ファミリーオフィスとは?担う役割や作り方を解説

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監修者 辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社 広報担当

本記事では、富裕層の方々にとって身近になりつつある概念であるファミリーオフィスについて解説しております。

また、ファミリーオフィスを構築したいと思った時に、まず何をして、どのように進めていけば良いかも合わせて解説しております。

ファミリーオフィスを構築するとなった場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめし、専門家のアドバイスを得ながら構築していくことになると思います。
しかし、概要を知った上で相談するのと、そうではないのでは、理解や納得感に違いがでてきます。

まずは本記事を参考に、ファミリーオフィスについての基礎知識を学ぶことをおすすめします。


1.ファミリーオフィスとは

ファミリーオフィスとは、そもそもどのようなものか、最初にお話しさせていただきます。

1-1.ファミリーオフィスの歴史

ファミリーオフィスは、十字軍の時代にお城の城主が戦いに出る際に、領土や領民を守るためにつくられたものが始まりと言われています。

その後、19世紀にアメリカのロックフェラー一族、JPモルガン一族などが近代のファミリーオフィスの礎を作りました。

その後、テクノロジー業界の隆盛に伴い、マイクロソフト社のビルゲイツ氏や、Metaの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏などがファミリーオフィスを次々と作り、欧米富裕層に広く浸透していきました。

日本においてのファミリーオフィスの歴史はまだ浅く、ここ数年で急速に広まりだした概念です。

1-2.ファミリーの富を世代を超えて維持・発展させる仕組みのこと

ファミリーオフィスとは、ファミリーの富を世代を超えて維持・発展させる仕組みのことです。

ファミリーの富を維持・発展させるためには、ファミリーガバナンスと呼ばれるルールを作り、ファミリーメンバー全員で守る必要があります。
ファミリーオフィスは、このファミリーガバナンスというルールを浸透させ、メンバー一人ひとりが守ることができるような仕組みのことを指します。

1-3.資産管理会社・プライベートバンクとは異なるもの

ファミリーオフィスは新しい概念なので、資産管理会社やプライベートバンクと混同されてしまう方も多いのですが、ファミリーオフィスと、資産管理会社・プライベートバンクは異なるものです。

概念が異なることはもちろんですが、資産管理会社・プライベートバンクは対象となる資産が不動産や金融商品などの有形資産のみですが、ファミリーオフィスは名声や信頼、教養などの目に見えない資産である無形資産も対象となります。

名称概要対象
ファミリーオフィスファミリーの富を世代を超えて維持・発展させる仕組み有形資産
無形資産
資産管理会社不動産や株式などの資産を所有している人が、その資産を所有・管理することを目的として設立する法人有形資産のみ
プライベートバンク富裕層を対象に、資産管理・運用のサービスを提供する銀行有形資産のみ

※有形資産とは不動産・金融商品など目に見える資産
※無形資産とは名声や信頼、教養などの目に見えない資産


2.ファミリーオフィスが担う3つの役割

では、ファミリーオフィスとは、具体的にどのような役割を担っているのか、解説します。
ファミリーオフィスが担う役割は、主に以下の3つです。

役割1ファミリーガバナンスをファミリー内へ浸透させる
役割2財産を管理・保全しながら、資産運用で増やす
役割3有形の資産だけでなく、無形の資産を含めてサポートする

1つずつ、詳しく見ていきましょう。

2-1.【役割1】ファミリーガバナンスをファミリー内へ浸透させる

ファミリーオフィスが担う役割の1つ目は、ファミリーガバナンスをファミリー内へ浸透させることです。

繰り返しにはなりますが、ファミリーオフィスの目的は、ファミリーの富を世代を超えて維持・発展させる仕組みを作ることです。ファミリーの富を維持・発展させるためには、ファミリーガバナンスの考え方を、ファミリー一人ひとりに理解し、心から納得してもらう必要があります。
そのため、ファミリーガバナンスをファミリー内へ浸透させることは、ファミリーオフィスのとても重要な役割です。

具体的には、以下のようなことを行い、ファミリーガバナンスをファミリー内へ浸透させていきます。

  • ファミリーガバナンスの構築
  • ファミリー憲章の作成
  • ファミリー会議の開催・運営
  • 夫婦財産契約の検討・締結
  • 婚前契約・婚後契約の検討・締結
  • パートナーシップ契約の検討・締結

2-2.【役割2】財産を管理・保全しながら、資産運用で増やす

ファミリーオフィスが担う役割の2つ目は、財産を管理・保全しながら、資産運用で増やすことです。
また、増やす仕組みごと、次世代へ受け継ぐことも目指していきます。

日本は相続・贈与などの承継の際の税負担がとても大きい国です。
そのため、日本の富裕層は、「いかに財産を圧縮し、税負担を減らして次世代へ承継させるか」を念頭におき、財産を管理する傾向があります

しかし、ファミリーオフィスの考え方は違います。
資産運用を行うことで、財産をどんどんと増やしていくことを念頭におきます。
相続税や贈与税など支払うべきものは支払いますが、税負担を上回るくらい財産を増やしていき、次世代の手残りを大きくしようと考えます。

具体的には以下のようなことを行い、財産を管理・保全しながら、増やしていきます。

  • ファミリーの財産を管理・保全する
     財産目録の作成
     民事信託の検討・実施
     任意後見契約・財産管理契約などの検討・締結
  • ファミリー資産を増やす
     生命保険の活用
     証券による運用
     不動産への投資
     エンジェル投資
  • 適切な生前対策を行うことで、相続トラブルを防止する
     相続税の試算
     遺言書の作成
     相続・贈与税対策(各種非課税制度の検討・活用など)
  • ファミリーの資産を次世代へ承継する
     生前贈与の実施
     相続・遺贈が発生した時の対応
  • ファミリーの事業を次世代へ承継する
     事業承継税制の適用を検討
     株主間契約の導入を検討
     種類株式・俗人的株式の導入を検討
     持ち株会を組成
     組織再編・M&Aの検討・実行

2-3.【役割3】有形の資産だけでなく、無形の資産を含めてサポートする

ファミリーオフィスが担う役割の3つ目は、有形の資産だけではなく、無形の資産を含めてサポートすることです。

無形の資産とは、名声や信頼、教養などの目に見えない財産のことです。この無形の資産を含めてサポートする点が、従来のプライベートバンクや資産管理会社との大きな違いとなります。

具体的には以下のようなことを行い、無形の資産に対してもサポートを行っていきます。

  • 事業承継に向けた後継者育成のコーチングスクールの紹介
  • インターナショナルスクール
  • ファミリーメンバー個人や、法人としての慈善活動のサポート
  • ファミリーが所有する財産法人の運営支援
  • 老人ホームなどの紹介
  • アートや旅行など趣味のお手伝い

3.ファミリーオフィスの作り方

ここまでご覧いただき、ファミリーオフィスを作ることを検討しはじめた方もいらっしゃると思います。
そこで、3章では、ファミリーオフィスはどのように作ればよいのか解説していきます。

3-1.まずは、専門家へ相談を

ファミリーオフィスを作りたいと思われた際は、まずは専門家へ相談することをおすすめします。

1-2でご紹介した目的だけを考えると、お盆やお正月に集まり、ファミリーガバナンスが上手く機能しているか、ファミリー内に利害対立が起きていないか、現在懸念されている課題はないかなどの話し合いを設けることも立派なファミリーオフィスです。

しかし、ファミリーの規模が大きい場合、ファミリービジネスを営んでいる場合は、法人化されたファミリーオフィスを用意することが望ましいと言えます。

法人化したファミリーオフィスを作り、以下のような外部の専門家集団をファミリーオフィスのメンバーに加えることで、ファミリーオフィスの実効性をより高いものにすることができます

弁護士家族間契約などの法的アドバイスの実施
税理士相続・贈与税対策などの実施
運用のプロ投資戦略を立案・モニタリング
教育のプロ次世代に最良の教育を受けさせるためのアドバイス

実効性の高いファミリーオフィスを目指す場合は、まずは専門家に相談することをおすすめします。

3-2.実際は資産管理会社にファミリーオフィス機能を持たせることが多い

専門家に相談した後、どのようにファミリーオフィスを作っていくのか解説します。

実情としては、既に資産管理会社や持ち株会社がある場合は、そうした会社にファミリーオフィスの機能を追加で持たせることが多いです。
具体的には、資産管理会社がもともと行っていた、金融資産・不動産の所有・管理・運用といった業務に、以下の3つの業務を付け加えていきます。

  • 無形資産の所有・管理・運用
  • 資産・事業の承継に向けた支援
  • 教育や医療・趣味などのサポート機能

まだ、資産管理会社などを有していないファミリーの場合は、まずは資産管理会社を設立していただきます。その資産管理会社でファミリーの財産を総合的に管理し、効率的に運用することで、ファミリー全体の財産を増やしていき、無形資産についても価値を高めていきます。


4.辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社は、富裕層ファミリーの多様なニーズにワンストップでお応えする

「ファミリーオフィスを作りたいと思った時は、専門家に相談を…と言うけど、誰に相談したらいいの?」と疑問に思われている方もいらっしゃると思いますので、最後に弊社、辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社の紹介をさせていただきます。

辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社は、富裕層ファミリーの方の多様なニーズに、国内最大手の税理士法人として培った豊富な知識とノウハウを基盤とし、グループ内外の専門家と連携しながら、ワンストップでお応えしていきます。

4-1.資産承継コンサルティングは専門分野

辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社のバックボーンは、国内最大手の税理士法人である辻・本郷 税理士法人です。

辻・本郷 ファミリーオフィスには、長年、税理士法人におい て富裕層のお客様に資産承継コンサルティングを行ってきた税理士も在籍しています。 税理士としての専門的知見と実務経験を活かし 、きたるべき相続や事業承継といった資産を承継するタイミングに むけて準備を行うことが可能です。

4-2.資産運用ニーズにもお応えできる体制を整備

また、税務だけではなく、資産運用にも力を入れており、積極的に資産運用における外部人材を登用しています。
長年証券会社に勤務されていた社員が入社し、資産運用のニーズにもお応えできるよう体制の整備を進めてまいりました。

また、資産承継コンサルティングを行う中で、お客様の家族構成や資産構成を網羅的に把握しておりますので、お客様のニーズにあった提案をすることができるという強みがあります。
さらに、金融機関ではないので、「自社の特定の商品をおすすめする」ということもございません。お客様の財産の状況に合わせた対応ができます。

4-3.無形資産へのサポートも外部の専門家と連携しながら行っている

以下のような、無形資産へのサポートについても、外部の専門家・機関と連携しながら行っています

  • 老人ホームの紹介
  • インターナショナルスクールの紹介
  • 事業承継に向けた後継者育成のコーチングスクールの紹介
  • アートや旅行などのご趣味のお手伝い

富裕層ファミリーの方のニーズは多様ですので、これ以外にもニーズがあるものについては、ワンストップで対応ができるよう、今後も提携先を増やすなどの対応を柔軟に行っていく予定です。


5.まとめ

富裕層の方々にとって身近になりつつある概念であるファミリーオフィスについて解説してまいりました。
ファミリーオフィスを作りたいと思われた際は、まずは専門家へ相談することをおすすめします。

辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社は、富裕層ファミリーの方の多様なニーズに、国内最大手の税理士法人として培った豊富な知識とノウハウを基盤とし、グループ内外の専門家と連携しながら、ワンストップでお応えしていきます。お問い合わせの際は辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社 お問い合わせフォームよりご連絡ください。