
「ファミリーガバナンスとは何か…?」
本記事では、富裕層の方々にとって身近になりつつあるファミリーガバナンスの仕組みについて解説しております。
また、ファミリーガバナンスを構築したいと思った時に、まず何をして、どのように進めていけば良いかも合わせて解説しております。
ファミリーガバナンスを構築するとなった場合、多くの方は弁護士や税理士などの専門家、金融機関に実務的な部分は任せることになるでしょう。しかし、概要を知った上で相談するのと、そうではないのでは、理解や納得感に違いがでてきます。
まずは本記事を参考に、ファミリーガバナンスについての基礎知識を学ぶことをおすすめします。
目次
1.ファミリーガバナンスとは
ファミリーガバナンスとは、ファミリー内で遵守すべき統治の仕組みのことです。
このファミリーガバナンスをメンバー一人ひとりが守っていくことで、ファミリーの富や利益、幸福が守られると言われています。

1-1.富裕層ファミリーにおける憲法のようなもの
ファミリーガバナンスをわかりやすく言い換えるとすると、富裕層ファミリーにおける憲法のようなものです。
憲法とは国民の権利・自由を守るために、国がすべきこと等を定めた最高法規です。この憲法に基づいて、立法・司法・行政などの機関がつくられ、法律や規則を制定・施行することで私たちの暮らしを守っています。
ファミリーガバナンスは、その富裕層ファミリー版と考えるとイメージが沸きやすいと思います。
1-2.代々続く富裕層ファミリーには、ファミリーガバナンスがあった
実際に、代々続く富裕層ファミリーには、ファミリーガバナンスがありました。
ファミリーガバナンスという概念が日本に入ってきたのはここ最近のことですが、代々続く富裕層の家庭では知らず知らずのうちに、ファミリーガバナンスを構築し、ファミリーメンバーの価値観の統一を図っていたのです。
たとえば、現在の三菱グループを創業した岩崎家には、以下の7つの家訓があり、代々受け継がれてきています。
- 人は天の道にそむかないこと。
- 子に苦労をかけないこと。
- 他人の中傷で心を動かさないこと。
- 一家を大切に守ること。
- 無病の時に油断しないこと。
- 貧しい時のことを忘れないこと。
- 常に忍耐の心を失わないこと。
■三菱商事HP あゆみ「挑戦」の原点 【第1話】三菱創業者の陰に、しっかり者の母あり より引用
また、三井グループの創業家である三井家には「宗笠遺書」と言われる江戸時代から続く家訓があります。
内容は一族の一致団結を求めるものから始まり、総領家の地位・権限、養子の扱いといった約50の項目で成り立っています。

■三井広報委員会HP 三井家の家憲「宗竺遺書」 より引用
2.なぜ、富裕層ファミリーにファミリーガバナンスが必要なのか
では、なぜ富裕層ファミリーにファミリーガバナンスが必要なのでしょうか。
理由は大きくわけて2つあります。
| 理由1 | ファミリー内の価値観を統一を図るため |
|---|---|
| 理由2 | 富裕層ファミリーには大きな責任があるため |
2-1.【理由1】ファミリー内の価値観の統一を図るため
富裕層ファミリーにファミリーガバナンスが必要な理由の1つ目は、ファミリー内の価値観の統一を図るためです。
ファミリーを一つの船に例えてみましょう。
ファミリーメンバーの一人ひとりが自分の利益を追求すべく、てんでばらばらの方向に船を漕ぎ出すと、船は前へ進むことはできせまん。それどころか船が壊れて沈んでしまう可能性すらあります。
一方で、ファミリー内の価値観が統一されると、ファミリーメンバーの向く方向が同じになります。
向く方向が同じであれば、船は順調に前に帆を進めることができます。
ファミリーガバナンスを構築することでファミリー内の価値観の統一を図ることは、ファミリー内の団結力を高め、富や利益、幸福を守ることにつながります。

2-2.【理由2】富裕層ファミリーには大きな責任がある
富裕層ファミリーにファミリーガバナンスが必要な理由の2つ目は、富裕層ファミリーには大きな責任があることです。
富裕層は一般人に比べて多くの関係者を持っています。
会社を経営されていれば、従業員や取引先が主な関係先にあたります。また、会社の属する地域や業界に大きな影響力を持っている富裕層の方もいらっしゃるでしょう。
このように関係者が多く、影響力が大きい富裕層が何の備えもせずに、認知症になったり、突然亡くなったり、離婚やビジネスに関する訴訟が起きた場合、多くの関係者に対して、計り知れない影響を与えることになります。
また、混乱の結果、事業や資産、これまで築いてきた信用や名声までも損なう可能性もあります。
ファミリーガバナンスを構築し、事業・資産の承継に備えていくことは、富裕層ファミリーの責任であり、ファミリーの富や利益、幸福を守ることにつながります。

3.ファミリーガバナンスの構築プロセス
ファミリーガバナンス構築の必要性をご理解いただいたところで、次にファミリーガバナンスを構築するプロセスを8つのステップでご紹介します。
| ステップ1 | 弁護士・税理士などの専門家に相談する |
|---|---|
| ステップ2 | ファミリーガバナンスの目的を明確化する |
| ステップ3 | スリーサークルモデルを用いて参加メンバーを整理する |
| ステップ4 | ファミリーメンバーの本音をヒアリングする |
| ステップ5 | ファミリーの財産を把握する |
| ステップ6 | ファミリーガバナンスのドラフトを作成する |
| ステップ7 | ファミリーメンバーの承認を得る |
| ステップ8 | ファミリーオフィスを設けて、運用を開始する |
3-1.【ステップ1】弁護士・税理士などの専門家に相談する
まず、弁護士・税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
1章でお伝えした岩崎家・三井家のように家訓を明文化することも、ファミリーメンバーが共感し、尊重できるのであれば、立派なファミリーガバナンスの一つです。
しかし、ファミリーガバナンスの利害調整機能をより有効に作用させるためには、法的拘束力のある契約など、いくつかの仕組みをベースにすることが望ましいです。
このような法的拘束力のある契約を盛り込んだファミリーガバナンスを構築するためには、構築段階から弁護士などの専門家の力が必要不可欠です。
また、ファミリーの財産を減らさずに、むしろ大きくして次世代に引き継ぐためには、税理士や運用の専門家の協力は欠かせません。
3-2.【ステップ2】ファミリーガバナンスの目的を明確にする
次にファミリーガバナンスの目的を明確にします。
目的は「ファミリーの繁栄とファミリービジネスの成長」といった漠然として最終目的(大目的)だけを考えるのではありません。
最終目的(大目的)を実現するために「ファミリーの財産の管理や運用を行い、ファミリーの良好な関係性の維持と発展を図る」といった下位の目的(中目的)も設定します。
さらに、この下位の目的(中目的)を実現するために、さらに細分化・具体化した小目的も設定していきます。
3-3.【ステップ3】スリーサークルモデルを用いて参加メンバーを整理する
ファミリーガバナンスに参加するメンバーを、スリーサークルモデルを用いて整理していきます。
スリーサークルモデルとは、ファミリービジネスを営むファミリーの利害調整を分析する時に用いられるフレームワークです。
スリーサークルモデルのどの領域に属するかによって、行動パターンや要望が異なってきます。
メンバー1人ひとりの分析を丁寧に行いましょう。

3-4.【ステップ4】ファミリーメンバーの本音をヒアリングする
次にファミリーメンバーとコミュニケーションを十分に図り、各人の本音を丁寧にヒアリングします。
ヒアリングをする中で、メンバー全員が同じ方向を向いているわけではないことが判明することと思います。このヒアリングを通して、ファミリーメンバーの価値観の統一を図っていきます。
具体的には、以下のような内容を繰り返し伝え、理解してもらうことが大切です。
- なぜファミリーガバナンスが必要なのか
- 今ファミリーガバナンスを構築しないと、どのような問題がおこるか
また、ヒアリングを通して、既に顕在化している課題、潜在的課題を見つけた時はピックアップしておきましょう。
3-5.【ステップ5】ファミリーの財産を把握する
次にファミリーの財産を把握します。
土地などの不動産、現金や株式といった金融資産はもちろん、社会的信用や人脈といった無形の資産も把握していきます。
| 有形の資産 | 無形の資産 |
|---|---|
| 不動産 | 社会的信用 |
| 預貯金・有価証券などの金融資産 | 名声 |
| 自社株・事業用財産 | のれん |
| 書画骨董・ゴルフ会員権 など | 人脈 など |
この財産の把握を通して、何がファミリーにとっての強みになるのか、逆に余分なものは何なのかが見えてくるでしょう。
3-6.【ステップ6】ファミリーガバナンスのドラフトを作成する
次にこれまでの内容をもとにファミリーガバナンスのドラフトを作成していきます。
具体的には、以下のようなものを定めて、ファミリー憲章・ファミリー規則・それらに法的拘束力を持たせるための契約に落とし込んでいきます。
- ガバナンスの目的
- ファミリーメンバーの定義
- ファミリーメンバーの使命
- 期間の設置および権限
- 信託に関する条項(財産を信託する場合)
- ファミリー内で紛争が起こった場合の対応方針
- ファミリーメンバーが契約に違反した場合の罰則
なお、法的拘束力を持ったドラフトを作成するには、弁護士などの専門家の力が必要不可欠です。
また、財産の所有について信託など法的な仕組みを使うか否かの検討も、専門家のアドバイスを受けながらこの段階で行うことをおすすめします。
3-7.【ステップ7】ファミリーメンバーの承認を得る
次に作成したドラフトについて、ファミリーメンバーの承認を得ましょう。
契約である以上、反対の意思を持つものに、無理に契約させるわけにはいきません。
十分に説明し理解を得る必要があります。
3-8.【ステップ8】ファミリーオフィスを設けて、運用を開始する
ついにファミリーガバナンスの運用を開始します。
一般的に運用は、ファミリーオフィスという会議体を設けて行います。
ファミリーオフィスはファミリー総会やファミリー執行委員会を設置し、ファミリー憲章やファミリーガバナンス契約が有効に機能するよう努めます。
具体的には、ファミリーオフィスでは、以下のようなことを話し合い、決定していきます。
- 財産の管理・運用方法(税金対策も含む)
- 財産の次世代への承継方法
- 子息・子女の教育
- 医療
- 趣味
また、ファミリーオフィスの運営する総会や委員会の実行力を高めるためには、弁護士や税理士、医師や教育者など、ニーズに適した専門家を参加させることも有効です。
4.ファミリーガバナンスを構築したいと思ったら
「ファミリーの富や利益、幸福を守るために、ファミリーガバナンスを構築したい…」と思ったら、まずは弁護士・税理士などの専門家に相談しましょう。
繰り返しにはなりますが、ファミリーガバナンスの利害調整機能をより有効に作用させるためには、法的拘束力のある契約など、いくつかの仕組みをベースにすることが望ましいです。
このような法定拘束力のある契約を盛り込んだファミリーガバナンスを構築するためには、構築段階から弁護士などの専門家の力が必要不可欠です。
また、ファミリーの財産を減らさずに、むしろ大きくして次世代に引き継ぐためには、税理士や運用の専門家の協力は欠かせません。
ファミリーガバナンスを構築したいと思った際は、弁護士・税理士などの専門家に相談しましょう。
5.辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社が選ばれる5つの理由
最後にファミリーガバナンスを構築したいと思った時の相談先の1つとして、弊社・辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社の紹介をさせていただきます。
辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社は2022年に設立された新しい会社ではありますが、国内最大手の税理士法人である辻・本郷 税理士法人をバックボーンとした確かな知識と安心感がございます。
実際に税理士法人の顧問先のお客様だけでなく、ご新規のお客様からも多数のお問い合わせをいただいております。
| 理由1 | 国内最大手の税理士法人をバックボーンとしている |
|---|---|
| 理由2 | グループ会社と連携し、お客様の課題をワンストップで解決できる |
| 理由3 | 専任担当者と長期的なお付き合いをすることができる |
| 理由4 | 国際税務などグローバルなサービスにも強い |
| 理由5 | 税務調査に対する豊富なノウハウを蓄積している |
5-1.【理由1】国内最大手の税理士法人をバックボーンとしている
辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社は、国内最大手の税理士法人である辻・本郷 税理士法人をバックボーンとしています。
税理士法人のお客様には上場企業や非上場企業のオーナー様をはじめ、不動産を所有されている方、資産管理会社を設立なさっている方など、富裕層のお客様が数多くいらっしゃいます。
このような富裕層のお客様の顧問をしている中で、税務・会計にとどまらず、相続や承継、一族の教育などについてもご相談を承ることが多々ありました。
このようなニーズにお応えするために設立されたのが、辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社です。
設立して2年弱の新しい会社ではありますが、国内最大手の税理士法人として培った豊富な知識とノウハウがございます。

5-2.【理由2】グループ会社と連携し、お客様の課題をワンストップで解決できる
グループ会社と連携し、お客様の課題をワンストップで解決することができます。
バックボーンである税理士法人が専門とする、法人顧問や税務申告、税務コンサルティングや事業支援などはもちろん、グループ内の他の専門家とも連携してお客様の課題を解決してまいります。
辻・本郷グループには、弁護士法人や司法書士法人など、税務以外にも様々な専門家が所属しています。
「契約について相談したい…」「登記について相談したい…」といった、税理士以外の専門家の力が必要になった際も、ファミリーオフィス株式会社の担当者が窓口となり、グループ内外の専門家とお客様を繋ぎます。

■辻・本郷 グループの会社一覧はこちらのページをご覧ください。
5-3.【理由3】専任担当者と長期的なお付き合いをすることができる
専任担当者と長期的なお付き合いをすることができます。
海外のプライベートバンカーと富裕層ファミリーは、何十年という長期的なお付き合いをしています。
一方で日本の銀行の従業員には任期があり、2-3年ごとに担当者が交代します。
しかし、私共のバックボーンである辻・本郷 税理士法人には、顧問税理士としてお客様と長期的なお付き合いをしていた実績があります。また、組織力を活かし、担当者を複数人置き、部署全体でお客様をサポートするという風土もございます。
辻・本郷 ファミリーオフィスも、何十年も変わらないお付き合いをさせていただける体制を整えております。
5-4.【理由4】国際税務などグローバルなサービスにも強い
辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社は、国際税務などグローバルなサービスにも強いと定評がございます。
海外投資を検討した際、税務面でどのようなインパクトがあるのかは、富裕層の方々にとって関心の高い分野でしょう。また、海外に移住をする時の国外転出時課税制度など、富裕層の方々にとって国際税務は非常に身近な分野でもあります。
バックボーンである辻・本郷 税理士法人には国際税務を専門的に扱う部署があり、豊富な実務経験を有する税理士が多数在籍しております。
将来的に海外投資や移住などをご検討された際も、ワンストップでご対応させていただきます。
5-5.【理由5】税務調査に対する豊富なノウハウを蓄積している
税務調査に対する豊富なノウハウを蓄積しております。
財産額が多ければ多いほど税務調査が入る確率は高くなります。
税務調査によってお客様の名誉が傷ついたり、社会的信用を失ったりということは避けなければなりません。
バックボーンである辻・本郷 税理士法人には経験豊富なスタッフが多数在籍し、税務署に指摘を受ける可能性のある事項については、申告書提出前に事前の検討を行っております。
また、辻・本郷 税理士法人には、国税OB・OG等、各分野のスペシャリストおよそ50名以上で構成される「審理室」という部署があります。税務業務において判断が難しい案件に関して、申告書のチェックや、税理士との綿密な事前打ち合わせを行い、適正な税務判断を行うためのサポートを実施しております。
もし仮に税務調査があった場合は、辻・本郷 税理士法人と連携し対応いたしますのでご安心ください。
実際にこの安心感を評価してくださるお客様は多数いらっしゃいます。
6.まとめ
富裕層の方々にとって身近になりつつある概念であるファミリーガバナンスについて解説してまいりました。
また、ファミリーガバナンスを構築したいと思った時に、まず何をして、どのように進めていけば良いかも合わせて解説いたしました。
繰り返しにはなりますが、ファミリーガバナンスの利害調整機能をより有効に作用させるためには、法的拘束力のある契約など、いくつかの仕組みをベースにすることが望ましいです。
このような法定拘束力のある契約を盛り込んだファミリーガバナンスを構築するためには、構築段階から弁護士などの専門家の力が必要不可欠です。
また、ファミリーの財産を減らさずに、むしろ大きくして次世代に引き継ぐためには、税理士や運用の専門家の協力は欠かせません。
ファミリーガバナンスを構築したいと思った際は、弁護士・税理士などの専門家に相談しましょう。
辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社へご相談の際は、辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社 お問い合わせフォームよりご連絡ください。
