事業承継について相談ができる専門家は誰なのか?

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監修者 松浦真義

「事業承継について相談ができる専門家は誰なのか?」
本記事をご覧になられている方は、このような疑問をお持ちのことと思います。

本記事では、事業承継について相談できる専門家8選をケース別にご紹介しております。

ご覧になられているうちに、「相談できる専門家が多数いることは分かったが、まずは誰に相談すればいいの?」という疑問をお持ちになる方もいらっしゃると思いますので、最初に相談すべき専門家が誰なのかも合わせてご紹介しております。

本記事をご覧いただければ、「あなた自身の場合、誰に事業承継に関する相談をすればよいのか」の目星つけることができるでしょう。

事業承継を検討しはじめた経営者のみなさんのお役に立てれば幸いです。


1.事業承継について相談できる専門家とは誰なのか

「病気になったら医者」「税金の計算なら税理士」といったように、「事業承継について相談したいなら、この専門家一択だ!」と言える専門家は残念ながらいません。

しかし、税理士や金融機関、弁護士などの中には、事業承継を自分の専門分野として、事業承継を生業としている人がいます

例えば、私が所属する辻・本郷 税理士法人には、2,277名(2024年10月現在)の従業員が在籍しておりますが、そのうちの約100名が事業承継専門のスタッフです。
法人の顧問税理士や相続税の申告など、他の業務は原則行わず、事業承継に関する案件のみを日々行っています。

事業承継について専門家に相談したい場合は、このような「事業承継専門の税理士」「事業承継専門部署に所属する金融機関の職員」「事業承継専門の弁護士」などに相談することになります。


2.事業承継について相談できる専門家8選

事業承継について相談できる専門家8選をご紹介します。

事業承継に特化した専門家はいない一方で、事業承継を行う際は専門家のサポートが必要とお話しました。
みなさんは「では、誰に事業承継について相談すればいいの?」と思っていらっしゃることでしょう。

以下が事業承継について相談できる専門家の一覧です。
以下の専門家に相談すれば、事業承継をする際に有益なアドバイス・知見を得ることができます。

相談できる専門家相談をおすすめするケース
金融機関事業承継について、まず誰かに相談したい場合
税理士自社株の評価・対策を行いたい場合
事業承継について、まず誰かに相談したい場合
弁護士事業承継による相続人間でのトラブルが不安な場合
司法書士登記・供託の代理申請などを依頼したい場合
行政書士官公庁への提出書類の作成・許認可の代理申請を依頼したい場合
コンサルティング会社事業承継を機に経営を刷新したい場合
後継者を育成したい場合
M&A仲介会社事業承継の方法としてM&Aを検討している場合
公的機関将来の参考として事業承継に関する基本的な内容を知りたい場合

2-1.金融機関

銀行や証券会社などの金融機関は、事業承継について相談できる専門家です。

日常的な取引がある金融機関は、経営者の方によつて身近な存在ですので、相談しやすい相手です。
「事業承継について、まず誰かに相談したい!」という場合は、身近な存在である金融機関の担当者に相談することをおすすめします。

また、金融機関には、事業承継士や事業承継アドバイザーといった民間資格を持った社員が多数在籍しています。さらに、大手の金融機関であれば社内に事業承継やM&Aに関する部署がありますし、多数の税理士などの専門家やコンサルティング会社とも提携をしています。

金融機関であれば、身近で相談しやすい上に、専門的な対応も社内外のネットワークを活かして行うことができます。

2-2.税理士

税理士は、事業承継について相談できる専門家です。

自社株の評価・対策を行いたい場合は、税理士に相談することをおすすめします。
税理士は税務の専門家として、自社株の評価額を算出し、事業承継をする際にかかる税金の額を計算することができます。また、専門知識を活かし、財産評価額を下げ、納める税金を抑える施策を立て、実行することもできます。

また、税理士の中でも顧問税理士は、定期的に顔を合わせている身近な存在でもあります。
「事業承継について、まず誰かに相談したい!」という場合は、身近な存在であり、自社の状況についてもよく理解している顧問税理士に相談することをおすすめします。

2-3.弁護士

弁護士は、事業承継について相談できる専門家です。

弁護士は紛争解決の専門家です。
事業承継で起こりがちな相続問題などについて、法的な観点からアドバイスを行い、トラブルを未然に防ぐことができます。

事業承継による相続人間でのトラブルが不安な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

2-4.司法書士

司法書士は、事業承継について相談できる専門家です。

司法書士は登記の専門家であり、登記・供託の代理申請、法務局・裁判所への提出書類の作成を代行することができます。
事業承継に関する登記を専門家に依頼したい場合は、司法書士に相談することをおすすめします。

2-5.行政書士

行政書士は、事業承継について相談できる専門家です。

事業承継では、譲渡内容について記載した「事業譲渡契約書」などの書類を作成する必要があります。
行政書士は自分では作成することが難しい書類を、正確に作成してくれます。

官公庁への提出書類の作成・許認可の代理申請を依頼したい場合は、行政書士に相談することをおすすめします。

2-6.コンサルティング会社

事業承継について相談できるコンサルティング会社があります。

事業承継後にDX化を行いたい、新規事業をスタートさせたいといった経営刷新を行いたい場合は、コンサルティング会社に相談すると、実現に向けた計画を立てたり、有益なアドバイスをもらうことができるでしょう。

また、後継者の能力に不安がある場合は、後継者育成を行う必要があります。
コンサルティング会社では多くの運営するセミナーや研修などを実施しています。
このようなセミナー・研修を活用することも、後継者育成には有効です。

2-7.M&A仲介会社

M&A仲介会社は、事業承継について相談できる専門家です。

親族内や自社の役員・従業員に後継者がいない場合は、M&Aによつて第三者に事業承継を検討する必要があります。M&A仲介会社に相談すれば、M&A先とのマッチングから、M&Aのクローズまでサポートしてくれます。

事業承継の方法としてM&Aを検討している場合は、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。

2-8.公的機関

将来の参考として事業承継に関する基本的な内容を知りたい場合は、公的機関の相談窓口を訪れたり、セミナーに参加したりして情報収集をすることをおすすめします。

事業承継について情報収集ができる公的機関には以下のようなものがあります。

  • 商工会議所
  • 事業承継・引継ぎ支援センター
  • よろず支援拠点
  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構
  • 中小企業庁・経済産業局

個別具体的な相談を行い、実際に事業承継をする際に伴走してもらうことは難しいですが、安価で様々な情報を収集することができます。


3.最初に相談すべき専門家は、金融機関か顧問税理士

最初に相談すべき専門家は、金融機関または顧問税理士の二択です。

事業承継には様々な専門家がいますが、先輩経営者の方が実際に選んだ最初の相談先は「顧問税理士」または「金融機関」です。また、顧問税理士や金融機関からニーズ喚起を受けて、事業承継について考えはじめたという先輩経営者も少なくありません。

実際に、辻・本郷 税理士法人では年間1,000件を超える事業承継支援を行っていますが、そのほとんどが「金融機関からご紹介があったお客様」または「弊社の顧問先のお客様」です。

さらに、以下の中小企業庁委託の調査をご覧いただくと、相談先として選ばれている専門家は、金融機関・顧問税理士の二択であることがわかります。親族、友人・知人の方が取引金融機関よりも割合が高いですが、「専門家」ではないので除きます。)

中小企業庁委託「企業経営の継続に関するアンケート調査」(2016年11月、(株)東京商工リサーチ)p.268からグラフを引用し、辻・本郷 税理士法人が作成

3-1.金融機関・顧問税理士が窓口となり他の専門家に繋ぐ

まずは身近な金融機関・顧問税理士に相談いただき、必要があれば金融機関・顧問税理士が窓口となり、弁護士やM&A仲介会社など他の専門家に繋いでいくケースが実際の事業承継の現場では多いです。

金融機関・税理士法人は、グループ内に弁護士や司法書士・M&A仲介会社があったりと、他の専門家と連携していることが多いです。身近な存在である金融機関・顧問税理士に相談すれば、顧問税理士や金融機関が窓口となり様々な専門家とつながることができます。

3-2.顧問税理士に相談したが、反応が微妙だった場合の対応策

顧問税理士に相談したが、反応が微妙だった場合は、全国展開しているような大手の税理士法人へ相談してみましょう。

一口に税理士と言っても、専門分野があります。
みなさんの会社の顧問税理士を行っている税理士の専門分野は法人税であり、事業承継についての知見が浅い場合もあるでしょう。

顧問先が大手の税理士法人であれば、事業承継専門の部署があり、「日々の業務のほぼ全てが事業承継支援に関すること」という税理士が何名も在籍しています。

顧問税理士に相談したが、反応が微妙だった場合は、全国展開しているような大手の税理士法人へ相談してみましょう。


4.事業承継について顧問税理士以外の税理士に相談するなら、辻・本郷 税理士法人

事業承継について顧問税理士に相談したが、反応が微妙だった場合は、辻・本郷 税理士法人へご相談することをおすすめします。

辻・本郷 税理士法人には、専門家として事業承継に関するお悩みを解決できる5つの特徴があります。

特徴1専門スタッフ100名在籍、年間1,000件の事業承継支援実績
特徴2全国90拠点で相談できる
特徴3グループ内の他の専門家と連携して、事業承継に関するあらゆるお悩みを解決
特徴4明確な料金体系
特徴5税務署OB・OGにおる税務調査を意識した対応

4-1.【特徴1】専門スタッフ100名在籍、年間1,000件の事業承継支援実績

辻・本郷 税理士法人には、年間1,000件の事業承継支援実績があります。
この実績は業界トップクラスです。

また、社内には約100名で構成された事業承継専門チームがあり、積み上げてきたノウハウと高い専門性を、社内システムや勉強会などを通して日々共有しています。

このような実績の積み重ねと、共有の徹底により、ご依頼者様に満足していただける事業承継支援を実現させています。

4-2.【特徴2】全国90拠点で事業承継専任スタッフに相談できる

辻・本郷 税理士法人は、全国90拠点で事業承継専任スタッフに相談できます。

北は北海道、南は沖縄まで、各エリア(北海道・東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州・沖縄)に相続税専門スタッフが在籍している拠点があり、拠点数は業界トップクラスです。

また、各地方に事業承継の専任担当者が在籍しておりますので、全国どこでも事業承継についてのご相談を受け付けることが可能です。

他の税理士法人は事業承継スタッフのいる拠点が三大都市圏などの大都市に限られていることが多いので、この全国どこの事務所においても、事業承継の専任担当者へ相談することができることは、辻・本郷 税理士法人の大きな強みです。

■全国の事務所一覧はこちら
全国の事務所ご案内

4-3.【特徴3】グループ内の他の専門家と連携して、事業承継に関するあらゆるお悩みを解決

辻・本郷 税理士法人はグループ内に、弁護士法人や司法書士法人、M&A仲介会社、ビジネスコンサルティング会社などを有しています。

自社株の承継を進める中で、他の専門家の力が必要になった時に、税理士が窓口となり、弁護士や司法書士、M&A仲介会社など他の専門家と連携して事業承継支援を行っていくことができます。

お客様ご自身でアポをとっていただく必要はなく、紹介や調整はすべて税理士が間に入って行いますので、スピーディーに負担なく事業承継を進めることができます。

※事業承継に係るグループ内の主な連携先

TH弁護士法人企業法務全般、不動産関係・相続関係、倒産処理全般・企業再生
辻・本郷 司法書士法人

不動産に関する登記手続の代理・登記相談、会社に関する登記手続の代理・登記相談
法人に関する登記手続の代理・登記相談等、裁判所に提出する書類の作成

SBI 辻・本郷M&A株式会社中堅中小企業の事業承継に係るM&Aアドバイザリー業務の提供、M&Aおよび事業承継に関するコンサルティング業務の提供
辻・本郷 ビジネスコンサルティング株式会社

経営戦略、経営支援、M&A、事業承継、ファンド運営、補助金申請およびこれらの周辺領域に関するコンサルティング事業

辻・本郷 ITコンサルティング株式会社ビジネス・コンサルティング事業、ソフトウェア開発事業、IT活用・新規事業
辻・本郷 FAS株式会社企業経営、財務及び会計、企業価値評価、企業再生、組織変更、事業承継に関するコンサルティング業務

■辻・本郷 税理士法人のグループ会社の一覧はグループ会社をご覧ください。

4-4.【特徴4】明確な料金体系

辻・本郷 税理士法人の事業承継支援には、明確な料金体系があります。

また、報酬の内訳や加算報酬が発生する場合の基準等も、初回面談で詳細にお伝えしています。
明瞭な料金体系でお客様と信頼関係を育んでまいりますので、安心してご相談ください。

4-5.【特徴5】税務署OB・OGにおる税務調査を意識した対応

辻・本郷 税理士法人は、税務署OBと連携し税務調査を意識した対応を行っております。

辻・本郷 税理士法人に在籍している税務署OB数は約90名で、業界最大規模です。
また、元国税庁長官・元国税局長などトップレベルの人材が揃っています。

この税務署OBがつくる組織である「審理室」で、税務調査で指摘を受ける可能性のある事項の事前検討を行い、お客様の税務調査のリスクを事前に防いでいます。

また、万が一税務調査が入った場合も、国税庁OBが調査に同席させていただくなど、お客様に寄り添った対応をしております。

■主な税務署OBの一覧は法人概要をご覧ください。


5.まとめ

事業承継について相談できる専門家8選をケース別にご紹介してまいりました。

相談できる専門家相談をおすすめするケース
金融機関事業承継について、まず誰かに相談したい場合
税理士自社株の評価・対策を行いたい場合
事業承継について、まず誰かに相談したい場合
弁護士事業承継による相続人間でのトラブルが不安な場合
司法書士登記・供託の代理申請などを依頼したい場合
行政書士官公庁への提出書類の作成・許認可の代理申請を依頼したい場合
コンサルティング会社事業承継を機に経営を刷新したい場合
後継者を育成したい場合
M&A仲介会社事業承継の方法としてM&Aを検討している場合
公的機関将来の参考として事業承継に関する基本的な内容を知りたい場合

また、最初に相談すべき専門家は、金融機関・顧問税理士の二択であることも合わせて紹介いたしました。
身近な顧問税理士や金融機関に相談すれば、弁護士やM&A仲介会社など他の専門家に繋いでもらうことができます。

事業承継の専門家をお探しの際は、まず顧問税理士か金融機関にまずは相談してみることをおすすめします。