
「分包機は何年で償却できる?」
「内装工事費用は、どこまで一括で経費にできる?」
調剤薬局では、調剤機器や内装工事など多額の設備投資が発生するため、こうした判断で迷う場面が多くあります。
これらの費用は「減価償却」によって複数年に分けて経費化され、経費にするタイミングによって、利益や税額が変わります。そのため、設備の種類や処理方法によって、同じ設備投資でも資金繰りや税額に差が生じるのです。
本記事では、調剤薬局の設備における減価償却について、次の内容を解説します。
- 調剤薬局における設備ごとの耐用年数
- 税額や資金繰りに重要な判断ポイント
本記事を読むことで、調剤薬局設備の「耐用年数」を判断できるようになります。また減価償却による税負担の違いを理解し、設備投資における判断のポイントを把握できます。
減価償却についての内容は以下の関連記事も参考にしてください。
関連記事:「減価償却の仕訳とは?基礎知識を具体例で丁寧に解説」
1.調剤薬局設備の耐用年数
調剤薬局で使用する主な設備について、耐用年数を一覧で整理します。
減価償却では、設備ごとに種類や細目が分かれており、細目の分類によって耐用年数が定められています。こちらで確認することができます。
1-1.調剤機器
調剤機器とは、薬剤の調製や分包など、調剤業務に直接使用する設備を指します。
■調剤薬局における調剤機器の耐用年数
【細目】器具備品 > 医療機器 > 調剤機器
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 分包機 | 6年 |
| 自動分注機 | 6年 |
| 水剤攪拌機 | 6年 |
| 軟膏混合機 | 6年 |
| 錠剤鑑査支援装置システム | 6年 |
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 薬用冷蔵庫(業務用) 陶磁器製・ガラス製のもの | 3年 |
| 薬用冷蔵庫(業務用)主として金属製のもの | 10年 |
| 薬用冷蔵庫(業務用)その他のもの | 5年 |
“ポイント”
調剤機器は1台あたりの金額が高く、減価償却費が利益に与える影響が大きい設備です。
耐用年数に応じた年間の費用は、利益計画や資金繰りに直結するため、導入時点でのシミュレーションが重要です。
1-2.IT・システム関連
IT・システム関連とは、レセプト業務や薬歴管理など、調剤薬局の運営を支える設備です。「ハードウェア(器具備品)」と「ソフトウェア(無形固定資産)」があります。
■調剤薬局におけるIT・システム関連の耐用年数
①ハードウェア(器具備品)
【細目】器具備品 > 事務機器、通信機器 > 電子計算機>パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。)
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| パソコン | 4年 |
| タブレット | 4年 |
【細目】器具備品 > 事務機器、通信機器 > 複写機、計算機(電子計算機を除く。)、金銭登録機、タイムレコーダーその他これらに類するもの
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| プリンター・複合機 | 5年 |
| POSレジ | 5年 |
【細目】器具備品 > 事務機器、通信機器 > 電話設備その他の通信機器 > その他のもの
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| ルーター・ネットワーク機器 | 10年 |
②ソフトウェア(無形固定資産)
【細目】無形固定資産 > ソフトウェア > その他のもの
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| レセコン | 5年 |
| 電子薬歴システム | 5年 |
| 在庫管理システム | 5年 |
“ポイント”
IT・システム関連は、ハードウェアとソフトウェアで区分が異なります。
特にソフトウェアは無形固定資産となるため、導入費用の内訳(設定費・保守料など)を確認し、資産計上と経費処理を分けて検討します。
参考:国税庁「No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数」
1-3.什器備品
什器備品とは、調剤業務や店舗運営に使用する家具や設備のことです。調剤台や陳列棚、机・椅子などが該当します。
■調剤薬局における什器備品の耐用年数
【細目】器具備品 > 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品>その他の家具>その他のもの
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 調剤台・作業台・カウンター(主として金属製のもの) | 15年 |
| 調剤台・作業台・カウンター(その他のもの) | 8年 |
※壁や床に固定されたカウンターなどは、内装工事の一部として「建物附属設備」等に区分される場合があります。
※受付カウンターなど接客用設備は、用途や設置状況によって区分が異なる場合があります。
【細目】器具備品 > 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品 > 陳列だな、陳列ケース
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 陳列棚(冷凍機付・冷蔵機付きのもの) | 6年 |
| 陳列棚(その他のもの) | 8年 |
【細目】器具備品 > 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品 > 事務机、事務いす及びキャビネット
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| ロッカー(主として金属製のもの) | 15年 |
| ロッカー(その他のもの) | 8年 |
【細目】器具備品 > 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品 >応接セット
| 設備 | 耐用年数 |
| 椅子・ソファ(接客業用) | 5年 |
【細目】器具備品 > 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品 > ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の音響機器
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| テレビ | 5年 |
1-4.外構・看板
外構や看板とは、建物とは別に設置される外部設備を指します。
■調剤薬局における外構・看板の耐用年数
【細目】構築物 > 広告用のもの
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 野立て看板など(金属造のもの) | 20年 |
| 野立て看板など(その他のもの) | 10年 |
【細目】器具備品 >看板、広告器具>看板、ネオンサイン、気球
| 設備 | 耐用年数 |
| スタンド看板 | 3年 |
【細目】構築物 > 舗装道路及び舗装路面
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 駐車場舗装(アスファルト敷又は木れんが敷のもの) | 10年 |
| 駐車場舗装(コンクリート敷、ブロック敷、れんが敷又は石敷のもの) | 15年 |
“ポイント”
看板は材質によって耐用年数が異なります。
また、外構工事は内容により耐用年数が変わるため、工事内容の内訳確認が重要です。
1-5.車両関係
車両関係とは、在宅訪問や医薬品の配送などに使用する車両を指します。
■調剤薬局における車両関係の耐用年数
【細目】車両及び運搬具 > 一般用のもの
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 自動車(その他のもの) | 6年 |
| 軽自動車(総排気量0.66リットル以下のもの) | 4年 |
| バイク(2輪・3輪自動車) | 3年 |
“ポイント”
車両関係は減価償却費に加えて、ガソリン代や保険料などの維持費も継続的に発生します。
事業と私用利用が混在する場合は、使用割合に応じた按分処理を行います。
1-6.その他
その他として、薬局の建物内部に設置される設備や、仕上げに関連する設備を取り上げます。これらの多くは、「建物附属設備」に区分されるケースが多いです。
■調剤薬局におけるその他の耐用年数
【細目】建物附属設備 > 電気設備(照明設備を含む。)
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 電気設備(その他のもの) | 15年 |
【細目】建物附属設備 >給排水又は衛生設備及びガス設備
| 設備 | 耐用年数 |
| 給排水設備 | 15年 |
【細目】建物附属設備 > 冷房、暖房、通風又はボイラー設備
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 冷暖房設備(冷暖房設備(冷凍機の出力が二十二キロワット以下のもの) | 13年 |
【細目】建物附属設備 > エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備
| 設備 | 耐用年数 |
|---|---|
| 自動ドア | 12年 |
“ポイント”
薬局の内部設備において、「内部造作」に該当する場合は、耐用年数や資産区分の判断が複雑になるケースがあります。(2-1)
2.薬局設備の減価償却で押さえたいポイント
調剤薬局では、内装工事や調剤機器など設備投資の割合が大きくなりやすく、減価償却の処理によって税額や資金繰りに差が出ます。
本章では、薬局設備の減価償却で特に確認すべきポイントを解説します。
※実際の処理は、設備の内容・契約形態・見積書の内訳・取得時期などを踏まえて判断されます。最終的には税理士など専門家に確認することをおすすめします。
2-1.「内部造作」は処理が複雑なので注意が必要
内部造作(内装工事)は、工事の内容によって耐用年数や減価償却期間が変わるため、処理が複雑になりやすい項目です。
実務上、請求書や見積書には「店舗工事一式」や「内装工事一式」と記載されるケースが多いです。しかし、減価償却では工事全体を一括で処理するのではなく、工事の内容を「建物附属設備」「建物」などに分けて処理することが原則です。
そのため、見積書や請求書の内訳を確認し、工事内容ごとに資産区分を整理することが重要です。
■内部造作の処理の流れ
“💡ポイント”
- 共通経費(搬入費・運搬費など)は各資産に按分します。
- 建物は、通常、床・壁・天井などの構成要素ごとに減価償却を行います。ただし、内部造作で同時に施工した場合は、一つの「建物」としてまとめて処理します。
- 建物付属設備やその他の物品は、個別に定められた耐用年数によって減価償却を行います。金額によっては、少額減価償却資産の特例や一括償却資産を利用できる可能性があります。
具体例を紹介します。
① 見積書の内容を確認する
② 工事内容を資産区分ごとに分類する
| 資産区分 | 工事内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 建物附属設備 | 電気設備工事 | 500万円 |
| 建物附属設備 | 空調設備工事 | 300万円 |
| 建物 | 床工事 | 250万円 |
| 建物 | 壁工事 | 150万円 |
| その他の物品 | 調剤台 | 200万円 |
| 共通経費 | 搬入費・運搬費 | 100万円 |
| 合計 | ー | 1,500万円 |
③ 共通経費(100万円)を按分する
| 資産区分 | 按分前 | 按分後(例) | |
|---|---|---|---|
| 建物附属設備 | 電気設備工事 | 500万円 | 約536万円 |
| 建物付属設備 | 空調設備工事 | 300万円 | 約321万円 |
| 建物(※A) | 床・壁工事 | 400万円 | 約429万円 |
| その他の物品(※B) | 調剤台 | 200万円 | 約214万円 |
| 合計 | ー | ー | 1,500万円 |
※A 建物は、床・壁工事などを一つの資産としてまとめた金額です。
※B 他の物品がある場合は、それぞれの取得価額に応じて個別に按分します。
④資産区分ごとに耐用年数を設定し、減価償却を行う
| 資産区分 | 耐用年数(例) |
|---|---|
| 建物附属設備 | ・空調設備:13年 ・電気設備:15年 など・・ |
| 建物 | ・自己所有:建物の法定耐用年数 ・賃貸:合理的に見積もった耐用年数(※1) |
| その他の物品 | ・陳列棚:6年 ・調剤台:15年 など・・ |
※1 合理的に見積もった耐用年数とは
〜自己所有物件では建物の法定耐用年数を使用しますが、賃貸物件(テナント)の内部造作では、「合理的に見積もった耐用年数」を用いることがあります〜
賃貸借契約期間が定められており、更新や買取などが予定されていない場合は、残りの賃貸借契約期間を耐用年数とすることがあります。
一方、賃借期間に定めが無い場合は、加重平均年数などの方法によって合理的に見積もった耐用年数で減価償却を行います。
※2 加重平均の計算式
加重平均年数 = 各設備の「金額 × 耐用年数」の合計 ÷ 総額
例:(500万円×15年+400万円×13年+600万円×15年)÷1,500万円
=14.5年≒15年
2-2.修繕費か資本的支出かは「原状回復か性能向上か」で判断する
設備や内装の工事では、「原状を回復させる工事」なのか、「性能や機能を向上させる工事」なのかを整理することが重要です。
原状回復を目的とする工事は「修繕費」として当期に経費計上できる一方、性能向上や耐久性向上を伴う工事は「資本的支出」として資産計上し、減価償却を行います。
そのため、どちらに該当するかによって、減価償却の期間や経費計上できるタイミングが変わり、初年度の税額や資金繰りにも影響します。
■調剤薬局でよくあるケース
・空調設備の交換
・給排水設備の改修
・内装の張替えやリニューアル
・設備のグレードアップ工事
どちらに該当するかの判断については、次を参考にしてください。
参考:国税庁「No.1379 修繕費とならないものの判定」
関連記事:「減価償却の仕訳とは?基礎知識を具体例で丁寧に解説」【修繕費と資本的支出の判定フローチャート】
一例を紹介します。
“例:空調設備の交換”
エアコンの部品交換や修理など、原状回復や維持管理を目的とする工事は、修繕費として処理されます。一方で、設備全体を交換する場合や、高性能な空調設備へ更新する場合は、資本的支出として減価償却を行います。
| 修繕費 | 資本的支出 | |
|---|---|---|
| 工事内容 | エアコンの部品交換・修理(10万円) | 高性能空調へ更新(30万円) |
| 性質 | 原状回復・維持管理 | 性能向上 |
| 使用可能期間 | 大きく変わらない | 延びる |
| 税務処理 | 当期に全額経費 | 減価償却(13年) |
2-3.設備更新時は「除却損」を計上できるか確認する
設備を更新する際は、古い設備の未償却残高を「除却損」として経費計上できるか確認することが重要です。
減価償却期間が残っている設備でも、実際に使用を終了して撤去した場合は、残っている簿価を一括で経費化できるケースがあります。
■調剤薬局でよくあるケース
- 分包機の入れ替え
- レセコンの更新
- 空調設備の更新
- 給排水設備の改修
- 内装リニューアルに伴う撤去
実務では、「どの設備を撤去したのか」「既存設備の簿価がいくら残っているのか」を確認することが重要です。
2-4.補助金を受けた設備は「圧縮記帳」を確認する
設備導入時に補助金を受け取った場合は、「圧縮記帳」を適用できるか確認することが重要です。
補助金は原則として収益計上されるため、補助金を受け取った年度に課税が生じるケースがあります。一方で、圧縮記帳を適用できる場合は、固定資産の取得価額を調整することで、補助金受給時の税負担を調整できます。
たとえば、1,000万円の設備に対して300万円の補助金を受けた場合、圧縮記帳を行うことで、設備の取得価額を700万円として減価償却を行うイメージです。
■調剤薬局でよくあるケース
- 電子薬歴やレセコン導入に対するIT導入補助金
- 空調・換気設備など感染対策に関する補助金
- 設備更新に対する自治体の助成金
※補助金の種類によって、適用要件や処理方法が異なります。
補助金は「受け取って終わり」ではなく、税務処理まで含めて確認することが重要です。圧縮記帳を適用することで、補助金受給による一時的な税負担の増加を抑えやすくなります。
※圧縮記帳の適用には要件があります。制度の詳細は次の記事も参考にしてください。
関連記事:「圧縮記帳とは?仕組みや仕訳、特例との併用についてわかりやすく解説」
2-5.「中小企業経営強化税制」を使うかを設備取得前に確認する
一定の設備投資については、中小企業経営強化税制を活用することで、減価償却の方法を選択し、初年度の税額に大きく影響を与えることができます。
通常は耐用年数にわたって減価償却を行いますが、この制度を適用することで、即時償却または税額控除を選択することが可能です。そのため、経費計上や税額軽減のタイミングを前倒しできる可能性があります。
■調剤薬局でよくあるケース
- 分包機や自動分注機などの調剤機器
- 電子薬歴やレセコンなどのIT設備
- 空調・換気設備などの設備更新
これらの設備は、生産性向上など一定の要件を満たすことで、制度の対象となる可能性があります。
中小企業経営強化税制は、設備取得後に遡って適用することはできません。そのため、設備投資の検討段階で制度の適用可否を確認し、即時償却と税額控除のどちらが有利かを比較して判断することが重要です。
参考:国税庁「No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)」
2-6.40万円未満の設備は「少額減価償却資産の特例」を確認する
40万円未満の設備は、中小企業者等であれば「少額減価償却資産の特例」を適用(任意)することで、取得した年に全額を経費計上することができます。
※本特例は令和8年(2026年)4月1日以後に取得した資産から、取得価額基準が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられています。
参考:中小企業庁「少額減価償却資産の特例」
通常は耐用年数に応じて減価償却を行いますが、この特例を適用することで減価償却を行わず、経費計上のタイミングを前倒しできます。
■調剤薬局でよくあるケース
- パソコン、タブレットなどのIT機器
- レセコン周辺機器
- 小型冷蔵庫や保管設備
- 調剤補助機器
これらは1台あたり40万円未満であれば、特例の対象となる可能性があります。
少額減価償却資産の特例は、次の条件を満たす場合に適用できます。
・取得価額が40万円未満であること
・中小企業者等であること(青色申告)
・年間の適用上限が300万円であること
参考:国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
この特例は、1台(1資産)ごとの取得価額で判定します。そのため、複数の設備をまとめて購入する場合でも、請求書や見積書の内訳が分かれているかを確認することが重要です。
また、年間300万円の上限があるため、設備の取得時期や購入単位を整理することで、適用できる範囲が変わります。
少額減価償却資産の特例は、経費計上のタイミングを早めることができる一方で、翌期以降の減価償却費は発生しません。そのため、当期の利益を抑えたい場合には有効ですが、将来の利益計画も踏まえて適用を検討することが重要です。
関連記事:「減価償却の仕訳とは?基礎知識を具体例で丁寧に解説」
2-7.20万円未満の設備は、「一括償却資産」にできるか確認する
20万円未満の資産は、「一括償却資産」として3年間で均等に経費計上することができます。
通常は資産ごとに耐用年数を設定して減価償却を行いますが、一括償却資産を選択することで、経費配分を3年に固定できる点が特徴です。そのため、経費計上の見通しを立てやすく、税額や資金繰りの安定につながります。
■調剤薬局でよくあるケース
- 事務用備品や什器
- 小規模な保管設備
- 周辺機器や補助機器
- 調剤補助用の小型機器
一括償却資産は、次の条件を満たす場合に適用できます。
・取得価額が20万円未満であること
・3年間で均等に経費計上すること
※少額減価償却資産の特例とは異なり、年間上限はありません。
一括償却資産も、1資産ごとの取得価額で判定します。また、この制度は個別の耐用年数に関係なく、3年間で均等に費用配分されるため、減価償却の計算や固定資産台帳の管理を簡略化できる点が特徴です。
さらに、一括償却資産は償却資産税(固定資産税)の課税対象外となる点も特徴です。そのため、少額資産が多い場合は、減価償却費だけでなく、将来の固定資産税まで含めて処理方法を検討することが重要です。
一方、少額減価償却資産(40万円未満)の特例とは選択関係にあるため、同じ資産であっても次のように目的に応じて処理方法を選択するケースがあります。
・当期の経費を増やしたい場合 → 少額減価償却資産
・費用配分を安定させたい場合 → 一括償却資産
※一括償却資産や少額減価償却資産の特例は任意であり、通常の減価償却を選択することも可能です。
関連記事:「減価償却の仕訳とは?基礎知識を具体例で丁寧に解説」
3.まとめ 最終判断には専門家への相談が有効
調剤薬局の設備投資における減価償却は、資産区分や処理方法によって税額や資金繰りに大きな差が生じます。
特に、内部造作の区分や修繕費と資本的支出の判断などは、明確な数値基準だけで判断できるものではなく、工事内容や実態に基づいた整理が求められます。そのため、最終的な判断においては、専門家である税理士への相談が有効です。
税理士に依頼することで、資産区分や処理方法を実態に基づいて整理でき、税務リスクを抑えながら、経費計上のタイミングを適切に設計することができます。
調剤薬局は一般的な業界と比べて判断が複雑になりやすい傾向があります。
業界に精通した税理士に依頼することで、調剤薬局特有の設備や収益構造を踏まえた、より実態に即した判断が可能となります。次の記事も参考にしてみてください。
