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相続人同士が不仲!申告書を一緒に提出できないときはどうしたらいい?

公開日:2023.08.17
相続手続き
相続人同士が不仲!申告書を一緒に提出できないときはどうしたらいい?

相続税の申告を行う際、通常であればすべての相続人が共同して申告書を作成し、申告します。

しかし、さまざまな事情から、共同して申告書を提出することが難しい場合もあります。
そのような場合には、相続人ごとに個別に申告書を作成し、提出することとなります。

やむを得ず個別に提出する場合のリスクや注意点についてご案内します。

相続税を個別に申告することはできるが、注意が必要

相続税を別々に申告することはできるが、注意が必要

相続税の申告書は、通常は相続人が共同して申告書を作成し、連名で提出します

ただ、相続人同士の関係が良好ではなく、協力して申告書を作成できないなどさまざまな事情により連名で提出できない場合には、個別に申告書を提出することも可能です。

個別に申告書を作成するときには、申告書の財産内容や相続税評価額が一致していることが重要

原則として、同一の被相続人の申告書に記載された財産内容および相続税評価額は一致していなければいけません
ここでいう「財産」には不動産や金融資産だけではなく、相続人が受け取った死亡保険金や相続人が生前に受け取った贈与財産なども含まれます。

ほかにも、非上場株式や個人年金保険、ゴルフ会員権、自動車、書画・骨董・貴金属、現役でお仕事されている方の場合には退職金や弔慰金など、申告書にする記載すべき財産の範囲はとても広いものとなります。

申告書に記載された財産評価額が一致しないことがある?

「相続税評価額」とは、預金のように残高証明書から誰もが同じ評価額を把握できるものではありません。
また、不動産のように、その評価方法によって評価額に差が出てしまう財産もあります。

個別に申告書を提出すると税務署の目に留まりやすい

同じ被相続人の相続税申告で異なる内容の相続税申告書が税務署に提出された場合、税務署による評価額や申告額の確認のための調査が行われる可能性が高くなります

共同で申告書を作成していない場合、相続にあたって相続人同士の関係性に何かしらの問題があるケースが多くあります。
生前に多額の贈与を受けていたり、被相続人の財産を消費しているなどの理由から、相続にあたって自分が不利になることを隠している相続人がいることも想定されます。
よって、税務署の目に留まりやすくなるのです。

別々に申告するとき、申告書の数字を合わせるにはどんな方法がある?

税理士などの専門家へ依頼

個別の申告書を提出する場合、申告書の内容を同一にする必要があることの重要性をお伝えしました。
では、なるべく相手と直接関わることなく申告書の数字を合わせるにはどうしたらよいのでしょうか。

申告書の閲覧申請

まずは申告書の閲覧申請という方法が考えられます。
自分以外の相続人が提出した申告書の内容を税務署に見に行って確認する方法です。
ただ、その手続きのハードルはとても高く、提出した人の許可がなければ勝手に見ることはできませんし、委任状や印鑑証明書、戸籍など、準備しなければならない資料が多くあります。

申告書の開示請求

提出した人の許可が得られない場合には、ピンポイントで他の相続人に係る内容を税務署に教えてもらう方法もあります。
これを「相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求」といいます。この開示請求によって、他の相続人が相続開始前3年以内に行った贈与額や相続時精算課税贈与に係る評価額が分かります。

税理士などの専門家へ依頼

税理士などの専門家に頼むという方法もあります。相続税の申告を得意としている税理士であれば、相続人が個別に申告する際に、相手方の税理士と内容を確認し、すり合わせて申告するケースもあります。

しかしながら、数字をすり合わせていくというのは簡単な手続きではありませんし、当然ながら税理士の手数料も発生します。

共同での申告が難しい場合には、それぞれの相続人が税理士の手数料を負担することとなりますし、間を取り持つ弁護士が必要となればその手数料もかかることとなり、費用面での負担も増えます。

小規模宅地等の特例は使えるの?

小規模宅地等の特例は使えるの?

相続税の申告書を作成する上で、必ず数字を一致させる必要のある項目として「小規模宅地等の特例」についても触れておきましょう。

小規模宅地等の特例は自宅や賃貸アパートの土地部分を所有している場合等に適用できる可能性のある特例です。詳しくは過去の記事をご覧ください

個別に申告をする場合にも小規模宅地等の特例が使えるが、全員の同意を受けることが必要

個別に申告をする場合にも小規模宅地等の特例を使うことは可能です。小規模宅地の特例は適用できる面積に上限があり、面積がその範囲に収まれば問題ありませんが、上限を超える場合には相続人の中で、誰が相続する分をどのくらい適用するかを指定する必要があります。

また、相続税申告書「第11・11の2表の付表1」に「1.特例の適用にあたっての同意」という欄があり、適用対象となり得る宅地等を取得したすべての人が同意し、氏名を記載する必要があります。

ここで同意を得られない(名前を記載できない)場合には、特例の適用を受けることができないと規定されています。

せっかく税金の負担を軽くすることができる特例ですが、相続人同士の関係性が良くないと特例を受けることも難しくなってしまいます。

申告期限までに遺産分割がまとまらなかったときは、未分割で申告書を提出する方法がある

遺言書がなく、遺産分割が必要だけれども揉めてしまって申告期限までに分割がまとまらない場合にはどうすればよいでしょうか。

「申告期限後3年内分割見込書」を添付して一度未分割で申告書を提出するという方法もあります。
詳細は過去の相続税コラムをご覧ください。

おわりに

このように、相続人同士で揉めてしまい、共同で申告書の提出ができない場合には相続税申告の際、必要以上の税負担や手間や費用等がかかってしまうこともあります。
だからこそ、相続人との間で円満な関係を築くことが望ましいのです。

もし、あなたのご家族に不仲の方がいらっしゃる場合は、将来の相続の際に少しでもスムーズに手続きができるよう、遺言などの準備をしておくと良いでしょう。

辻・本郷 相続センターでは相続のお手続きはもちろん、遺言書の作成サポートも行っています。
お悩みの際には、ぜひ私たちにお問い合わせください。

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