税理士の立ち会いは必要?税務調査に税理士の立ち会いを依頼すべき理由

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監修者 宇都宮健太

税務調査の事前通知はある日突然やってきます。

税務調査の事前通知を受けた際には「自分ひとりで対応できるんだろうか?」「税理士がいないと不利な状況が生まれたりしないだろうか?」「今からでも税理士を探して依頼したほうがいいんじゃないか?」というような不安な気持ちになってしまう事業者の方も多いのではないでしょうか。

結論から言いますと、税務調査には税理士の立ち会いを依頼すべきです。事業者が自身で調査の対応をした場合、必要な回答ができずに税務調査が長引いたり、追加で税金を支払うことになったりすることが考えられます

この記事では、税務調査に税理士の立ち会いを依頼するメリットや実際に税務調査で税理士に頼めること、税務調査を依頼する税理士の選び方から注意点まで詳しく解説していきます。ぜひご一読ください。


1.税理士に税務調査の立ち会いを依頼するメリット

ではまず初めに税理士に税務調査の立ち会いを依頼するメリットについて見ていきましょう。税理士に税務調査の立ち会いを依頼するメリットは以下の4つです。

・税務調査前の入念な準備ができる
・税務調査当日の質疑応答への心理的負担を軽減し対応できる
・書類の不足や不備が指摘された場合でもしっかり対応できる
・税務調査で指摘された修正申告まで対応してもらえる

1-1.税務調査前の入念な準備ができる

初めて税務調査を受ける場合、何を用意しておけばいいのか、どんな書類がチェックされるのかすら事業者ではわからないものです。税理士に税務調査の立ち会いを依頼すれば、準備が必要な書類から税務調査官が指摘してきそうなポイントまでアドバイスが受けられます。事前準備や心構えができた万全の体制で税務調査が受けられることは大きなメリットと言えます。

1-2.税務調査当日の質疑応答への心理的負担を軽減し対応できる

税務調査を受ける当日は「ミスなく回答しなければいけない」と、税務調査を受ける事業者の精神的なプレッシャーは相当なものです。税理士に税務調査の立ち会いを依頼すれば、事業者は調査当日に調査官から受ける質問に対してできる範囲で回答し、その他は税理士に任せることができます。税理士に税法のポイントを押さえてきっちり回答や交渉をしてもらえることは、事業者の心理的負担を軽減できる大きなメリットと言えます。

1-3.書類の不足や不備が指摘された場合でもしっかり対応できる

税務調査官に書類の不足や不備が指摘された場合、事業者だけで対応すると本来は反論できるケースでも言葉に詰まってしまったり、指摘をすべて受け入れることにもなりかねません税理士に税務調査の立ち会いを依頼すれば、税理士が反論できる部分はしっかり反論し交渉することで経費計上や申告内容が否認される可能性を低くし不要な追徴課税を回避することができるのは、税理士に税務調査の立ち会いを依頼するメリットの1つと言えます。

1-4.税務調査で指摘された修正申告まで対応してもらえる

税務調査が済み、申告内容に修正すべき点があると判明した場合、修正申告書の作成は非常に手間のかかる作業です。税理士に税務調査の立ち会いを依頼すれば、税務調査に立ち会いを依頼した税理士に修正申告書の作成・提出も依頼することができます。修正申告の手続きをスムーズに進められることも、税理士に税務調査の立ち会いを依頼するメリットの1つと言えます。


2.税務調査は税理士に立ち会ってもらうべき

税務調査の通達から実際の調査までの期間は1~2週間程度です。この期間に税務調査を受けるにあたって必要な書類の準備調査当日にミスなく対応するための心構えをし、税務調査当日には指摘された不足や不備への適切な反論や対応調査終了後には手間のかかる修正申告まで、税理士に税務調査の立ち会いを依頼せずに事業者がこの全てをこなすのは精神的にも実務的にもかなりの負担と言えます。

税理士に税務調査の立ち会いを依頼すれば、税理士は専門知識やこれまでの税務調査の経験を活用して、税務調査を円滑に進めるために事業者を強力にサポートすることができます。税務調査を受ける事業者によほどの自信がない限り、税務調査の立ち会いは税理士に依頼すべきでしょう。

では実際に、税務調査で税理士にどこまでのことを頼めるのでしょうか。次の章で見ていきます。


3.税務調査で税理士に頼めること

税務調査で税理士に依頼できることは、税務調査前、税務調査当日、税務調査後で以下3つに分けられます。早速見ていきましょう。

・税務調査の事前準備
・税務調査当日の立ち会い
・税務調査の事後対応

3-1.税務調査の事前準備

税務調査の事前準備では税理士に以下のようなことが頼めます。

必要書類のチェック

税務調査に必要な書類やデータの確認、紛失している請求書や領収書があれば再発行できるものはないかの確認、要求されることが考えられる追加資料の想定など、事前に把握しておくことができます。

 

②税務調査官が行う質問の想定

税務書類や帳簿などを見て、どの部分が調査対象になるのかを想定しアドバイスがもらえます。税務調査官からの質問に対する受け答えのコツも教えてもらえるため、冷静に対応できます。

 

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辻・本郷税務顧問サービスでは想定問答を徹底的に準備

辻・本郷税務顧問サービスなら、経費の増減など調査対象になりそうな部分を3期比較し、国税庁OBも交えて想定問答を徹底的に準備し、税務調査に備えることができます。

3-2.税務調査への立ち会い

税務調査当日の立ち会いでは税理士に以下のようなことが頼めます。

①税務調査官からの質問や指摘に対しての対応・コミュニケーションのサポート

調査当日に税務調査官から受ける質問に対して、税理士が事業者の代わりに対応してくれます。事業者が回答するには難しい点や専門的な説明が必要な箇所は、税法や会計知識を踏まえて分かりやすく伝えられるようサポートします。

 

②税務調査官による調査内容が適切かどうかの監視

税務調査に不当と思われる調査や要求があった場合には税理士に税法面から適切に拒否してもらえます。

 

会計処理や経理処理の根拠説明
 帳簿や領収書など、どのような理由で経費計上しているのか、収益の認識タイミングは適切かなどについて税理士が説明します。
税理士が専門家として説明することで説得力が増し、調査官の納得を得やすくなります。

 

書類の不足や不備があった際の即時対応

書類の不足や不備が指摘された場合には、税理士が反論できる部分はしっかり反論し交渉してくれます。書類の不足や不備に対しての修正方法についても税理士から助言をもらえるため、リスクを最小限に抑えることができます。

 

POINT! 

辻・本郷税務顧問サービスなら
書類の不足や不備が指摘された場合にしっかり事業者をフォロー

例えば外注先のリストなど税務調査官に指摘された書類を事業者が準備できなかった場合でも、辻・本郷税務顧問サービスなら支払調書などを準備しているのでしっかり事業者をフォローできます。

 

⑤追加資料提出のフォロー

税務調査では、指定された帳簿書類に加えて追加資料を求められることがよくあります。税理士は、必要に応じて手元にある書類をスムーズに提示できるようサポートします。

 

⑥税務調査官との見解の相違を調整

税法や実務通達などの解釈で、税務調査官と事業者の見解が異なる場合があります。そのような場合に、税理士は税法の根拠や過去の事例を引き合いに出して調整や交渉をしてくれます。

 

3-3.税務調査の事後対応

税務調査の事後対応では、税理士に以下のようなことが頼めます。

修正申告書の作成・提出

税務調査の結果修正申告を行う必要があった場合には、修正申告書の作成・提出が税理士に依頼できます。

 

②再調査請求や不服申し立て(税務調査結果に不服がある場合)

税務調査の結果内容に納得できない場合には、税理士から再調査請求をしたり、不服申し立てをするためのアドバイスがもらえます。

 

③再調査リスク低減のためのアドバイス

税務調査官が特に問題視した点を踏まえ、税理士が再発防止や再調査を避けるための将来に向けた具体的改善策を提案してくれます。


4.税務調査はどんな税理士に依頼するべきか?

実際に税務調査を依頼する際には、以下の3つのポイントを押さえましょう。

・税務調査の経験が豊富である
・顧客の立場になって対応してくれる
・税法に詳しく交渉力がある

4-1.税務調査の経験が豊富である

税務調査は、税理士であれば誰でも経験があるわけではありません。実際に税務調査の知識があっても税務調査の立ち会いはしたことがないという税理士もいます。税務調査を税理士に依頼する際は、税務調査の立ち会い経験や税務署への申し立て経験が豊富な税理士に依頼しましょう。

特に国税庁出身の税理士は税務調査官としての経験がある場合も多く、税務調査官の経験からのアドバイスをもらうこともできます。

4-2.顧客の立場になって対応してくれる

可能であれば税理士との契約前に面談し、レスポンスが早いかコミュニケーションが取りやすいか親身になって相談にのってくれるかなどを確認し、顧客の立場になって対応してくれる税理士を選びましょう。顧客視点での対応力が高い税理士に依頼すれば、税務調査を安心して任せられます。

4-3.税法に詳しく交渉力がある

税務調査では、税務調査官からの指摘に対して事実の認定と税法での解釈を照らし合わせながら、税務の知識に基づいた論理的な交渉をすることが重要です。税法に詳しく交渉力がある税理士に依頼すれば、事業者と調査官で異なる見解をうまくまとめ、スムーズに税務調査を進めることができます。


5.税務調査を税理士に依頼した場合の費用

実際に税務調査を税理士に依頼する場合、その費用感も気になるところでしょう。税務調査を税理士に依頼する際にかかる費用はおおむね下記のようになっています。

顧問税理士がいる場合でも、税務調査は顧問料とは別に料金が発生することが一般的です。顧問税理士の場合は事前準備の部分はすでに把握できているため、もう少し費用は安くなることが多いです。

事前準備3~6万円程度
調査立ち会い1日あたり3~6万円程度
税務調査は2日かかることが多いため合計で6~12万円程度
修正申告が発生した場合修正の内容により5万円〜20万円度程

6.税務調査を税理士に依頼するときの注意点

ここからは、税務調査を税理士に依頼するときの注意点についても見ていきます。注意点は3つあります。

・すべての税理士が税務調査の経験が豊富なわけではない
・立ち会う税理士で結果が変わる
・報酬と結果が見合わないケースもある

6-1.すべての税理士が税務調査の経験が豊富なわけではない

4-1でも触れましたが、税務調査は頻繁に行われるものではないため、税務調査の経験がない税理士もたくさんいます。実際に 税務調査の経験がない税理士では準備が必要な書類や税務調査官が指摘してきそうなポイントについてのアドバイスも曖昧なものになってしまう可能性があります。税務調査を税理士に依頼する際は、税務調査の立ち会い経験が豊富なであることが重要です。

6-2.立ち会う税理士で結果が変わる

税務調査官に書類の不足や不備が指摘された場合に、本来は反論できるケースでも的確に反論することができなければ指摘をすべて受け入れることにもなりかねません。税理士が反論できる部分はしっかり反論し交渉できるどうかで、税務調査官を納得させ経費計上や申告内容が否認される可能性を低くすることができるのです。

6-3.報酬と結果が見合わないケースもある

報酬の設定方法は税理士によってさまざまです。税務調査の立ち会いを依頼する前に、料金や対応してもらえる内容について確認してから依頼することをお勧めします。


7.お困りの際は辻・本郷 税理士法人にご相談を

ここまで、税務調査に税理士の立ち会いを依頼するメリットや実際に税務調査で税理士に頼めること、税務調査を依頼する税理士の選び方や注意点まで見てきました。

税務調査を受ける事業者によほどの自信がない限り、税務調査の立ち会いは税理士に依頼すべきです。

「自分ひとりで対応できるんだろうか?」「税理士がいないと不利な状況が生まれたりしないだろうか?」「今からでも税理士を探して依頼したほうがいいんじゃないか?」など不安に思われた方はぜひ一度、辻・本郷 税理士法人にご相談ください。

多くの国税庁OBが在籍する辻・本郷 税理士法人なら、急な税務調査でも安心してお任せいただけます。


8.まとめ

ではここまでの内容をもう一度まとめます。

税理士に税務調査の立ち会いを依頼するメリット

・税務調査前の入念な準備ができる
・税務調査当日の質疑応答への心理的負担を軽減し対応できる
・書類の不足や不備が指摘された場合でもしっかり対応できる
・税務調査で指摘された修正申告まで対応してもらえる

税務調査で税理士に頼めること

■税務調査の事前準備

①必要書類のチェック
②税務調査官が行う質問の想定

■税務調査への立ち会い

①税務調査官からの質問や指摘に対しての対応・コミュニケーションのサポート
②税務調査官による調査内容が適切かどうかの監視
③会計処理や経理処理の根拠説明
④書類の不足や不備があった際の即時対応
⑤追加資料提出のフォロー
⑥税務調査官との見解の相違を調整

■税務調査の事後対応

①修正申告書の作成・提出
②再調査請求や不服申し立て(税務調査結果に不服がある場合)
③再調査リスク低減のためのアドバイス

税務調査はどんな税理士に依頼するべきか?

・税務調査の経験が豊富である
・顧客の立場になって対応してくれる
・税法に詳しく交渉力がある

税務調査を税理士に依頼するときの注意点は

・すべての税理士が税務調査の経験が豊富なわけではない
・立ち会う税理士で結果が変わる
・報酬と結果が見合わないケースもある

もし税務調査を受けることになってしまったら、この記事で見てきたポイントを踏まえて税務調査を任せられる税理士に立ち会いを依頼し、不安なく税務調査を乗り切りましょう。