相続税申告時に添付する戸籍謄本に有効期限はある?

相続税申告にあたって戸籍謄本そのものに有効期限はありません。
戸籍謄本には「期限がある」「期限がない」と、いろいろな意見が飛び交うことがありますが、原則としては有効期限は存在しません。
ただし、提出先によって「○ヶ月以内に取得した戸籍謄本を提出すること」と定められているケースも存在します。
そこで今回は、戸籍謄本の有効期限にまつわる基礎知識をまとめました。
・結局いつ戸籍謄本を取得すれば良いのか?
・期限が定められている例外的なケースは何か?
など解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。


1. 戸籍謄本自体に有効期限はない!

まず市区町村が発行する戸籍謄本自体には有効期限はありません!
発行年月日の記載はありますが、特定の日付までしか使用できないといったものではありません。
有効期限はありませんが、提出先によって求められる期限が設定されている場合があります。

■参考 江戸川区役所 各種証明書に有効期限はありますか?


2. 相続税申告書に添付する戸籍謄本には取得開始日の制限がある

相続税申告書に添付する戸籍謄本には取得開始日の制限があります!
​相続税申告書に添付する戸籍謄本は「相続の開始の日から十日を経過した日以後に作成された戸籍の謄本で被相続人の全ての相続人を明らかにするもの」とされています。
そのため、戸籍謄本は被相続人(亡くなった方)がなくなった日から10日を経過した日以降に取得をする必要があります。
また、国税通則法により「初日不算入の原則(初日はカウントしない)」が適用されますので、以下のようになります。​

「死亡届を提出しに市区町村の役場にきたから、今後のために被相続人の戸籍も取得しておこう」と戸籍を取得しては相続税申告書の添付書類としては使用できませんのでお気を付けください!

■参考 相続税法施行規則 第16条第3項一号イ
■参考 国税通則法 第10条第1項一号


3. 相続税申告にまつわる戸籍謄本に発行期限が求められる例外的なケース

相続税申告書に添付する戸籍謄本は「相続の開始の日から十日を経過した日以後に作成された戸籍の謄本で被相続人の全ての相続人を明らかにするもの」とお伝えしましたが、相続税申告準備等で必要になってくる銀行や証券会社の手続きで戸籍謄本の期限が求められるケースがあります。
「期限が切れている!?もう一度役所に??」と何度も何度も足を運ぶことにならないように戸籍謄本の期限について以下ケースをご紹介します(2023年7月18日現在)

3.1 銀行口座を持っている場合

口座名義人が亡くなられた場合、銀行にて相続の手続を行う必要があります。  
銀行によっては戸籍謄本発行日の3か月、6か月または1年以内の戸籍謄本の期限を設けています。
そのため、戸籍謄本発行日から3か月以内の戸籍謄本を用意しておけば問題なく手続きが進むでしょう。
ご参考として以下に銀行別の相続手続きに使用する戸籍謄本の期限についてまとめております。

銀 行 名相続手続きに使用する戸籍謄本の期限
みずほ銀行HPに期限の記載なし
三菱UFJ銀行HPに期限の記載なし
三井住友銀行発行より1年以内
りそな銀行HPに期限の記載なし
ゆうちょ銀行HPに期限の記載なし
楽天銀行発行より6か月以内
住信SBIネット銀行発行より6か月以内
七十七銀行発行より6か月以内
群馬銀行発行より3か月以内
武蔵野銀行発行より1年以内

3.2 証券口座を持っている場合

口座名義人が亡くなられた場合、証券会社においても相続の手続を行う必要があります。  
銀行同様に証券会社によって戸籍謄本発行日3か月、6か月または1年以内の戸籍謄本の期限を設けている証券会社がありますので、こちらも銀行の手続きと同じく3か月以内の戸籍謄本を用意しておきましょう。
ご参考として以下に証券会社別の相続手続きに使用する戸籍謄本の期限についてまとめております。

証 券 会 社 名相続手続きに使用する戸籍謄本の期限
みずほ証券HPに期限の記載なし
三菱UFJモルガン・スタンレー証券HPに期限の記載なし
SMBC日興証券株式会社HPに期限の記載なし
楽天証券HPに期限の記載なし
SBI証券発行より6か月以内
大和証券HPに期限の記載なし
松井証券発行より6か月以内
マネックス証券発行より6か月以内

さいごに

戸籍謄本そのものに有効期限はありませんが、金融機関等での手続き上の期限が設定されている場合があることがわかりましたね。
何度も市区町村役場に足を運ばずにスマートに手続きが進むように銀行と証券会社へ行くスケジュールを調整しスマートな戸籍の取得をするために、戸籍謄本の取得は被相続人(亡くなった方)がなくなった日から10日を経過した日以降に取得し、銀行と証券会社の手続きをする3ヶ月以内の戸籍謄本を取得をしておくと安全です。3か月以内は目安となっており、すべての銀行と証券会社について言及しているわけではないので、念のため手続き前に一度銀行と証券会社にお電話することをおすすめします。

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