマイナスで入力し、帳簿上で正しく相殺されているかを確認することが重要です。

赤伝だけが残っていないか、黒伝と赤伝の両方が正しく反映されているかを、試算表や総勘定元帳で必ずチェックする習慣が求められます。

6-4.返品・値引き・誤請求の際には記録を保存すること

返品や値引き、誤請求によって赤伝処理を行う場合には、その理由や数量、金額を記録し、保存しておくことが重要です。

なぜなら、後から第三者に説明を求められた際、仕訳だけでは「なぜその赤伝が行われたのか」が分からないためです。

返品理由や個数、金額が分かる書類やメモを伝票と紐づけて保管しておけば、税務調査や社内監査の際にもスムーズに説明できます。

赤伝処理は帳簿上の調整で終わるものではなく、その背景まで含めて記録しておくことで、初めて適正な処理となります。


7.赤伝処理に関するよくあるQ&A

赤伝処理について調べていると、「違法にならないのか」「この費用は差し引いてよいのか」「税務調査で問題にならないのか」といった実務的な疑問に行き当たることが多いはずです。

赤伝処理は会計処理としては一般的である一方、建設業では下請代金の減額や相殺と直結しやすく、法律や行政指導との境界が非常に分かりにくい分野であるためです。

この章では、赤伝処理に関して現場で特に質問されやすいポイントを取り上げ、整理します。

7-1.赤伝処理は違法?

赤伝処理そのものは違法になるわけではありません。

なぜなら、赤伝処理は会計上、すでに計上した取引を修正・取消するための正当な手法であるためです。

ただし、建設業法では、工事に伴う追加費用などについて、協議や合意がないまま下請代金から一方的に差し引く行為、いわゆる相殺を禁止しています。帳簿上は赤伝処理であっても、実態として不当な減額であれば違法となります。この点については、国土交通省からも繰り返し注意喚起が行われています。

つまり、問題になるのは赤伝処理という形式ではなく、その背景にある合意の有無と実態です。

7-2.安全協力会費・廃棄物処理費用に赤伝処理はOK?

赤伝処理は安全協力会費や廃棄物処理費用に、一定の条件を満たしていれば可能ですが、無条件で認められるわけではありません。

なぜなら、安全協力会費や廃棄物処理費用といった名目では、内容や負担区分が曖昧になりやすく、不当減額と判断されやすいためです。

具体的には、事前に協議と合意が行われ、その内容が見積書や契約書に明確に記載されていることが前提となります。これらがないまま、一方的に赤伝処理で差し引くと、建設業法第19条が定める建設工事の請負契約における、不当低額請負に該当するおそれがあります。

赤伝処理が許可されるかどうかは、契約と合意の実態により判断されます。

7-3.元請から赤伝を切られたらどうしたらいいか?

まずは、冷静に根拠の確認を求めることが重要です。

なぜなら、赤伝処理が正当かどうかは、その差引額の算定根拠と合意の有無によって判断されるためです。

具体的には、領収書や見積書、協議記録などの根拠資料の開示を求め、事前または事後に合意があったかを確認します。もし根拠が不明確で、納得できない一方的な処理であれば、公正取引委員会や建設業許可を管轄する行政機関へ相談するという選択肢もあります。

感情的にならず、事実と書面に基づいて対応することが重要です。

7-4.赤伝処理は税務調査で問題になる?

赤伝処理の根拠が不十分な場合、税務調査で問題になる可能性があります。

税務調査では「なぜその赤伝処理が行われたのか」「合理的な根拠があるのか」が重視されるためです。

例えば、協議記録や契約書、返品理由などの書面が残っていないと、実態のない相殺や架空の修正と疑われ、修正申告を求められるリスクがあります。

赤伝処理に関する根拠資料は、税務上の保存期間を踏まえ、少なくとも7年間は保存しておくことが望ましいといえます。

7-5.赤伝処理により建設業法違反になるとどうなる?

建設業法違反と判断された場合、重い行政処分や刑事罰が科される可能性があります。

なぜなら、下請代金の不当な減額は、下請保護の観点から厳しく規制されている行為であるためです。

具体的には、営業停止や建設業許可の取消しといった行政処分に加え、内容によっては罰金や懲役といった刑事罰が科されることもあります。実際に行政処分となった事例も多数公表されており、近年は特に下請保護の姿勢が強まっています。

赤伝処理に対する認識が、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

7-6.赤伝処理によるトラブル防止のコツは?

赤伝処理によるトラブルを防ぐためには、日常的な仕組みづくりが重要です。

赤伝処理による問題の多くは処理そのものではなく、コミュニケーション不足や書面不備から生じるためです。

具体的には、

・元請と下請で定期的に打ち合わせを行い、費用負担の考え方を共有しておくこと

・契約書や見積書に差引条件を明確に記載すること

・差し引く際には必ず根拠資料を開示すること

・社内で赤伝処理のチェックリストを運用して処理内容を確認すること

などが有効です。

赤伝処理をする際には、トラブルを未然に防ぐための管理の過程として扱うようにしましょう。


8.赤伝処理でお悩みの方は辻・本郷 税理士法人の税務顧問サービスをご活用ください

赤伝処理について不安や疑問を感じている場合は、税務・会計の専門家に早めに相談することが最も確実な解決策です。

赤伝処理を正しく行うためには、契約内容や取引の実態、さらには建設業法や税務調査への影響まで含めて判断する必要があるためです。

自己判断で処理を進めてしまうと、後から修正が難しくなったり、思わぬ法令違反や追徴課税につながるリスクがあります。

辻・本郷 税理士法人の税務顧問サービスでは、日々の会計処理の確認だけでなく、赤伝処理が必要となる場面での判断や、建設業特有の下請代金・相殺処理に関する注意点まで踏み込んだサポートを受けることができます。

帳簿上の処理が適切かどうかだけでなく、「その処理が法的に問題ないか」「後から説明できる状態になっているか」という視点でチェックできる点が強みです。

赤伝処理で迷う時間や、後からの修正リスクを減らすためにも、日常的に相談できる税務顧問を持つことは大きな意味があります。

会計処理と法令対応の両面から安心して業務を進めたい方は、辻・本郷 税理士法人の税務顧問サービスの活用を検討してみてください。


9.まとめ

赤伝処理は、会計実務において欠かすことのできない正当な修正手段です。

すでに計上した取引を後から訂正する場面は避けられず、その履歴を帳簿上に正しく残すためには、赤伝処理という方法が最も合理的であるためです。

一方で、特に建設業においては、赤伝処理がそのまま下請代金の減額や相殺につながりやすく、会計上は問題がなくても、建設業法違反やトラブルに発展するリスクを常に伴います。

違法となるかどうかを分けるポイントは、

・事前または事後に十分な協議と合意があったか

・差し引く金額の根拠が明確か

・それを説明できる書面や記録が残っているか

という実態面にあります。

また、赤伝処理を安全に行うためには、

・元請・下請間のコミュニケーション

・契約書や見積書への明記

・根拠資料の保存

・会計処理上の確認作業を一体として運用すること

などが重要です。

赤伝処理の意味や使いどころ、注意点などを正しく理解しておけば、無用な法令違反やトラブルを避けることができ、税務調査や行政対応においても自信を持って説明できるようになります。

お悩みの際は、辻・本郷 税理士法人の税務顧問サービスをご検討ください。