
売掛金の仕訳は経理業務の基本ですが、実際の現場では「この場合はどう処理すればいいのか」と迷う場面が少なくありません。振込手数料が差し引かれた場合や、クレジットカード決済、返品が発生した場合など、状況によって仕訳方法が異なるためです。
この記事では、売掛金の仕訳について16のケース別に具体例を紹介し、仕訳時の注意点や残高が合わない場合のチェック項目まで解説します。インボイス制度に対応した消費税の処理についても取り上げていますので、日々の経理業務にぜひお役立てください。
目次
- 1.売掛金の仕訳例16選
- 1-1.ケース1:売上が発生したときの基本仕訳
- 1-2.ケース2:売掛金を現金・銀行振込で回収したとき
- 1-3.ケース3:クレジットカードで回収したとき
- 1-4.ケース4:振込手数料が差し引かれたとき
- 1-5.ケース5:商品を返品されたとき
- 1-6.ケース6:翌期に返品があった場合
- 1-7.ケース7:商品代金を値引きしたとき
- 1-8.ケース8:買掛金と相殺するとき
- 1-9.ケース9:【インボイス制度】消費税の仕訳(税抜・税込)
- 1-10.ケース10:建設業など特殊な業種の仕訳
- 1-11.ケース11:売掛金が回収不能になったとき
- 1-12.ケース12:貸倒引当金を設定するとき
- 1-13.ケース13:年度末に売掛金を計上するとき
- 1-14.ケース14:売掛金を一部回収したとき
- 1-15.ケース15:売掛金を手形で回収したとき
- 1-16.ケース16:売掛金を電子記録債権で回収したとき
- 2.仕訳時の注意点
- 3.まとめ
1.売掛金の仕訳例16選
売掛金の仕訳は、取引の内容や回収方法によってさまざまなパターンがあります。基本的な計上・回収の仕訳だけでなく、振込手数料の処理、返品対応、貸倒れの処理など、実務で遭遇しやすいケースを押さえておくことで、迷わず正確な処理が可能です。
ここでは、日常的によく発生するケースから決算時の処理まで、16の仕訳例を具体的な金額とともに紹介します。
なお、以下の仕訳例は、実務での分かりやすさを考慮し、すべて「税込経理」の方式で記載しています。自社の会計方針が税抜経理の場合は、必要に応じて消費税を分けるなど適宜読み替えてご活用ください。
1-1.ケース1:売上が発生したときの基本仕訳
売上が発生したときは、商品やサービスを提供し、代金を後日受け取る約束(掛取引)をした場合に仕訳を行います。このとき、「後で代金を受け取る権利」を帳簿に記録するために使うのが「売掛金」という勘定科目です。
ここでは、商品を10,000円(税込11,000円)で販売し、代金は後日振り込んでもらう約束をしたケースを例に説明します。売上と同時に売掛金という資産が増加するため、借方(左側)に売掛金を記入します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 売掛金 | 11,000円 | 売上 | 11,000円 |
売掛金は「資産」の勘定科目であり、お金を受け取る権利が発生した時点で計上することがポイントです。実際に入金があるまでは、帳簿上で売掛金として管理し続けます。
1-2.ケース2:売掛金を現金・銀行振込で回収したとき
売掛金を現金・銀行振込で回収したときの処理とは、売掛金として記録していた代金が、取引先から現金や銀行振込で実際に入金された際に行う仕訳のことです。売掛金という「お金を受け取る権利」が、現金や預金という「実際のお金」に変わったことを記録します。
ここでは、ケース1で計上した売掛金11,000円が、後日取引先から銀行口座に振り込まれた場合を例に説明します。売掛金が減少し、普通預金が増加するため、借方(左側)に普通預金、貸方(右側)に売掛金を記入します。
■銀行振込で回収した場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
■現金で回収した場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 現金 | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
売掛金の回収時は、売上を再度計上する必要はありません。売上はすでにケース1で計上済みなので、ここでは売掛金を消して、入金された勘定科目(普通預金や現金)に置き換えるだけです。
1-3.ケース3:クレジットカードで回収したとき
クレジットカードで回収したときの処理とは、顧客がクレジットカードで支払いを行い、後日カード会社から代金が振り込まれる場合の仕訳のことです。カード決済が完了してから実際に入金されるまでに数日~1か月程度のタイムラグがあります。
ここでは、売上11,000円分を顧客がクレジットカードで支払った場合を例に説明します。クレジットカード会社から入金される権利を「クレジット売掛金」という勘定科目で記録するのが一般的です。売掛金と同じく、後でお金を受け取る権利として借方(左側)に記入します。
■クレジットカード決済時
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| クレジット売掛金 | 11,000円 | 売上 | 11,000円 |
■カード会社から入金されたとき
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 11,000円 | クレジット売掛金 | 11,000円 |
通常の売掛金とクレジット売掛金を分けて管理することで、入金管理がしやすくなります。なお、決済手数料が差し引かれる場合は別途処理が必要です(ケース4で解説)。
1-4.ケース4:振込手数料が差し引かれたとき
振込手数料が差し引かれたときは、取引先が振込手数料を差し引いた金額を入金してきた際に、その差額も含めて仕訳を行います。契約で「振込手数料は売り手(自社)負担」となっている場合に発生します。
ここでは、売掛金11,000円に対して、振込手数料550円が差し引かれ、実際には10,450円が普通預金に入金された場合を例に説明します。差し引かれた手数料は「支払手数料」という経費の勘定科目で処理し、借方(左側)に記入します。
■銀行振込で手数料が差し引かれた場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 10,450円 | 売掛金 | 11,000円 |
| 支払手数料 | 550円 |
■クレジットカードで決済手数料が差し引かれた場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 10,560円 | クレジット売掛金 | 11,000円 |
| 支払手数料 | 440円 |
借方の合計金額と貸方の金額が一致していることを確認しましょう。手数料を経費として計上することで、実際の入金額と帳簿上の売掛金のズレを正しく処理できます。
1-5.ケース5:商品を返品されたとき
商品を返品されたときは、一度売上として計上した商品が品質不良や注文ミスなどの理由で返品された際に、売上を取り消す仕訳を行います。売掛金としてまだ回収していない状態で返品された場合に行います。
ここでは、ケース1で計上した売上11,000円分の商品が全額返品された場合を例に説明します。売上時の仕訳を逆にする形で処理し、売上を減らして売掛金も減らします。貸方(右側)に売上をマイナスで記入する方法もありますが、借方に「売上」と記入する方が一般的です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 売上 | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
返品処理は、売上が発生したときと同じ会計期間内に行うのが原則です。もし返品が翌期になった場合は「売上戻り」や「売上返品」という勘定科目を使用することもあります。(ケース6で解説)
1-6.ケース6:翌期に返品があった場合
翌期に返品があったときは、前期に売上として計上した商品が当期になってから返品された場合に仕訳を行います。会計期間をまたいだ返品は、前期の売上を遡って修正するのではなく、当期の処理として記録します。
ここでは、前期に計上した売上11,000円の商品が、当期になってから返品された場合を例に説明します。この場合、通常の「売上」ではなく「売上戻り」という勘定科目を使い、当期の費用(または売上のマイナス)として処理します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 売上戻り | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
「売上戻り」は当期の損益計算書に反映され、前期の確定した決算には影響しません。会計ソフトによっては「売上返品」や「売上返還」という名称の場合もありますが、処理の考え方は同じです。
1-7.ケース7:商品代金を値引きしたとき
商品代金を値引きしたときとは、商品の一部に傷や不具合があったり、数量不足があった場合などに取引先と合意のうえで商品代金の一部を値引きする処理です。返品とは異なり、商品は取引先の手元に残ります。
ここでは、ケース1で計上した売上11,000円に対して、商品に軽微な傷があったため、1,000円を値引きすることで合意した場合を例に説明します。値引き分だけ売上を減らし、売掛金も減らす処理を行います。借方(左側)に「売上」と記入して売上を減額します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 売上 | 1,000円 | 売掛金 | 1,000円 |
| 普通預金 | 10,000円 | 売掛金 | 10,000円 |
値引き処理後の売掛金残高は10,000円(11,000円-1,000円)となります。実際の入金額が値引き後の金額と一致していることを確認しましょう。
返品と同様に、値引きは売上が発生したときと同じ会計期間内に処理するのが原則で、「売上値引」という勘定科目を使用する場合もあります。
1-8.ケース8:買掛金と相殺するとき
買掛金と相殺するときとは、同じ取引先に対して売掛金(お金を受け取る権利)と買掛金(お金を支払う義務)の両方がある場合に、お互いの債権債務を差し引きして決済する処理です。実際にお金のやり取りをせずに、帳簿上で処理を完結させられます。
ここでは、A社に対して売掛金11,000円があり、同時にA社からの仕入れで買掛金8,000円がある場合を例に説明します。両者を相殺することで、売掛金11,000円から買掛金8,000円を差し引いた3,000円だけをA社から受け取ればよいことになります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 買掛金 | 8,000円 | 売掛金 | 8,000円 |
| 普通預金 | 3,000円 | 売掛金 | 3,000円 |
相殺後、売掛金の残高は3,000円(11,000円-8,000円)となり、買掛金はゼロになります。実際の入金額が値引き後の金額と一致していることを確認しましょう。
相殺処理を行う際は、必ず取引先と事前に合意を取ることが重要で、一方的に相殺することはできません。
1-9.ケース9:【インボイス制度】消費税の仕訳(税抜・税込)
消費税の仕訳が必要になるのは、課税事業者として消費税を納税する義務がある場合です。会計処理の方法には「税抜方式」と「税込方式」の2種類があり、選択する方式によって仕訳の方法が異なります。
ここでは、商品10,000円(税抜)を販売し、消費税1,000円を加えた11,000円を売掛金として計上する場合を例に説明します。
- 税抜方式:売上と消費税を分けて記録する
- 税込方式:消費税を含めた金額をそのまま売上として記録する
■税抜方式の場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 売掛金 | 11,000円 | 売上 | 10,000円 |
| 仮受消費税 | 1,000円 |
■税込方式の場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 売掛金 | 11,000円 | 売上 | 11,000円 |
税抜方式では、売上と消費税(仮受消費税)を分けて管理するため、税率毎に区分して合計された金額の確認が必要です。一方、免税事業者や小規模事業者は税込方式を選択することが多いため、自社の状況や会計ソフトの設定に合わせて処理しましょう。
1-10.ケース10:建設業など特殊な業種の仕訳
建設業など特殊な業種の仕訳とは、一般的な「売掛金」とは異なる勘定科目を使用する業種での処理です。建設業では「完成工事未収入金」、医療機関では「未収診療報酬」など、業種特有の名称を使います。
ここでは、建設会社が工事代金5,500,000円(税込)の工事を完成させ、代金を後日請求する場合を例に説明します。建設業会計では売上を「完成工事高」、売掛金を「完成工事未収入金」という勘定科目で記録するのが一般的です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 完成工事未収入金 | 5,500,000円 | 完成工事高 | 5,500,000円 |
■入金時の仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 5,500,000円 | 完成工事未収入金 | 5,500,000円 |
業種によって使用する勘定科目の名称は異なりますが、仕訳の考え方は通常の売掛金と同じです。会計ソフトを使用する場合は、業種に合わせた勘定科目設定を選択しましょう。
1-11.ケース11:売掛金が回収不能になったとき
売掛金が回収不能になったときは、取引先の倒産や経営破綻などにより代金を回収できなくなった際に、売掛金を帳簿から消す仕訳を行います。回収の見込みがないことが確定した時点で、売掛金を帳簿から消す必要があります。
ここでは、ケース1で計上した売掛金11,000円について、取引先が倒産して全額回収不能になった場合を例に説明します。回収できなくなった金額は「貸倒損失」という勘定科目を使い、経費として処理します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 貸倒損失 | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
貸倒損失を経費として計上するには、取引先の倒産や法的整理など、回収不能であることを証明できる客観的な根拠が必要です。税務調査で指摘されやすい項目のため、破産通知書や債権放棄通知書などの証拠書類は必ず保管しておきましょう。
1-12.ケース12:貸倒引当金を設定するとき
貸倒引当金を設定するときは、決算時に売掛金のうち将来回収できなくなる可能性がある金額を見積もり、事前に経費として計上します。実際に回収不能になる前に、予防的に損失へ備えることが可能です。
ここでは、決算時に売掛金の残高が100,000円あり、過去の実績から2%(2,000円)が回収不能になると見積もった場合を例に説明します。見積もった金額は、借方(左側)に「貸倒引当金繰入」(経費)、貸方(右側)に「貸倒引当金」(資産のマイナス)として記入します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 貸倒引当金繰入 | 2,000円 | 貸倒引当金 | 2,000円 |
貸倒引当金は毎年の決算時に見積もって計上するもので、実際に貸倒れが発生した場合の処理(ケース10)とは異なります。また、税法上は中小企業に対して一定の繰入限度額が設けられているため、適切な金額については税理士に相談しましょう。
1-13.ケース13:年度末に売掛金を計上するとき
年度末に売掛金を計上するときは、年度の最終日(個人事業主は12月31日、法人は決算月の末日)までに売上が発生しているものの、入金が翌年度になる場合に仕訳を行います。普段は入金時に売上を計上していても、決算時には正しい年度の売上として記録する必要があります。
ここでは、12月に商品を販売して売上11,000円が発生したが、入金は翌年1月の予定である場合を例に説明します。決算時に売上と売掛金を計上することで、その年度の正確な損益を申告します。
■12月31日(決算時)の仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 売掛金 | 11,000円 | 売上 | 11,000円 |
■翌年1月(入金時)の仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
年度をまたぐ売掛金は、税務上も重要なポイントです。年度末までに発生した売上は、入金が翌年度であっても当期の売上として計上する必要があります。請求書や納品書を確認し、計上漏れがないよう注意しましょう。
1-14.ケース14:売掛金を一部回収したとき
売掛金を一部回収したときは、売掛金として計上した金額のうち、一部だけが入金された場合に仕訳を行います。取引先の資金繰りの都合で分割払いになったり、支払いスケジュールの関係で複数回に分けて入金されることがあります。
ここでは、ケース1で計上した売掛金11,000円のうち、まず5,000円が普通預金に入金された場合を例に説明します。入金された金額分だけ売掛金を減らし、残りの6,000円は引き続き売掛金として管理します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 5,000円 | 売掛金 | 5,000円 |
この仕訳により、売掛金の残高は6,000円(11,000円-5,000円)となります。複数回に分けて入金される場合は、入金のたびに同様の仕訳を行い、最終的に売掛金がゼロになるまで管理を続けましょう。
1-15.ケース15:売掛金を手形で回収したとき
売掛金を手形で回収したときは、現金や振込ではなく、取引先が発行した約束手形を受け取って決済する場合に仕訳を行います。約束手形とは、指定された期日に記載された金額を支払うことを約束する証券のことです。
ここでは、ケース1で計上した売掛金11,000円について、取引先から支払期日3か月後の約束手形を受け取った場合を例に説明します。売掛金を「受取手形」という勘定科目に振り替え、手形の満期日まで受取手形として管理します。
■手形を受け取ったときの仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 受取手形 | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
■手形の期日が到来して入金されたときの仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 当座預金 | 11,000円 | 受取手形 | 11,000円 |
手形を受け取った時点では実際の入金はなく、満期日まで待つ必要があります。近年は手形取引が減少していますが、建設業や製造業など一部の業種では現在も利用されています。
1-16.ケース16:売掛金を電子記録債権で回収したとき
売掛金を電子記録債権で回収したときは、紙の手形に代わる決済手段である電子記録債権(でんさい)を利用して売掛金を回収する場合に仕訳を行います。インターネットバンキングを通じて債権を電子的に記録・管理するため、手形のような紛失リスクがありません。
ここでは、ケース1で計上した売掛金11,000円について、取引先との合意により電子記録債権として記録された場合を例に説明します。売掛金を「電子記録債権」という勘定科目に振り替え、支払期日まで電子記録債権として管理します。
■電子記録債権として記録されたときの仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 電子記録債権 | 11,000円 | 売掛金 | 11,000円 |
■支払期日が到来して入金されたときの仕訳
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 普通預金 | 11,000円 | 電子記録債権 | 11,000円 |
電子記録債権は手形と同様に支払期日まで待つ必要がありますが、割引や譲渡が容易なため、資金繰りの改善に活用できます。
2.仕訳時の注意点
売掛金の仕訳は基本的な処理ですが、似た勘定科目との混同や消込漏れが起きやすい項目でもあります。ここでは、よくある間違いとその対処法を解説します。正しく理解しておくことで、決算時の修正作業や税務調査での指摘を防ぐことが可能です。
2-1.売掛金と混同されやすいケース
売掛金と混同しやすい勘定科目として、「買掛金」と「未収入金」があります。それぞれの違いを確認しておきましょう。
| 勘定科目 | 内容 | 貸借対照表上の区分 |
| 売掛金 | 商品やサービスを販売し、後から代金を受け取る権利 | 資産 |
| 買掛金 | 商品や材料を仕入れ、後から代金を支払う義務 | 負債 |
| 未収入金 | 売上以外の取引で発生した、後から代金を受け取る権利 (例:固定資産の売却代金) | 資産 |
売掛金と買掛金は、取引の立場(販売側か仕入側か)が異なります。売掛金と未収入金は、本業の売上かどうかで使い分けます。
2-2.残高が合わない原因とチェックリスト
売掛金の残高が帳簿と合わない場合は、以下の項目を順番に確認してみましょう。
- 未消込の入金がないか:入金があったのに売掛金の消込処理を忘れていないか確認する
- 返品・値引きの計上漏れがないか:返品や値引きが発生した場合、売掛金を減額する仕訳が必要
- 計上時期のずれがないか:前期に発生した売掛金を今期に計上していないか、またはその逆がないか確認する
- 請求ミス・転記ミスがないか:請求書の金額誤りや、帳簿への転記時の入力ミスがないか確認する
- 消費税の端数処理の違いがないか:自社と取引先で消費税の端数処理方法(切上げ・切捨て・四捨五入)が異なると、数円~数十円のズレが生じる場合がある
- 相殺処理の誤りがないか:同一顧客への複数請求を誤ってまとめて消込していないか確認する
- 摘要欄を確認する:どの請求に対応する入金かを摘要欄の記載内容から照合する
これらをひとつずつ確認することで、多くの場合は原因を特定できます。
3.まとめ
売掛金の仕訳は経理業務の基本ですが、実際の現場ではさまざまなケースに対応する必要があります。本記事では、基本的な売上計上から、クレジットカード決済、振込手数料の処理、インボイス制度に対応した消費税の仕訳まで、16の具体例を紹介しました。
売掛金は日常的に発生する取引だからこそ、正しい仕訳方法を身につけておくことが大切です。本記事をブックマークしておき、実務で迷ったときにぜひご活用ください。

