
「贈与税の申告漏れは税務署にばれる?」
本記事をご覧になられている方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか。
最初にお伝えさせていただきますが、贈与税の申告漏れは、税務署にばれる可能性が高いです。
「申告しなくてもばれないのではないか…?」という甘い考えは今すぐ捨てましょう。
本記事では、贈与税の申告漏れがばれる理由を解説した後に、贈与税の申告漏れがばれる6つの場面を解説しています。
1.贈与税の申告漏れはばれる可能性が高い
贈与税の申告漏れはばれる可能性が高いです。
なぜなら、税務署は一定金額以上のお金の流れを把握しているからです。
税務署は国税総合管理(KSK)システムを利用して、私たち納税者の年収や保有資産の情報を一元管理しています。
「収入が変わっていないのに、以前よりも支出が増え、預貯金は減っていない」という状況が、国税総合管理(KSK)システムを通して見て取れた場合、税務署は贈与を疑い、税務調査などを行い確かめます。
「1回だけの贈与なら、ばれないのではないか?」「現金で手渡しをすれば、ばれないのではないか?」という甘い考えは今すぐに捨てましょう。
贈与税の申告・納税が必要な場合は、正しく申告・納税を行ってください。
2.贈与税の申告漏れがばれる6つの場面
では、具体的にどのような場面で、贈与税の申告漏れがばれるのでしょうか。
贈与税の申告漏れがばれる6つの場面を解説します。

2-1.【場面1】税務署からのお尋ね文書でばれる

税務署からのお尋ね文書でばれます。
不動産を購入すると、購入した約半年から1年後に、税務署から「~についてのお尋ね」という文書が送られてくることがあります。
お尋ねでは、以下のようなことを問われます。
- 不動産を購入した人の職業・年収
- 不動産の所在地
- 不動産の売主の氏名・住所
- 不動産の購入金額
- 不動産の購入資金や調達方法(購入資金は自分の預貯金か、借入金か、贈与を受けた資金か など)
このお尋ねは、税務調査とは異なり法的な回答義務があるわけではありません。しかし、お尋ねに対して誠実に回答しなければ、「何か隠しているのではないか」と疑うきっかけになります。
また、本当は贈与を受けた資金で購入しているのにも関わらず、贈与税の申告・納税をしていないため虚偽の情報を答えると、税務署は不審に思い、税務調査などを行い確かめることがあります。
税務調査となれば、銀行口座の内容も全て見られてしまうので、言い逃れできません。
贈与税の申告漏れは税務署に見つかることとなります。
2-2.【場面2】相続税の税務調査でばれる

相続税の税務調査で、贈与税の申告漏れがばれます。
相続税の税務調査では、亡くなった被相続人の財産だけではなく、相続人の財産も調べます。また、税務調査の調査官には、被相続人・相続人の銀行口座を調べる権限もあります。
税務調査の結果、被相続人の生前、被相続人の財産が、相続人に流れていることが分かった場合、生前贈与の申告漏れとみなされて追徴課税されます。
2-3.【場面3】法定調書と実際の納税額の差でばれる

法定調書と実際の納税額の差で、贈与税の申告漏れがばれます。
法定調書とは、相続税法や所得税法などによって、事業者が税務署へ提出することが義務付けられている書面です。給与や報酬の支払い、保険金の支払、一定額以上の金を取引した場合などを行った事業者は税務署に対して、大きなお金の動きがあったことを知らせる義務があります。
提出された法定調書の金額と、贈与税の申告内容が異なる場合、または申告していない場合、税務署の調査で贈与税の申告漏れや無申告が発覚する可能性があります。
法定調書は事業者が税務署に提出する書類のため、納税義務者がコントロールすることはできません。一定額以上の金の取り引きをした場合や、贈与の対象となる生命保険金の支払いを受けた場合などは、贈与税の申告を行いましょう。
2-4.【場面4】不動産の登記名義が変更されてばれる

不動産の登記名義が変更されてばれます。
不動産の贈与を受けると、不動産の登記名義を変更します。
この不動産の登記名義を変更したという事実は、法務局から税務署に提供されます。
贈与税の課税対象となりそうな不動産の登記名義が変更されているのにも関わらず、贈与税の申告がない場合は、贈与税の申告が漏れていることは一目瞭然です。
このように不動産の登記名義が変更された時、贈与税の申告漏れはばれます。
2-5.【場面5】第三者が税務署に密告してばれる

第三者が税務署に密告してばれます。
例えば、特定の子供だけが親から贈与を受けていた場合、その贈与を妬ましく思った他の子供が税務署に密告をすることがあります。
親族だから最初は申告をしていないことを秘密にしていても、時間の経過と共に妬ましく思う気持ちが多くなり、税務署に密告するというケースも少なくありません。
「身内だから、秘密にしてくれるだろう…」という甘い考えは禁物です。
2-6.【場面6】SNSなどに情報をアップすることでばれる

SNSなどに情報をアップすることでばれます。
税務署はSNSなどインターネット上のメディアも確認しています。
贈与してもらったお金で購入した家や車などについて、気軽な気持ちでSNSなどにアップしてしまうと、税務署は「年収に対して、明らかに不自然な買い物をしている…。これは生前贈与があったのではないか?」と怪しみます。
その後、銀行口座の動きを確認したり、税務調査を行ったりする中、贈与税の申告漏れがばれます。
3.贈与税の申告漏れがばれたらペナルティが課せられる
贈与税の申告漏れがばれたら、ペナルティが課せられます。
贈与税の申告期限に間に合わないと、延滞税など他の税金も、贈与税と合わせて納付する必要があります。
贈与税の申告漏れがあった場合に合わせて納付する必要がある税金は以下の4種類あり、概要・税率は以下の通りです。
| 延滞税 | 納付期限までに税金を納めなかった場合 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 申告期限までに申告をしなかった場合 |
| 過少申告加算税 | 本来納付すべき税額より少ない額で申告をした場合 |
| 重加算税 | 事実を隠蔽・仮装して申告したなど特に悪質とみなされる場合 |

4.申告が漏れている生前贈与がある場合は、速やかに申告を
申告が漏れている生前贈与がある場合は、速やかに申告をしてください。
速やかに申告を行うことで、ペナルティを最小限に留めることができます。
贈与税の申告には4つの税務的なペナルティがありますが、そのうち無申告加算税と過少申告税は、税務署から指摘を受ける前に自主的に申告した場合と、税務調査の事前通知を受けたり、税務調査を受けたりした後に申告した場合とで、加算されるペナルティの割合が異なります。

無申告・申告漏れに気が付いたら、速やかに自ら申告を行い、ペナルティを最小限に留めましょう。
※ご自身で行うことが難しいと感じた場合は、速やかに税理士へ相談を
ご自身で行うことが難しいと感じた場合は、速やかに税理士へ相談しましょう。
期限後申告(贈与税の納付期限のあとに申告を行うこと)の相談は税務署ですることも可能ですが、税務署で相談に乗ってもらえるのは一般的な申告書の書き方のみです。
「あなたの場合、どの欄に、何の数字を記載すればよいか」「あなたが納めるべき税金はペナルティを含めていくらか」といった個別具体的な内容まで相談に乗ってもらうことは難しいでしょう。
税理士であれば、申告書の作成を代行してくれ、ペナルティ分を含めていくら税金を納めればよいか計算してくれます。
5.贈与税の申告漏れに関するよくあるQ&A
贈与税の申告漏れに関するよくあるQ&Aをご紹介いたします。
Q.現金で手渡しなら、ばれないのではないか?
A.ばれる可能性が高いです。
税務署は国税総合管理(KSK)システムを利用して、全国民の過去の確定申告や納税に関する情報、さらには給与や不動産といった様々な情報を一元的に管理しています。
収入に見合わない買い物をした場合、所得に見合わない資産が現れた場合などは、その出所について国税総合管理(KSK)システムを用いて調査をします。贈与の疑いがある場合は、税務調査などをして確かめます。
「現金手渡しなら、ばれないのではないか」という甘い考えは今すぐにやめましょう。
Q.時計や車など、物でのプレゼントにも贈与税はかかるのか?
A.かかります。
贈与税は個人から贈与により「財産」を取得したときにかかる税金です。
時計や車なども「財産」ですので、一定額以上のものをプレゼントした場合は贈与税がかかります。
Q.夫婦間の口座移動にも贈与税はかかるのか?
A.かかる場合と、かからない場合があります。
配偶者が生活するために必要な範囲での金銭・物品は、「扶養義務を全うするための受け渡し」とみなされ、贈与税の対象にはなりません。
しかし、以下のような場合においては、夫婦間であっても贈与税の課税対象となります。
- 高額な資金を貯金用・投資用口座に入金した場合
- 嗜好品や不動産などの高額なプレゼントを購入した場合
- 不動産の名義変更をした場合
- どちらか一方の名義で契約した住宅ローンを、名義人でない方が返済している場合
6.まとめ
贈与税の申告漏れが必ずばれる理由を解説した後に、贈与税の申告漏れがばれる6つの場面を解説してまいりました。
繰り返しにはなりますが、贈与税の申告漏れは、税務署にばる可能性が高いです。
また、贈与税の申告が必要なことを知りながら、申告をしないという行為は犯罪行為です。
本記事をご覧になったみなさんが、「申告しなくてもばれないのではないか…?」という甘い考えを、今すぐ捨ててくださることを願ってやみません。
