62年ぶり!? 非上場株式の評価ルールの改正

2026年4月15日、日本経済新聞の朝刊一面において「非上場株式にかかる財産評価基本通達の改正検討」に関する記事が掲載されました。前回、非上場株式の評価方法が抜本的に見直されたのは1964年であり、実現されれば、実に62年ぶりの大改正となります。

今回はその見直しの背景、スケジュール、現在の状況についてご説明します。

1.見直しの背景

2024年11月、会計検査院の報告において、現在の非上場株式の評価(類似業種比準方式など)は、会社規模が大きい会社ほど株式の評価額が相対的に低く算定される傾向があることなどが指摘されました。

「異なる規模の会社間での公平性や社会経済の変化を考慮し、より適切なものとなるように検討を行っていくことが肝要」というのが会計検査院の見解です。

これを受け、国税庁は2026年4月、有識者会議を立ち上げ、非上場株式の評価方法の見直しを本格的に進めていく方針を公表しました。

また、実務の現場でも、非上場株式の評価(特に総則6項の適用などを巡り)、納税者と国税当局が見解の違いにより争う事案が増えてきたという背景もあります。

2.スケジュール

改正に向けてのスケジュールは、現時点において、下記のように想定されております。

(1) 2026年4月〜10月:有識者会議にて具体的な改正案を議論(議事録等は国税庁HPで公表)
   ※実施済(第1回:2026年4月20日、第2回:同年5月11日、第3回:同年6月4日)
(2) 2026年末:2027年度(令和9年度)税制改正大綱への盛り込みを視野
(3) 2027年春:財産評価基本通達改正案のパブリックコメント(意見公募)の実施
(4) 2028年1月1日以後:改正後の新ルールが適用(相続・贈与等)の可能性

3.有識者会議で議論されていること

有識者会議のメンバーは、日本商工会議所、日本税理士会連合会、大学教授、M&Aアドバイザーなど、日頃から未上場会社のオーナーと向き合い、実態を熟知している有識者で構成されています。

会議では、単に「株式の評価額を引き上げる(増税にする)」という議論だけでなく、中小企業の円滑な事業承継を妨げないよう、「継続企業を前提とした評価の仕組み」や「事業承継税制(納税猶予制度)との整合性・拡充」についても踏み込んだ議論がなされています。

4.まとめ

2026年6月現在、改正の具体的な中身(算式など)は確定していませんが、評価方法が抜本的に変わる可能性があります。

特に、現在事業承継を進めている方、あるいはこれから計画されている方は、今後の有識者会議の動向や秋の中間まとめ(予定)など、常に最新の情報をキャッチアップしていく必要があります。

今後の評価額への影響や現時点での対策など、ご不明点やご不安な点がありましたら、辻・本郷 税理士法人までお気軽にご相談ください。

参考: 国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」資料

担当:税理士 伊藤 健司

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