退職後の資金準備(証券口座とIRAの比較)

アメリカ・ハワイ州における国際税務や遺産相続について、現地在住の弁護士が具体的な事例をご紹介します。 

1.はじめに

アメリカには、退職後の資金を準備するための様々な投資手段があります。

例えば、IRAや401(k)のような、退職後の資金準備を目的として特別に設けられた口座があります。

また「退職金準備口座(retirement accounts)」とはみなされませんが、退職後の資金を貯めるために使用できる証券口座(Brokerage Account)もあります。

なお、今回のメルマガでは401(k)については取り上げません。

2.証券口座(Brokerage Account)

証券口座(Brokerage Account)とは、投資家が様々な種類の株や投資信託等を売買できる投資用口座のことです。拠出額に制限はなく、口座から資金を早期に引き出すことに対するペナルティもありません。証券口座は課税対象となり、投資家は配当やキャピタルゲインなど、口座から得られる収入に対して税金を支払う義務があります。

証券口座は退職金準備口座(retirement accounts)には分類されませんが、ファイナンシャル・プランナーは、退職後の資金準備において分散投資を行うために、証券口座とIRA等の退職金準備口座の両方を開設することを提案することがあります。

3.IRA(Traditional IRA および Roth IRA)

IRAは税制優遇のある退職口座で、主に「Traditional IRA」と「Roth IRA」の2種類があります。

証券口座とは対照的に、IRAには拠出額の制限と早期引き出しに対するペナルティがあります。(ただし、ペナルティの適用はTraditional IRAとRoth IRAで異なります)

Traditional IRAの口座においては、税金が繰延されます。つまり、長年に渡り口座へ拠出された金額は非課税で積み立てられていきます。

投資家が59歳半(Traditional IRA口座からペナルティなしで引き出しが可能になる年齢)以降にTraditional IRA口座から資金を引き出す場合、投資家は引き出し額に対して税金を支払う義務があります。

Roth IRAは、口座への拠出に対して税金を支払う必要がある口座ですが、そこから引き出す資金に対しては、完全に非課税です。

つまり、投資家はRoth IRA口座に拠出した資金に対しては毎年税金を支払いますが、退職時に口座から資金を引き出す際には、税金がかからないことになります。

また、Roth IRAは、Traditional IRAとは異なり、Roth IRA口座には所得制限があります。

これは、投資家の所得が一定の限度額を超えた場合、Roth IRA口座に拠出することができなくなることを意味します。

4.まとめ

万全な退職後資金の準備を行うために、退職金準備口座を含む、様々な種類の投資手段について知っておくことが有益です。

TH弁護士法人パートナー 米国弁護士 本郷 友香(ほんごう ゆか)

辻・本郷 税理士法人の相続税申告サービス
相続発生後のお客様は初回面談無料!

辻・本郷 税理士法人の相続税申告サービス
相続発生後のお客様は初回面談無料!