【2023年】会社設立でお得な助成金・補助金一覧|申請方法付き

会社設立を行う際には、国への登録や事業開始のために一定の資金が必要となります。
しかし、まだ収益が安定していない段階では「充分な資金がない…」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。

助成金と補助金は、どちらも主に国や地方公共団体などが公的な財源をもとに事業者へ支給するもので、一定の条件を満たしたり、審査に通ったりすることで受けとれるお金です。
助成金と補助金は似たような意味合いの言葉で、最近ではあまり区別せずに使用されていることもありますが、元々の違いは以下の通りです。

                  助成金と補助金の違い
・助成金:要件を満たしていれば、ほぼ受給できる。助成金額は10万円〜とやや規模が小さい。
・補助金:審査に通らないと受給できない。補助金額は100万円単位〜と規模が大きい。


返済義務がないため、特に事業立ち上げ初期の資金に余裕がないタイミングでは、効果的に活用したいものですね。
しかし、助成金や補助金はなんと「3,000種類以上ある」ともいわれており、自分の場合何を利用できるのかわからず困っている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、以下の内容を徹底的に解説していきます。

                  この記事でわかること
・会社設立時に使える助成金・補助金一覧
・会社設立の助成金・補助金の申請方法
・会社設立の助成金・補助金にまつわる注意点
・会社設立時に活用できるお得な制度
・会社設立時に安心して相談できる専門家の選び方
・会社設立の助成金・補助金に関するQ&A


最初に、会社を設立する人におすすめの助成金・補助金を具体的に紹介した上で、申請方法や注意点についても詳しく解説します。
最後までお読みいただくと、自分が活用できる助成金や補助金についての知識を得ることができ、申請やその後の事業拡大を失敗なく進めるための方法まで知ることができるでしょう。

それでは早速解説に入ります。


目次

1. 会社設立時に使える助成金・補助金を一覧表で紹介!

会社設立時に使える助成金・補助金にはたくさんの種類がありますが、事業を行う地域や事業の内容などによって利用できるものが異なります。

ここでは、返済の必要がなく、設立時や設立初期に利用しやすい制度をピックアップして紹介します。内容は以下の一覧の通りです。

               会社設立時に使える助成金・補助金一覧
設立に申し込める・創業者向け助成金・補助金(都道府県別)
・地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)
・NEDO スタートアップ企業支援
・事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)
設立に申し込める・小規模事業者持続化補助金
・IT導入補助金
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
・キャリアアップ助成金
・地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)


それぞれの制度については、これから詳しく解説していきます。
まずは、設立前の段階で申し込みを進められる制度から先に紹介しましょう。

1-1. 【会社設立前】創業者向け助成金・補助金(都道府県別)

まずは、創業者向け助成金・補助金(都道府県別)を紹介します。

多くの都道府県では、地域を活性化させたいという考えから「その地域で法人登記すること」や「代表者がその地域に在住していること」を条件に、助成金を支給しています。
詳しい条件は制度ごとに異なりますが、注意すべきは、申請してからお金を受け取るまでには、1年近くかかることが多いという点です。

また、申請すれば100%支給されるわけではありません。例えば令和4年度の「東京都創業助成金」の場合、倍率は約7.5倍となっており、競争率が高いことがわかります(申請数 1,210件中、採択数は162件)。(出典:TOKYO創業ステーション「創業助成事業」過去の採択情報について )

とはいえ、地域や助成金の種類によって条件は様々です。具体的にどのようなものなのかイメージがつくよう、代表的な都道府県の助成金や補助金をピックアップしたのが以下の一覧表です。

【都道府県による助成金や補助金の例】

制度の名称受け取れる金額受け取れるまでの期間主な条件
 ①さっぽろ新規創業促進補助金・株式会社設立の場合:175,000円
・合同会社など設立の場合:80,000円
申し込みから半月~1.5ヵ月後・札幌市内で会社を設立すること
・札幌市の特定創業支援等事業を修了し、その証明を受けてから法人登記を行うこと
② 岩手県地方創生起業支援金・上限200万円(対象経費の1/2以内)募集開始から約1年 (スケジュール例:募集期間 4~6月 → 支給決定 7月 → 事業完了確認 2月 → 支給 3月)・県内で地域課題の解決を目的にデジタル技術を活用して新たに起業すること
・岩手県に居住、または居住を予定していること
③ 東京都創業助成金・上限400万円(対象経費の2/3以内)募集開始から1年以降 (スケジュール例:募集期間 4~5月 → 交付決定 9月 → 事業完了 2月 → 支給 3月以降)・東京都内で創業すること
・東京都の創業支援事業(19種)の利用実績があること
④ 福岡市新規創業促進補助金・株式会社設立の場合:75,000円
・合同会社など設立の場合:30,000円
指定の「特定創業事業支援事業」の受講から3~4ヵ月後・会社の本社が福岡市内にあること
・福岡市の特定創業支援等事業を受講すること

(2024年5月時点)

上記のように、受け取れる金額も、受給されるまでの期間もバラバラであるため、まずは地域の制度が自分のニーズに合っているかどうかを確認すると良いでしょう。

また、こうした助成事業はいつでも募集されているわけではなく、半期に1度、年度内に1度、などと期間を決めて募集が行われます。
もし「今は自分の創業する地域で募集が行われていない」という場合でも、別のタイミングで募集が開始されることもあります。そのため、常に最新の情報を調べるようにしましょう。

経済産業省が管轄している団体が運営している、中小企業向けのWebサイト「J-Net21」 では、現在申し込める助成金や補助金を簡単に検索することができます。

引用:J-Net21<中小企業ビジネス支援サイト>支援情報ヘッドライン

また、地域の中小企業支援センターの窓口へ相談に行き、自分の会社が対象になる制度があるかどうかを教えてもらうのも良いでしょう。
自分の地域の中小企業支援センターは、中小企業庁の「都道府県等中小企業支援センター」のページで確認することができます。

引用:中小企業庁「都道府県等中小企業支援センター」

1-2. 【会社設立前】地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)

出典:独立行政法人 中小機構 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型

次は、中小企業支援を行っている独立行政法人「中小機構」と、地方自治体、金融機関などが共同で出資して作られている「地域中小企業応援ファンド」による助成金を紹介します。

北海道から沖縄まで、23の県に31種類のファンドがありますが、会社の所在地である都道府県に該当ファンドがないと助成を受けられません。

また、ファンドごとに条件が異なるため、自社が対象となるファンドを選んで申し込む必要があります。条件としては、地域の資源を活かした商品開発や、販路開拓などの支援を目的としたものが多いですが、設立前や設立後まもない会社が利用できるものもあります。

注意すべきは「使った経費の一部もしくは全部」を「対象期間終了後」に助成してもらえる仕組みになっている点です。「創業前にお金が欲しい」「設立に際してかかる費用を全て補填したい」という場合には向いていないでしょう。

具体的に、設立前や設立初期のフェーズで利用できるファンドは、以下の8つです。

【設立前や初期に申請できる地域中小企業応援ファンド一覧】

エリアファンド名助成上限額・助成率
北海道北海道中小企業応援ファンド100万円・1/2以内
東北いわて希望応援ファンド150万円・1/2以内
関東とちぎ未来チャレンジファンド100万円・2/3以内
フードバレーとちぎ農商工ファンド300万円・4/5以内
甲信越にいがた創業応援基金 ベンチャー企業創出事業200万円・1/2以内
山梨みらいファンド200万円・2/3以内
中部とっとり起業化促進ファンド500万円・10/10
四国とくしま経済飛躍ファンド500万円・2/3~3/4以内

細かい条件はファンドごとに異なるため、それぞれの案内ページをご確認くださいね。

1-3. 【会社設立前】 NEDO スタートアップ企業支援

出典:NEDO 実施者募集(公募)

次に紹介するのは、先進的な技術や研究を基に事業拡大を目指す企業を対象とした、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)という機関による企業支援です。

現在既に取り組んでいる研究などがあり、それをもとに起業したい人や、起業後の実証実験にかける資金が欲しい、という人に向いています。

時期によって募集されている事業は異なります。調べる前に具体的なイメージを持てるよう、過去に募集されていた支援の一部をピックアップして紹介します。

【NEDOによる支援制度の例】

支援制度名受け取れる金額の上限対象テーマ
 SBIR推進プログラム(一気通貫型) 締め切り:2023年5月10日・2,000万~1.5億円以下(定額~対象経費の2/3以内)・宇宙産業技術
・福祉支援技術
・航空機の脱炭素化
・ドローン技術 など
ディープテック・スタートアップ支援事業  締め切り:2023年5月25日・3億~25億円以下
(助成率 2/3以下)
・ロボティクス
・AI
・エレクトロニクス
・IoT ・クリーンテクノロジー
・素材 ・医療機器
・ライフサイエンス
・バイオテクノロジー技術
・航空宇宙 など
研究開発型スタートアップの起業・経営人材確保等支援事業/ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業  締め切り:2023年5月9日・300~3,000万円以下(定額)・人工知能
・ロボット
・宇宙航空
・エネルギー
・ナノテク、材料
・ ライフサイエンス ・IoT など

お金を受け取れるタイミングについては、「概算の費用を毎月もらえる」というものもありますが、多くの場合は対象事業の実績を報告した後の「後払い」となっています。

最新の募集状況については、以下の公式ページをご覧ください。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

1-4. 【会社設立前】事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)

出典:令和3年度 補正予算 事業承継・引継ぎ補助金

「事業承継・引継ぎ補助金」は、事業承継などを行う中小企業向けの補助金です。

この補助金には「廃業を予定している会社などから経営資源を引き継ぎ、新しく会社を設立する」というケースを対象とした「創業支援型」という枠があります。概要は上の画像の通りです。

ゼロから新しい会社を立ち上げるときには利用できませんが、他の会社が行っている事業を引き継いで創業するようなケースには活用できる補助金ですので、該当する場合には申し込むと良いでしょう。

申請に関する詳しい情報は、以下の公式ページをご覧ください。

令和3年度 補正予算 事業承継・引継ぎ補助金

ここまでが、会社の設立前でも申請を進めることができる助成金や補助金の制度でした。

次は、設立後に使いやすい制度を紹介していきます。

1-5. 【会社設立後】小規模事業者持続化補助金

出典:小規模事業者持続化補助金(一般型)

「小規模事業者持続化補助金」は、従業員数が少ない、比較的小規模な事業者向けの補助金です。

概要は上の画像の通りで、市区町村が実施する「特定創業支援等事業」の支援を受けてから創業した場合には、「創業枠」という特別な枠で申請することができます。

創業枠で申請すると以下のように補助上限金額が「通常枠:50万円」から「創業枠:200万円」引き上げられるというメリットがあります。会社設立後初期のタイミングで申請を検討している場合は、この枠を利用すると良いでしょう。

引用:小規模事業者持続化補助金ガイドブック

この補助金には、会社を設立する地域に関する制限はないため、全国どこで起業する場合でも利用することができるというのも使いやすいポイントです。

注意点としては、対象が「既に創業している事業者」であるため、設立前には申請できないということです。

ただし、申請日よりも1日でも前に開業していれば対象となるので、設立後すぐに申し込むことは可能です。

申請に関する詳しい情報は、以下の公式ページをご覧ください。

小規模事業者持続化補助金

1-6. 【会社設立後】 IT導入補助金

出典:IT導入補助金 

「IT導入補助金」は、生産性向を目的としたソフトウェア購入費やクラウド利用費、セキュリティ対策サービスの利用料などを対象とした補助金です。

注意点は、交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付が受けられなくなるという点です。

設立「」に購入したソフトウェアなどは対象となりませんので、この補助金を利用したいという場合は、ITツールの導入時期を遅らせるなどの調整が必要となるでしょう。

申請に関する詳しい情報は、以下の公式ページをご覧ください。

IT導入補助金

1-7. 【会社設立後】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

出典:ものづくり補助事業公式ホームページ

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、中小企業・小規模事業者等の設備投資等を支援するための補助金です。

工場や店舗などを有している事業者が対象となるため、オンラインのみで行うビジネスなどを検討している場合は対象外となります。

補助される金額や補助率は、会社の規模(従業員数)や利用する枠によって、幅があります。

会社設立時に利用しやすい枠は以下の3つで、必要な設備・システム投資の支援に役立てることができます。

会社設立時に利用しやすい「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の種類】

通常枠・新製品や新サービスの開発など
助成金額:100~750万円(従業員5人以下の場合)
助成率:1/2(小規模企業者・小規模事業者、再生事業者の場合は2/3)
デジタル枠・DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する新製品やサービス開発など
助成金額:100~750万円(従業員5人以下の場合)
助成率:2/3
グリーン枠・温室効果ガス削減に関する新製品やサービス開発など
助成金額:100~750万円(エントリー類型 従業員5人以下の場合)
助成率:2/3
出典:ものづくり補助事業公式ホームページ

自社の事業の内容が、「DX推進」や「温室効果ガス削減」に関係している場合は、上記のように「デジタル枠」や「グリーン枠」を利用することができます。

通常枠と比べると、この2つの枠のほうが「助成金額や助成率が引き上げられる」というメリットがあるため、該当している場合は優先的に選択すると良いでしょう。

どの枠にも共通した注意点は「申請時には会社の設立が済んでいる必要がある」という点です。会社の設立や補助金の申請については、しっかりとスケジュールを管理して行っていきましょう。

申請に関する詳しい情報は、以下の公式ページをご覧ください。

ものづくり補助金

1-8. 【会社設立後】キャリアアップ助成金

出典:「厚生労働省」キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、パートタイマーや契約社員などの、非正規雇用の労働者の正社員化や処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成されるものです。

会社設立前や設立直後というよりは、パートタイマーや契約社員、派遣社員などが増え、一定期間雇用した後などのタイミングで活用する助成金となります。

中小企業が利用する場合の概要は、上の画像の通りです。

申請に関する詳しい情報は、以下の公式ページをご覧ください。

→ 「厚生労働省」キャリアアップ助成金

1-9. 【会社設立後】地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

出典:厚生労働省「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」

「地域雇用開発助成金」は、過疎地などの雇用機会が特に不足している地域で開業し、事業所を設置したり、人を雇い入れたりしたときに支給される助成金です。

創業のタイミングで利用する場合は、「雇用人数の条件がゆるくなる」「受け取れる金額が1.5〜2倍程度に増える」というメリットがあります。

上記のように、最初に事務所設置のために最低でも300万円以上の費用をかけなければならないため、「会社設立初期には予算がない」という場合には向いていません。

「たまたま上記の条件に当てはまるような事業を行おうとしている」という人は、活用してみると良いでしょう。

申請に関する詳しい情報は、以下の公式ページをご覧ください。

厚生労働省「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

           チャンスを逃さないためには専門家に相談するのが近道!
会社設立時や、設立後に利用できる助成金や補助金を紹介してきましたが、ここで紹介したもの以外にも、世の中には非常に多くの種類の制度が存在しています。  

さらに、事業内容や会社の所在地等によって、対象になるかどうかは異なります。  

また、多くの場合は複数の助成金を同時に受けることはできないため、最初に「自分の場合はどの制度を利用するのが最も良いのか」を見極めることが非常に重要となります。  

「自分は助成金にあまり詳しくない」という場合は、最初に専門家に相談するのが近道だといえるでしょう。

2. 【5STEPで解説】会社設立の助成金・補助金の申請方法

会社設立時や直後に使える助成金や補助金について詳しく説明してきましたので、イメージが沸いてきたのではないでしょうか。

次に気になるのは、「申請する場合どんな流れになるのか」という点だと思います。

実際の申請方法は、それぞれの制度によって細かい部分は異なりますが、おおまかな流れは共通しています。

そこでこの章では、実際に申請してから助成金や補助金を受け取るまでのステップとして、以下の内容を解説します。

早速見ていきましょう。

2-1. STEP1:対象の制度の要件を確認する

どの助成金・補助金を利用する場合でも、まずはその制度の詳細を確認する必要があります。

例えば、東京都の創業助成金に申請しようと考えている場合は、TOKYO創業ステーション「創業助成事業」 のページにアクセスし、「概要」の項目を読みます。

TOKYO創業ステーションのHPでは、以下のように、自分が申請要件に該当するかどうかを簡単にチェックできるチャートや説明ページがありますので、こちらを活用すると良いでしょう。

【自分が申請要件に該当するかどうかを簡単にチェックできるチャート

引用:TOKYO創業ステーション「申請要件1 確認チャート」 

【要件の1つである「創業支援事業」の詳細を確認できるページ】

引用:TOKYO創業ステーション「申請要件2 一覧」

このようにして「まずは自分が申請要件に当てはまっているかどうか」を確認します。

「現時点では当てはまっていない」というときでも、場合によってはこれから条件を満たせることもあるため、「自分がクリアできそうな要件かどうか」を確認しましょう。

2-2. STEP2:申請に必要な条件を満たす

STEP1で要件を確認した結果、既に申請に必要な条件を満たしている場合は、そのまま申請に進みましょう。

ただし、これから何かの条件を満たさなければならない場合は、そのために必要な行動を整理して達成しなければなりません。

例えば、STEP1で例として挙げた東京都の創業助成金では、指定されている19の「創業支援事業」のうち、どれか一つを利用しなければならないという条件があります。

その中で「① 事業計画作成」を選ぶと、TOKYO創業ステーションで専門家によるコンサルティングを受けて、以下のような事業計画書を完成させることが必要となります。

【事業計画書の記入例】

引用:TOKYO創業ステーション「事業計画書 事業別サンプル」

こうした支援を受けるのには「3~6ヵ月ほどかかる」こともあるため、会社設立をしたい日が決まっている場合は、逆算して計画的に準備を進める必要があるでしょう。

2-3. STEP3:申請作業を行う

申請に必要な条件が整ったら、いよいよ申請作業に進みます。

ここでは以下のような流れで申請を行います。

会社設立の助成金・補助金に関する申請の流れの例
・申請書をダウンロードする
・必要事項を記入する
・郵送、もしくは電子申請などで必要書類を提出する

その後、先方で書類が受理され、必要に応じて審査や面接などの段階に進みます。

2-4. STEP4:必要な条件を満たす

申請書を提出し、その書類チェックさえ済めば入金してもらえるという助成金もありますが、多くの場合は審査や、実際に支出した費用の証拠書類等の提出などが必要となります。

例えば東京都の創業助成金の場合、以下の図のように、4~5月に書類を提出した後に、

・書類審査
・面接審査
・総合審査

などがあり、それらを経て9月に採択が決定されます。

引用:TOKYO創業ステーション 創業助成事業サービス紹介

その後、3月に実績報告書などを作成して提出し、それが正しく受理されることで、やっとお金の受け取りに必要な条件が満たされることになります。

このとき、助成金の対象となる費用の領収書などはきちんと管理し、正しい経費であることの証拠として提出する必要があるため、うっかり紛失してしまわないよう注意しましょう。

2-5. STEP5:お金を受け取る

必要な書類を提出してそれが受理されると、指定した口座に予定の金額が振り込まれます。

これで、助成金や補助金の申請からお金の受け取りまでが完了します。

ただし、助成金の種類によっては、この後も事業の状態を定期的に報告しなければならないケースがあります。

例えば、「1-1. 【会社設立前】創業者向け助成金・補助金(都道府県別)」 で紹介した「岩手県地方創生起業支援金」 の場合、「対象の事業が完了した後5年間、事業化の実施状況の報告が必要」ということになっています。

期間中も岩手県に居住して事業を継続的に実施し、報告していかなければなりません。「お金を受け取ったら終わり」ではないこともあるため、事前にその点も確認しておきましょう。


3. 会社設立の助成金・補助金にまつわる注意点6つ

具体的な申請方法についてはご理解いただけたと思いますが、「それでは早速申請しよう!」と早まってはいけません。

なぜかというと、注意すべき点を知らないまま先に進んでしまうと「思っていたのと違った…」と後悔してしまうケースがあるためです。

そこでこの章では、「会社設立の助成金・補助金にまつわる注意点」として以下の内容をお伝えします。

申請する際の注意点を、しっかり把握しておきましょう。

3-1. 申請から入金までに時間がかかる

最初に知っておくべき注意点は、「申請から入金までに時間がかかる」ということです。

基本的には、申請してすぐに振り込まれるような助成金や補助金はありません。お金を受け取れるのが1年以上先になってしまうケースも多いです。

以下のように、まずは自己資金で法人登記や事業の実施を行い、その内容を申請することでお金を受け取れる、という流れが基本となります。

申請から入金までのタイミングの具体例
さっぽろ新規創業促進補助金
法人登記完了後に申請すると、半月~1.5ヵ月後に、その手続きにかかった費用に相当する金額(8~17.5万円)を受け取れる
 
東京都創業助成金
  短くても6ヵ月は助成金の対象となる事業(店舗を構えて営業を行うなど)を行う必要があり、その後実際にかかった費用の2/3以内の金額を受け取れる

最初にある程度の自己資金を準備し、助成金や補助金はあくまでもそれを後から補填するのに使う、という考えを持っておくのがおすすめです。

3-2. 倍率が高く審査に落ちることがある

助成金や補助金の種類によっては、審査に通らずお金を受け取れないことがあります。

中でも、「金額の上限が高い」「様々な用途に使用できる」などのメリットが大きい制度の場合、ライバルが多いため倍率が上がり、審査に落ちてしまうこともあります。

過去の倍率の事例は以下の通りです。

【過去の採択倍率の例】

助成金・補助金の名称採択倍率
東京都創業助成金(令和4年度)約7.5倍 (申請数 1,210件 → 採択数 162件)
ものづくり補助金(13次 一般型)約1.7倍 (申請数 3,261件 → 採択数 1,903件)
小規模事業者持続化補助金(第11回)約1.7倍 (申請数 11,030件 → 採択数 6,498件)

申請をしても受け取れない場合もありますので、問題がないように資金繰りを計画しておきましょう。

3-3. 書類準備に手間がかかる

「書類準備に手間がかかる」というのも注意すべきポイントのうちの一つです。

会社設立時は、法人登記などの手続きだけに注力していれば良いのではなく、他にも事業を推進するためにやるべきことがたくさんあると思います。

それなのに、様々な申請書類を記入したり、求められる証明書類を揃えたり、事業計画書を作成したりするのは非常に大変です。

特に、事業計画書の作成はとてもエネルギーが必要となる作業です。 例えばTOKYO創業ステーションのWebサイトには、以下のような十数ページにも及ぶ事業計画書の作成例が掲載されており、「これを自分で作成しなければならないのか」と思うと、尻込みしてしまう人もいると思います。

【事業計画書のサンプル(一部抜粋)】

引用:TOKYO創業ステーション「事業計画書 事業別サンプル」

だからといって適当に作ってしまうと、事業計画が優れていないという理由で審査に落ちる可能性が高くなってしまうでしょう。

特に金額の大きい補助金では事業計画書の質が重視されることが多いため、完成度を高める必要があります。そのため、以下のように専門家に準備を手伝ってもらうようにすると良いでしょう。

専門家に手伝ってもらえる項目の例
・申請書記入時の不明点の確認:社労士などの専門家に依頼する
・事業計画の検討や計画書の作成:地域の創業支援センターでコンサルタントに相談する

3-4. 複数の助成金・補助金を併用できない場合がある

助成金や補助金の中には、「他の制度で助成・補助を受けている場合は併用できない」という決まりになっているものもあります。

特に、税金を財源とした助成金や補助金は併用できないことがほとんどです。制度の種類によって細かい条件は以下のように異なりますので、事前に確認しておきましょう。

併用できない条件の例
東京都創業助成金
  創業関係の助成金・補助金の交付を受けている場合は申請できない。創業関係以外の助成金・補助金であれば、経費が重複しなければ併用可能。  
ちば創業応援助成金
  他の補助金・助成金で、同一内容の事業内容で交付決定を受けている場合は申請できない。
北海道中小企業応援ファンド
同一年度において、同一の事業に国や北海道の助成金が交付される場合は申請できない。

自分の場合どの制度を優先的に利用すべきなのか?という点についてはきちんと把握しておく必要があります。

ただし、助成金(補助金)の「申請」自体は、一つだけでなく複数同時に実施することができます。とりあえずいくつか申請しておいて、審査に通ったものの中から後で選ぶということも可能です。

しかし、申請自体にも多大な手間と時間がかかるため、申請前にきちんと絞り込んでから申し込む方が良いでしょう。

3-5. 助成金や補助金だけでは必要な費用はまかなえない

助成金や補助金だけでは、必要な費用の全てをまかなうのは難しいという側面もあります。

さっぽろ新規創業促進補助金 のように、会社設立にかかる実費のほとんどを補填してもらえるという嬉しい補助金も存在しますが、大抵は「実際にかかった経費の1/2や2/3を支給する」という場合がほとんどです。

そのため、「助成金や補助金だけで会社の設立や、その後の事業運営にかかる費用をまかなおう」とは考えないほうが良いでしょう。 あくまでも自己資金で事業を実施し、その後に助成金や補助金を受け取るというのが基本となるのです。

自己資金がどうしても足りない場合
自己資金がどうしても足りない場合は、新たに事業を始める人を対象とした融資制度を利用するのも良いでしょう。  

例えば日本政策金融公庫の「新創業融資制度」 では、無担保・無保証人で3,000万円の融資を受けることができます。

3-6. 対象の事業期間に気をつける

6つ目の注意点は「対象の事業期間に気をつける」という点です。

助成金や補助金は、対象の「事業期間」が定められ、「その期間に発生した経費のみが助成や補助の対象になる」という仕組みになっていることがほとんどです。

例えば、対象期間が「9/1~1/31」の6ヵ月間と定められている場合は、8月や2月に支払ったものは対象の経費として認められないため、注意しましょう。


4. 会社設立の際は助成金だけでなくお得な制度も活用しよう!

助成金や補助金の申請やその注意点については詳しくご理解いただけたのではないでしょうか。

しかし会社設立時に知っておくべきことは、助成金や補助金の情報だけでなく、他にもあります。

例えば、会社の内容を国に申請する際に資本金の額を決めますが、これを1,000万円未満にしておくと、消費税の納税義務を免除してもらうことができます。

通常、法人の消費税は「2期前の課税売上高」が1,000万円を超える場合に課せられるというルールになっています。

ただし、設立したばかりの会社の場合は「2期前の売上」が存在しません。そのため、処理上、資本金の額によって消費税を納税するかどうかが決まる仕組みになっているのです。

資本金額別・消費税の納税義務の違い
・資本金1,000万円未満の場合:消費税の納税義務が2年間免除される
・資本金1,000万円以上の場合:設立1期から消費税の納税義務が課される

会社設立時には、特別な理由がなければ資本金は1,000万円未満にしておくと、消費税負担を抑えることができるというメリットが受けられるのです。

また、上記以外にも以下のような仕組みを利用すると、節税の効果を得ることができます。

                節税に役立つ仕組みの例
・役員や従業員に会社の経費として社宅貸付を行える
→家賃が給与として課税されなくなる

・保険を経費として扱える
→保険商品によっては、全額もしくは半額程度を経費として計上できる  

・事業で赤字が発生した場合に翌年以降に繰り越せる
→次期が黒字になっても前期の赤字分を繰り越すことで課税金額が減る

会社設立の際は助成金以外にも、お得な制度を活用してくださいね。

          会社設立時から伴走してくれるパートナーを見つけよう
上記のような節税の仕組みはたくさんあるため、自分で判断することは難しいでしょう。  

会社設立当初から利用できる節税対策があるのに、よくわからなかったからという理由でとり入れずに進めてしまうのはもったいないことです。  

そのため、会社設立時から、最適な節税方法をアドバイスし、伴走してくれるパートナーを見つけることも大切です。実際に当法人が実施した調査によると、事業主の約半数は税理士と契約しており、適宜アドバイスを受け取って事業を有利に進めています。     

支払う税金を抑えることで事業拡大に活用できるお金を増やすため、自社にぴったりの税理士を見つけるようにしましょう。


5. 会社設立時に安心して相談できる専門家の選び方3つ

会社設立の際に利用できる助成金・補助金や、設立時に知っておくべき制度などについて紹介してきました。

これらに共通していえるのは、国の制度や税金などの仕組みについて専門知識がないという場合は、最初から専門家に相談することが近道であるということです。

そこでこの章では、会社設立時に安心して相談できる専門家の選び方として、以下の3つのポイントをお伝えします。

正しい選び方を知っておくことで、失敗せずに会社設立やその後の事業運営を進めていくことができます。

5-1. 設立時から設立後まで資金繰りを支援してくれる

一つ目のポイントは、「設立時から設立後まで資金繰りを支援してくれる」という点です。

会社を設立して運営していくときには、多額のお金が必要です。

しかし、それと同時に納めなければならない税金の負担も大きくなるため、正しく経営を進めなければ資金繰りが悪化してしまうことも考えられます。

そんなリスクを減らすためには、自分の会社が使える助成金やお得な制度を教えてくれたり、適切な節税方法をアドバイスしてくれたりするパートナーを選ぶことが非常に重要なのです。

5-2. 助成金・補助金の申請を手伝ってくれる

次のポイントは、「助成金・補助金の申請を手伝ってくれる」という点です。

例年、非常にたくさんの助成金や補助金が登場するため、会社の財務状況を安定させて事業拡大に集中するためには、設立時だけでなく設立後も引き続き利用を検討していくべきです。

しかし、募集開始の情報をキャッチしたり、必要書類や事業計画書を作成するといった手間がかかるため、「お金は欲しいけれど、大変だから申請できない…」と悩む経営者も多いです。

そのため、申請にまつわる全てのフェーズにおいて、親身になって手伝ってくれる専門家を見つけるようにしましょう。

5-3. レスポンスが早い

「レスポンスが早いかどうか」という点も、専門家を探す際の重要な判断ポイントとなります。

会社設立期やその後に関わることが多い専門家には、社労士や税理士などがいますが、その対応スキルにはどうしても個人差があります。

人によっては、ITツールをうまく使いこなせないがために「メールの返事が遅い」「電話で説明されるだけだから理解しにくい」などというケースが発生することもあるかもしれません。

そのため、チャットツールやメールで常にやり取りをすることができたり、電話では伝わりにくいような内容の場合はビデオ通話で迅速に対応してくれたりするような、質が高く迅速なレスポンスの専門家を選ぶようにすると良いでしょう。


6. 有利に事業拡大を進めたい人には「辻・本郷 税理士法人」のサポートがおすすめ

会社設立に伴って、「適切な助成金を得ることで資金繰りの心配を減らしたい」「自分の苦手な部分は外部の専門家に依頼することで、本業に集中したい」と考えている人におすすめなのが、我々「辻・本郷 税理士法人」です。

当法人は職員数・拠点数ともに日本一(※)で、多くのお客様をサポートさせていただいています。(※ 東洋経済ONLINE初公開!職員と拠点で見る税理士法人ランキング

辻・本郷 税理士法人があなたのお役に立てる理由は、下記の3つです。

会社の設立を検討している人の中には、「設立代行を頼むとお金がかかるから独力で手続きしよう」と考える人もいると思います。

しかし、設立手続きを進めていくと「設立月を月初にする場合と月末にする場合で違いはあるのか」「資本金はいくらにすべきなのか」など、自分一人で考えていても判断の付きにくい疑問が次々に出てくるものです。

そんなときに自分一人の判断で進めてしまうと、将来「やっぱり設立のときにああしておけばよかった…」「あのとき間違えたせいで余分な税金の負担が増えてしまった…」というように、思わぬ後悔を招いてしまうかもしれません。

独力で手続きを進めて大変な思いをするよりも我々にお任せいただき、あなたの会社設立の成功をぜひともサポートさせてください。

6-1. 助成金、補助金申請までサポート

辻・本郷 税理士法人では、会社設立の代行経験が過去に2万件もあり、助成金や補助金の申請についても多数サポートしてきた実績があります。

そのため、設立手続き時に注意すべきポイントを熟知しているのはもちろんのこと、利用することで、資金面で有利になる施策を適切にお伝えすることができます。

こんな風に聞くと、「税理士なのに助成金や補助金までサポートしてくれるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。

しかし我々は「後悔のない会社設立をしていただきたい」という強い想いから、税理士が従来行っていた会計や税金面の処理だけにとどまらず、助成金や補助金に関するサポートまで行っています。また、有料ですが、事業計画書の作成もお手伝いしております。不安なことが少しでもあれば、お気軽にご相談ください。

6-2. 徹底した節税対策のアドバイス

2つ目のポイントは、徹底した節税対策のアドバイスができるという点です。

辻・本郷 税理士法人の顧問先数は1.7万件以上で、日本一の顧問税理士件数を誇っています。とくに以下の業界においては、今までの経験を活かし、あなたの事業で節税対策を実現できるようサポートします。

例えば、民泊事業を行う場合、開始時に不動産を購入することで、購入費用を減価償却費として計上する

ことができます。事業が黒字でも税務上を赤字にする「損益通算」を使った節税効果が得られるのです。 あなたの業界で使える節税対策を徹底的にサポートすることで、大事な資産を守ります。

6-3. 面倒な帳簿記帳のサポートや代行の実施

最後のおすすめポイントは、「面倒な帳簿記帳のサポートや代行まで行える」という点です。

経営者のほとんどは、事業運営には強みがあるものの、経理や税金の部分にはあまり詳しくないというケースが多いと思います。 実際に、経営者を対象に「税理士がいなくて困ったこと」というテーマでアンケートを行ったところ、以下のような回答がありました。

               税理士がいなくて困ったことの例
・税金の計算に苦労する
・仕訳や節税方法がわからない
・簿記の知識がないため経理関係がわからない
・貸借対照表や損益計算書の作成ができない

経営者といえども、自分の専門外の分野については詳しくないはずです。

そのため、経理処理のやり方や賢い節税方法、国へ提出する書類の効率的な作成方法などがわからず、困ってしまうのは当然のことだといえるでしょう。

そんな人は、辻・本郷 税理士法人にぜひご相談ください。我々は、お客様が本業に集中して理想的な事業拡大を推進できるよう、帳簿記帳などの面倒な作業をすべて引き受けます。

まずは相談だけでも構いませんので、ぜひ以下のページよりお問い合わせください。 「会社設立」という人生の中でも非常に大切な局面で、お客様が万全の状態で勝負をかけることができるよう、全力でご支援させていただきます。

本気で節税を目指す会社設立なら
辻・本郷 税理士法人にご相談

7. 会社設立の助成金・補助金に関する3つのQ&A

会社設立の際に使用できる助成金・補助金の具体例から、申請の方法、注意点などについて一通り解説してきました。

しかし「これってどうなのかな?」という疑問がまだ残っている、という人もいるかもしれません。

そこでこの章では、会社設立の助成金・補助金に関するQ&Aとして、よくある質問に回答していきます。

不安な点やわからない点は全て払拭し、会社設立に取り組んでいきましょう。

7-1. 【Q1】助成金や補助金を資本金として会社を設立してもいいですか?

A. 助成金や補助金の種類によっては利用できる可能性もありますが、現実的にはタイミングが合わないケースが多いです。

ここまでお伝えしてきたように、助成金や補助金は基本的には後払いであることがほとんどです。

例えば、会社設立にかかる登録免許税や定款認証手数料などに相当する金額を補助してくれる「さっぽろ新規創業促進補助金」の場合でも、補助金を受け取れるのは「法人登記」を行った後となります。(出典:札幌市「さっぽろ新規創業促進補助金」 )

ですが、法人登記の手続きを行うときには、既に発起人個人の銀行口座などに資本金を振り込んでおかなければなりません。法人登記後に受け取るお金を会社設立時の資本金にあてるというのは、現実的には難しいと考えられます。

ただ、今後、そういった使い方ができる助成金や補助金の募集が開始されることもあるかもしれません。法人登記前にお金を受け取れるような制度が見つかったときは、設立時の資本金を対象とできるかどうか確認してみると良いでしょう。

7-2. 【Q2】創業者向けの助成金・補助金は会社設立直後に申請しないとだめですか?

A. 助成金や補助金の種類によりますが、設立後1年以上経過していても申請できるケースもあります。

創業者向けの助成金・補助金は、会社設立直後でなくても申請できることが多いです。

もちろん種類によってルールは様々ですので、詳しくは自分が申請しようとしている制度を確認する必要があります。具体的にイメージできるよう、いくつかの例を以下の表にまとめました。

【会社設立から助成金・補助金申請できるまでの期限の違いの例】

助成金・補助金の名称申請期限の条件
さっぽろ新規創業促進補助金会社の設立の日から起算して90日以内であること
いわて希望応援ファンド助成金交付後6か月以内に創業する、もしくは創業・起業後1年以内であること
東京都創業助成金法人登記後5年未満であること

ぜひ、参考にしてみて下さい。

7-3. 【Q3】1人で会社を設立するのですが、その場合でも助成金・補助金を利用できますか?

A. 助成金や補助金の種類によりますが、1人の会社でも申請できるものはあります。

例えば、「キャリアアップ助成金」や「地域雇用開発助成金」などのように、「正社員の数を増やすこと」や「新しい人を雇用すること」などが条件となっているような助成金の場合は、対象外となるため、利用することができません。

しかし、そうした条件のない制度であれば、1人の会社であっても問題なく申請することができます。

特に、東京都の創業助成金などのようにそもそも個人事業主も対象としているような助成金・補助金の場合は、1人の会社であることを理由に評価が下がることはないと考えて良いでしょう。


8. まとめ

この記事では、会社を設立する人におすすめの助成金・補助金について紹介してきました。

まず、会社設立時に使える助成金・補助金は以下のような種類がありました。

             会社設立時に使える助成金・補助金一覧
・創業者向け助成金・補助金(都道府県別)
・地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)
・NEDO スタートアップ企業支援
・事業承継・引継ぎ補助金(経営革新) ・小規模事業者持続化補助金 ・IT導入補助金
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
・キャリアアップ助成金
・地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

そして具体的な申請方法については、以下の5つのSTEPに分けて解説しました。

             会社設立の助成金・補助金の申請方法
・STEP1:対象の制度の要件を確認する
・STEP2:申請に必要な条件を満たす
・STEP3:申請作業を行う
・STEP4:必要な条件を満たす
・STEP5:お金を受け取る

さらに「会社設立の助成金・補助金にまつわる注意点」として以下の内容もお伝えしました。

             会社設立の助成金・補助金にまつわる注意点
・申請から入金までに時間がかかる
・倍率が高く審査に落ちることがある
・書類準備に手間がかかる
・複数の助成金・補助金を併用できない場合がある
・助成金や補助金だけでは必要な費用はまかなえない
・対象の事業期間に気をつける

そして最後には、有利に事業拡大を進めたい人は「辻・本郷 税理士法人」のサポートを受けるのがおすすめであるということもお伝えしました。

最後までお読みいただいたことで、自分が助成金や補助金をどのように活用すべきなのか、さらに会社の事業を拡大させるために何をするべきなのか、知ることができたのではないでしょうか。

この記事があなたの会社設立のお役に立てたようでしたら幸いです。

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