【2025年版】事業資金を借りやすい融資先TOP5と注意点

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監修者 篠田 佳希

「事業資金を借りやすい金融機関はどこなのか」といった疑問はありませんか?

店舗改装や新規仕入れ、運転資金の不足といった差し迫った課題を抱え、できるだけ審査のハードルが低い融資先を探している方も少なくありません。

しかし、「借りやすさ」だけを拠り所に資金調達を決めてしまうと、金利の負担や返済期間などが事業にとって不利に働いてしまうこともあり得ます。記事を読んで、借りやすさとその他の選択肢を天秤にかけ、事業にとって最適な選択をすることをおすすめします。

この記事では、まず「借りやすい」とされる日本政策金融公庫や信用保証協会付き制度融資、ビジネスローンなど各手段をランキングにしてご紹介します。融資スピードや金利水準などを整理し、さらに、事業資金を借りやすくするためのポイントについても解説します。

記事を読み終える頃には、あなたが借入先ごとの難易度を見極め、事業のフェーズに適した選択ができるようになっていることを目指します。

重要な事業資金を確実に集めるための第一歩として、ぜひご一読ください。


1.事業資金が借りやすい金融機関TOP5

資金調達において、「どこで借りるか」は成功の第一歩です。しかし融資先には、審査の厳しさや融資スピード、金利の違いなど、様々な特徴があります。

この章では、実際に審査に通りやすい、すなわち「借りやすい」とされる代表的な金融機関を 5つ厳選し、それぞれの特性を比較解説します。あなたの事業フェーズや資金用途に合った借入先を見つける参考にしてください。

融資先借りやすさ(審査の通りやすさ)金利の目安融資スピード担保・保証人
ノンバンク(例: AGビジネスサポート、セゾンファンデックス)審査が柔軟で通りやすい。高め最短で即日不要~原則不要
日本政策金融公庫創業や小規模事業者向けで、実績が少なくても審査が通りやすい。
事業計画、自己資金の出所などの審査は厳格。
低め2週間~ 1ヶ月程度担保は原則不要、保証人は創業時は原則不要
信用金庫・信用組合大手銀行より審査が柔軟で通りやすい低~中程度2週間~ 1ヶ月程度必要な場合あり
地方銀行中小企業向けだが、審査はやや厳しめ。低~中程度2週間~ 1ヶ月程度必要な場合あり
大手銀行資金力はあるが審査が厳しい。
実績や信用力が重視される。
低め1ヶ月~ 2ヶ月程度必要な場合あり

1-1.ノンバンク:スピード重視で借りるならここ

とにかく早く、かつ、柔軟に事業資金を確保したいなら、ノンバンク系ビジネスローンが最も借りやすい選択肢です。

ノンバンクとは、銀行以外の貸金業者(例:セゾンファンデックス、アイフルビジネスファイナンスなど)で、オンライン完結型の申込が多く、書類も最小限で済むため、最短即日融資が可能です。また、信用情報や過去の実績よりも「今の返済能力」に重きを置くため、銀行での審査の否決歴があっても通ることがあります

例えば、赤字決算が続く事業者でも、月商と売上見込みに応じて 100万円〜 300万円の融資が出るケースもあります。担保や保証人が不要の商品も多く、急な仕入れや販促資金などに対応できます。

金利は高めで、年率 5.0〜 18.0 %程度が一般的ですが、「とにかくすぐに必要」な場面では、ノンバンクは非常に有力な選択肢です。

    •    金利の目安:年 5.0〜 18.0 %程度(商品の種類により差あり)

    •    融資スピード:即日〜 3営業日

    •    担保・保証人:原則不要(商品による)

1-2.日本政策金融公庫:創業したばかりの事業や小規模事業者の強い味方

創業間もない方や自己資金が少ない方でも借りやすいのが、日本政策金融公庫の融資制度です。

公庫は国が 100%出資する公的金融機関で、民間では貸しづらい層にも資金供給を行うことが目的です。特に「新創業融資制度」は、実績がなくても借入ができる点が魅力です。低金利かつ長期返済が可能で、返済開始も据え置き期間が設定できます。

ただし、民間の金融機関と異なる、公庫ならではの審査時に重視するポイントがいくつかあります。

例えば、自己資金について、金額だけでなく、自己資金の出所がどこなのかを通帳を遡って調べます。どこから来たかはっきりわからない資金については、自己資金として認められない場合もあります。

また、A社の代表である人物が、B社の役員を兼業していた場合について、民間の金融機関ではA社、B社の双方について、紐づけて影響などを確認します。しかし、公庫では、あくまで「代表」としての地位であるA社の影響のみを確認する傾向にあります。これにより、B社に不審な動きがあったとしても加味されないというメリットもあれば、B社の儲けを加味されないというデメリットもあります。

このように、重視するポイントの特徴はいくつかあるものの、特に創業期や業歴の浅い事業者にとって、日本政策金融公庫は最初の資金調達先として最も現実的で安心感のある選択です。

    •    金利の目安:年 1.5〜 3 %程度(固定金利)

    •    融資スピード:2週間〜 1ヶ月程度

    •    担保・保証人:原則無担保、保証人は必要な場合が多い(制度による、創業時は保証人不要)

1-3.信用金庫・信用組合:地域密着で柔軟に相談できる

信用金庫・信用組合の融資制度は、3番目に借りやすい(審査が通りやすい)融資制度です。

信用金庫と信用組合の違い

区分信用金庫信用組合
根拠法信用金庫法中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律(協金法)
設立目的国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資する組合員の相互扶助を目的とし、組合員の経済的地位の向上を図る
組織会員の出資による協同組織の非営利法人組合員の出資による協同組織の非営利法人

地域密着型で親身に相談に乗ってくれる信用金庫・信用組合は、個人事業主や小規模企業にとって借りやすい金融機関です。

どちらも営利を目的としない協同組織型金融機関ですが、利用対象の範囲や事業規模で差があります。

信用金庫は中小企業や住民など幅広く会員になれますが、信用組合はさらに小規模な事業者や地域の個人など、より厳格に限定された組合員を対象にしています。

具体的には、預金や融資の対象として、信用金庫は誰でも預金でき、融資も会員が中心ですが一部非会員にも可能となっています。信用組合は原則として組合員が対象となり、預金や融資の制限がより厳しいです。

また、規模としては、信用金庫の方が信用組合よりも一般的に規模が大きいです。どちらも地域密着ですが、信用組合は特に地元密着・小規模事業向けの傾向が強いです。

いずれも中小企業との取引を重視し、事業内容や将来性を見ながら柔軟に判断してくれます。

例えば、地方都市で小売店を経営する創業2年目の事業者が、設備投資資金300万円を申し込んだケースでも、事業計画と税務申告がしっかりしていれば、無担保・保証人付きで通る可能性があります。銀行に比べて対面相談が多く、地元の商工会議所との連携もあります。

地域のつながりを大切にする事業者にとって、信用金庫や信用組合は融資だけでなく、経営サポートの拠点としても活用できます。

•    金利の目安:年 1.0〜 3.0 %程度(融資制度による)

•    融資スピード:2週間〜1ヶ月程度

•    担保・保証人:原則無担保、保証人は必要な場合が多い(無担保型商品も存在)

1-4.地方銀行:堅実な関係構築で中長期の資金調達に有利

地方銀行の融資制度は、ここまで挙げた融資制度より比較的借りづらい(審査が通りにくい)融資制度です。

地域密着かつ中長期的に安定した資金調達を目指す事業者にとって、バランスの良い選択肢となっています。

メガバンクより審査は柔軟で、地元の経済状況や商習慣を理解してくれるため、事業内容への理解度が高く、無担保・保証付きの制度融資も利用しやすい傾向にあります。

例えば、製造業を営む中小企業が、設備更新費として 1000万円を希望する場合、地方銀行では信用保証協会付きで比較的早期に資金調達が可能になります。保証協会との連携により、審査の通過率が高くなります。

単なる借入だけでなく、将来的な運転資金枠や継続的な関係構築を考慮すると、地方銀行は事業の成長パートナーとして有望です。

    •    金利の目安:年 1.0〜 3.0 %程度

    •    融資スピード:2週間〜 1ヶ月程度

    •    担保・保証人:必要な場合あり(保証協会付きで対応可)

1-5.大手銀行:信用力と実績がある企業におすすめ

大手銀行の融資制度は、借りやすさ(審査の通りやすさ)だけで言えば、最も借りにくい融資制度です。

しかし、信用力に自信がある中堅以上の企業や、実績のある法人には、大手銀行の融資が最も低金利で安定的です。

大手銀行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行など)は融資に慎重であり、決算内容や過去の借入実績、法人格、業歴などを厳しく見られます。一方、条件をクリアすれば、金利の低さと借入限度額の高さが魅力です。

上場を目指すITベンチャーが、事業拡大のために 5,000万円の設備資金を借り入れるケースでは、大手銀行が提供するメインバンク融資が活用されることが多いです。審査書類は煩雑ですが、金利は 1.0 %台に抑えられる場合もあります。

堅実な経営体質が整っており、長期的な信用構築を重視する企業にとって、大手銀行は理想的な資金パートナーです。

    •    金利の目安:年 1.0〜 2.0 %程度

    •    融資スピード:1ヶ月〜 2ヶ月以上

    •    担保・保証人:不要な場合が多い(保証協会利用も可)


2.事業資金を借りやすい融資先を選ぶときの注意点

事業資金を調達する上で審査に通りやすいなどの「借りやすさ」は重要ですが、条件として借りやすいというだけで資金調達先を選んでしまうと、後から金利負担や返済条件の不利さに苦しむことになるケースも少なくありません。

この章では、融資先を選ぶ際に押さえておきたい 3つの重要な視点を解説します。あなたの事業にとって本当に賢い選択ができるように、総合的な視点を身につけましょう。

2-1.借りやすい融資先ほど金利が高い傾向にある

借りやすい融資先では、多くの場合、金利が高くなるという現実を忘れてはなりません。

審査が甘いということは、金融機関側にとってもリスクが高いということです。そのリスクを補うために、ノンバンクや一部のビジネスローンでは、年 10.0 %以上の高金利が設定されていることがあります。これは、長期間借りるほど返済総額が膨らむという意味でもあります。

例えば、同じ 300万円を借りた場合でも、公庫で借りると年利 2.0 %程度、ノンバンクでは年利 12.0 %程度になることもあります。3年間返済すれば、利息負担だけで数十万円の差が生まれます。目先の「審査通過率」だけに目を奪われると、結果として資金繰りが厳しくなることにもつながります。

借りやすさは確かに重要ですが、「その借入が本当に返しやすいか」を金利水準から冷静に見極める視点が必要となります。

2-2.資金の用途や事業の成長段階によって融資先を選ぶ必要がある

資金の用途や、事業の成長フェーズに応じて、適した融資先は変わります。一律に「手近だからここ」という理由だけで融資先を選ぶべきではありません。

創業期・成長期・安定期では、必要とする資金の性質や金額、リスク許容度がまったく異なります。たとえば、創業期の事業者には日本政策金融公庫や制度融資が向いていますが、急な資金繰り対策にはノンバンクやファクタリングが適することもあります。さらに、運転資金と設備投資資金では、返済期間の設計も異なります。

創業1年未満の個人事業主が、事業拡大のために 500万円の設備資金を必要とした場合、日本政策金融公庫や信用保証協会付きの融資が現実的な選択です。一方で、資金ショートを埋めるために3日以内で 100万円が必要な場合、ノンバンクのビジネスローンが現実的となる場面もあります。

自分の事業フェーズと資金用途を明確にし、それに最適な融資先を選ぶことが、成功する資金調達の基本です。

2-3.融資のスピード、借りやすさ、金利の高さ、返済期間の違い、担保が必要かどうかなどを総合的に考えるべきである

ここまででお伝えしたように、融資先を選ぶときは「借りやすさ(審査の通りやすさ)」だけでなく、融資のスピード、借りやすさ、金利の高さ、返済期間の違い、担保が必要かどうかという、主に 5つの観点を総合的に評価すべきです。

1つの融資先がすべての条件を満たすとは限りません。たとえば、金利は低いが審査が厳しい、審査は早いが返済期間が短い、担保が必要か否かなど、金融商品によってバランスは異なります。短期的な資金需要か、長期的な設備投資かによっても最適解は変わります。

信用金庫では金利 1.0〜 3.0 %、審査期間は 2週間〜 1ヶ月程度、保証協会付きなら無担保でも対応可能となっている条件ですが、一方で、ノンバンクは即日融資が可能ですが金利は 10.0 %を超えることもあり、返済期間も 12ヶ月程度に制限されることが一般的です。これらを一覧にして比較することで、正しい意味での「借りやすさ」が見えてきます。

「借りられる(審査に通る)」といった一部の条件だけで判断せず、総返済額や手間、かかる時間まで含めて、事業にとって最適な資金調達手段を冷静に選ぶべきです。


3.事業資金を借りやすくするための9つのポイント

金融機関からの融資をスムーズに受けるためには、ただ申請するだけでなく、事前準備や申請方法に工夫が必要です。

この章では、事業資金を「借りやすく(審査に通りやすく)するために意識したい 9つのポイント」をご紹介します。特に創業間もない方や初めて融資を受ける方にとっては、これらの対策が審査の可否を分ける要素となります。

審査担当者に「返済能力が十分にあり、資金の使途も明確で、経営者としての信頼性が高い」と確信してもらえれば、借りやすさは飛躍的に向上します。ぜひお試しください。

3-1.事業計画書や資金繰り表を充実させる

事業資金の借入を成功させるためには、事業計画書や資金繰り表をできる限り充実させることが極めて重要です。

金融機関は、融資の可否を判断する際に「その資金がどのように使われ、返済が可能であるか」を重視します。事業計画や資金繰りの予測が具体的で現実的であればあるほど、審査担当者は事業の見通しに安心感を持ち、融資の承認に前向きになる傾向があります。

例えば、ある飲食業の創業者様は、事業計画書の中に「1ヶ月あたりの来店予測人数」「平均単価」「回転率」といった売上根拠を具体的に記載しました。また、運転資金や仕入費用の支出予定を資金繰り表に月別で明示したところ、日本政策金融公庫の創業融資において、満額の融資を受けることに成功されました。

このように、単に「これくらい必要」という希望額ではなく、「なぜそれだけの資金が必要で、どう返すのか」が論理的に示されていることが信頼につながります。

したがって、融資を通過しやすくするためには、曖昧な表現を避け、実現可能な数値と根拠をもって構成された事業計画書・資金繰り表を丁寧に作成することが不可欠です。可能であれば、専門家のアドバイスを受けながら仕上げていくと、より説得力が増すでしょう。

3-2.認定支援機関(中小企業診断士など)のサポートを受ける

認定支援機関や中小企業診断士の支援を受けて申請書類を整えることは、融資審査を通過させるための有効な近道です。

こうした専門家は金融機関が重視する評価ポイントを熟知しており、事業計画書の弱点を補強しながら、審査担当者が納得しやすい書式・論理構成へとブラッシュアップしてくれます。さらに、専門家の署名・押印が加わることで、第三者の客観的裏付けが担保され、信用度が一段と高まります。

実際に、開業一年目の製造業者様が診断士の指導を受けて損益シミュレーションを三つのシナリオで提示した結果、地方銀行における保証協会付き融資の金利が 0.5 %優遇され、満額承認に至った事例があります。

審査に不安がおありの場合ほど、専門家のサポートを適切に活用し、書類の完成度を高めてから臨まれることを強く推奨します。

3-3.返済能力を示す

過去と現在の財務実績を明示し、確実な返済能力を示すことが、融資で事業資金を借りるためには重要です。

金融機関は将来の返済原資を「過去の実績」と「現在のキャッシュフロー」から定量的に推定します。黒字決算が続き、キャッシュフローが安定している企業ほど、審査担当者は安心して融資を承認できます。

例えば、黒字決算を二期連続で計上し、月次の入出金推移を通帳コピーで証明した企業は、融資審査でプラスに働き、資金を借りやすくなりました。

決算書や確定申告書を整えたうえで、資金繰りの安定性を具体的資料で示されると、審査は格段に進みやすくなります。

3-4.自己資金をできるだけ多く用意する

自己資金比率を高めるほど、金融機関からの信頼は厚くなり、融資条件も有利になります。

自己資金は経営者の「本気度」と「計画性」の証左であり、また資金余力の安全弁としても機能します。金融機関にとってはリスク軽減材料となるため、自己資金比率は高いほど、融資枠拡大や金利優遇につながる場合が多くあります。

例えば、当初 100 万円の自己資金で 300 万円を希望していた創業者の方が、200 万円まで自己資金を増額して再申請し、公庫から希望額全額を借りることに成功した事例があります。

目安として調達希望額の三割程度を自己資金で賄うと、審査通過率が大幅に向上するとされています。

3-5.借入希望額は最小限に抑える

必要以上の借入を申請すると、「資金計画が甘い」と判断され、審査が不利になる可能性があります。

金融機関は過剰債務リスクを避けるため、資金使途に対する適正額を重視します。根拠のない過大申請は、返済能力への疑念を招きかねません。

改装費を 500 万円と見積もっていた飲食店の経営者の方が、見積書精査により 380 万円まで削減した結果、審査が即日承認された事例もあります。

見積書を改めて精査し、必要最小限の金額を合理的根拠とともに提示することが望ましい対応となります。

3-6.開業届や確定申告の提出を忘れない

開業届や確定申告書の提出は、事業の実在性と透明性を示す必須書類です。

これらの公的書類が欠けていると、金融機関は「事業の継続性に疑義あり」と判断し、追加書類要求や審査延期の原因となります。

例えば、開業届控えの提出を失念され、追加提出を求められた結果、融資決定が 2週間遅延したケースが報告されています。

公的書類を事前に完備し、迅速に提出できる体制を整えておくことで、審査がさらにスムーズに進みます。

3-7.必要に応じて担保や代表者の保証人を用意できる場合は検討する

担保や代表者の保証人を差し入れられる場合、必要に応じて用意することで、審査通過率が向上し、金利・限度額優遇の可能性も高まることがあります。

担保や代表者の保証人の存在があることで、金融機関は貸倒リスクを大幅に低減できるため、より積極的に融資を検討する体制となるためです。

例えば、経営者の方がご自宅を共同担保に入れたことで、保証協会を介さずに 2,000 万円の直接融資を受け、保証料を節約できた事例があります。

担保余力や代表者の保証人を入れることが可能な場合は、条件交渉の際に提示することで、より有利な融資条件を引き出すことが可能です。

3-8.返済や税金の滞納をしない

過去の返済遅延や税金滞納は、信用情報に直結し、審査を著しく不利にします。

金融機関は延滞履歴を将来のリスクとみなし、融資限度額の削減や金利上乗せの判断を下す場合があります。

税金を一度延滞されたことで、公庫からの融資希望額が 3割減額された企業の事例もあります。

税金・社会保険料・既存ローンの返済を期日どおりに履行し、信用毀損ゼロを保持することが、スムーズな資金調達の前提条件になります。

3-9.創業から 5年程度の期間は融資制度に該当する条件であることが多いため、活用する

創業からおおむね 5年間は各種優遇制度が充実しているため、この期間を逃さずに資金調達を実行することが賢明です。

国や自治体は創業後間もない事業者様の成長支援を目的に、利子補給や保証料補助といった制度を数多く用意しています。申請要件も比較的緩やかで、低金利・無担保での融資を受けやすいのが特徴です。

例えば、創業 3年目の IT 企業では、自治体の利子補給制度と公庫の創業融資を併用し、実質無利子で 1,000 万円を調達し、設備投資を前倒しで実行することに成功しました。

創業 5年以内には融資に関して優遇されやすいという特性を積極的に活用し、事業拡大に必要な資金を早期に確保して基盤を固めておくことをおすすめします。


4.まとめ

事業資金の調達は、経営の要とも言える重要なテーマです。

資金繰りを円滑に進めるためには、審査に通りやすいかどうかといった「借りやすさ」も重要ですが、金利や返済期間、担保の有無、スピード感などを総合的に判断し、自社のフェーズや目的に合った融資先を選ぶことが大切です。

この記事では、特に借りやすいとされる以下の融資先や手段についてご紹介しました。

記事の要点

・ノンバンク系ビジネスローン:即日融資が可能で審査が柔軟。担保不要の商品も多い。

・日本政策金融公庫:創業・小規模事業者向けで低金利。

・信用金庫・信用組合・地方銀行:地域密着で親身な対応。中小企業・個人事業主におすすめ。

・大手銀行:低金利だが、審査基準は厳しい。

事業の成長段階や資金の用途に応じて選択肢を見極め、無理のない資金調達を実現することが経営安定への第一歩です。

もし不安な場合や、より有利な条件での借入を目指す場合は、専門家とともに戦略的に進めることをおすすめします。

辻・本郷 税理士法人では、事業資金調達に関するご相談を随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。