なぜ相続税申告の税理士への依頼はコスパが高い選択と言えるのか?

「相続税申告を自分でするか、税理士に依頼するか。」迷われている方!

相続税専門税理士として、数多くの相続税申告に立ち会った経験をもとにお伝えします。

相続税申告は税理士に依頼することを強くおすすめします。

なぜなら、税理士に依頼せずに相続人がご自身がおこなう場合と、税理士に依頼した場合で、相続人が背負うリスクが全然違うからです。

税理士報酬を支払うことになりますが、これだけのリスクを軽減できるので、私は相続税申告を税理士に依頼することは、相続人にとって「コスパのよい選択」であると考えています。

この記事では「税理士に依頼することが、なぜコスパのよい選択と言えるのか」を「税金」「時間」「ストレス」の3つの観点から詳しく説明しています。

また、この記事を読んでいただき、「よし!相続税申告を税理士に依頼しよう!」と思った方が、すぐに税理士を探せるように、相続税申告に強い税理士を選ぶポイントも紹介しています。

さらに!税理士に依頼するとやってもらえることや、よくあるQ&Aなど、相続税申告を税理士に依頼するか検討している方が知りたい情報を網羅的に記載しました。

本記事をお読みになった皆さんが、良い税理士に出会い、無事に相続税申告を終えることを、心から祈っております。

【この記事を読むとわかること】

・税理士に依頼することが、なぜコスパのよい選択と言えるのか
・相続税に強い税理士を選ぶポイント
・相続税申告を税理士に依頼するとやってもらえる3つのこと
・相続税申告における税理士報酬の相場
・よくあるQ&A(依頼検討編)(財産評価編)(報酬編)

目次


1.相続税申告を税理士に依頼するとやってもらえる3つのこと

税理士は相続人(残された家族)が行うべき作業である「相続税申告書の作成」「相続財産の評価」を代行することができます。また、目の前の相続税申告を「こなす」だけでなく、将来のファミリーのライフプランを考慮したオーダーメイドの「税務コンサルティング」を行うことができます。

1章ではこの「相続税申告書の作成」「相続財産の評価」「税務コンサルティング」とは、どのような作業なのかを説明していきます。

また実際に、財務省が発表した統計によると、相続税申告を行った人のうちの86.1%の方が税理士に相続税申告を依頼していますなぜ、こんなにも多くの方が相続税申告を税理士に依頼しているかも、「相続税申告書の作成」「相続財産の評価」「税務コンサルティング」がどのような作業か分かれば、自ずと分かってくると思います。

(財務省が発表「令和3事務年度国税庁実績評価書」

1-1.相続税申告書の作成

税理士は「相続税申告書の作成」を代行することができます。

相続税申告書とは、相続税の申告をする必要がある場合に、相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人が亡くなった日)の翌日から10か月目の日までに、被相続人の住所地を所轄する税務署に提出する書類です。

 ※フォーマットはこちら

相続税申告書は第1表から第15表まであります。提出する人全員が記入する必要のある帳票もあれば、控除・特例を利用する場合に記入する帳票もあります。(書き方の詳細はこちら

「書類を書くだけでしょ。」と思われるかもしれませんが、その量は膨大です。
税理士法人で長年相続税申告書を作成しているスタッフであっても、1つの相続税申告書を作成するのに約1日かかります。また、土地を多数所有していたり、大量の株式や投資信託を所有している場合は1日では終わらず1週間前後かかるケースも多々あります。

相続税の申告書 第1表(令和5年分要)を元に作成

また、上記の帳票を見ていただければわかりますが、専門用語だらけです。初めて相続税申告書を作成する人がさらさらと書き進めることができるものではありません。帳票に記された言葉の意味を確認し、記載例と見比べながら作成することになります。

気が遠くなる作業ですよね。約9割の方が相続税申告書の作成を税理士に依頼している理由をお分かりいただけたのではないでしょうか。

1-2.相続財産の評価

税理士は「相続財産の評価」を代行することができます。

相続財産の評価は国税庁が定める「財産評価基本通達」に基づき行います。
財産評価基本通達とは不動産の評価基準や株式の評価基準など、相続財産の評価基準について示したものです。

「やり方が書いてあるんだから、その通りに計算すればいいだけでしょ。」と思われるかもしれませんが、そんな簡単にはできないのが相続財産の評価なのです。

例えば、こちらの資料をご覧ください。

国税庁HP タックスアンサー(よくある税の質問)No.4602土地家屋の評価 より引用

こちらは土地家屋の評価方法に関する記述です。みなさんは、こちらの文章を読んですぐに評価方法を理解することができますか。そして、ご自身が引き継いだ土地家屋に当てはめて考えることができますか。

おそらく「難しい…」と思った方が、ほとんどなのではないでしょうか。

私たち税理士法人のスタッフも、先輩からやり方を聞いて、財産基本通達を何度も読み込みながら、何年もかけて正確に評価できるようになります。
初めて財産評価の方法を見た相続人の方が、正確に土地の評価するのは、ほぼ不可能です。

約9割の方が相続財産の評価を税理士に依頼する理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。

1-3.オーダメイドの税務コンサルティング

税理士は、目前の相続税申告を「こなす」だけでなく、将来のファミリーのライフプランを考慮したオーダーメイドの税務コンサルティングを行うことができます。

相続税の税務コンサルティングというと、生前贈与や生命保険の活用など、生前の対策を思い浮かべる方が多いと思いますが、相続が発生した後でも出来る税務コンサルティングがあります。

例えば税理士が相続税申告を代行する場合は、お客様の意向に沿った遺産分割の方法を提案することができます。遺産分割の方法によって、相続税額は変わってきますし、相続税申告後の所得税額にも影響を与えることができます。

また、相続人が「配偶者と子ども」といったケースでは、近い将来再び相続が発生する可能性が高いです。税理士に依頼する場合は二次相続も考慮した遺産分割・相続税申告を行うこともできます。

このように税理士に依頼すると目前の相続税申告を「こなす」だけでなく、将来のファミリーのライフプランを考慮したオーダーメイドの税務コンサルティングを受けることができるのです。

1-4.【補足】一部、税理士では行えない業務がある

相続税申告における業務でも、紛争解決・不動産登記・名義変更など一部の業務は、税理士が行うことができません。それぞれ別の専門家に依頼する必要がありますので、補足として説明させていただきます。

専門家主な専門分野選ぶべきケース
弁護士法律と紛争解決相続人同士の争いがあるケース
司法書士登記と書類作成不動産の名義変更業務も依頼したいケース
行政書士書類作成相続人調査だけを依頼したいケース

相続税申告を日常的に行っている税理士の多くは、弁護士や司法書士、行政書士など他の士業と繋がっています。まずは、税理士に相談し、期限の決まっている相続税申告を行った後、それに付随する不動産登記や名義変更を行いましょう。

また、遺産分割について家族間で揉めてしまっている場合は、そのことが気がかりで相続税申告についての準備を後回しにしてしまうケースをよく見かけます。

しかし、遺産分割について家族間で揉めてしまっている場合であっても、期限内に「未分割」という形で相続税申告を提出した方が、税額的にメリットがあります。(詳細はこちらを参照)

「弁護士に相談している家族での揉め事が解決してから…」と相続税申告を後回しにせず、弁護士とは別に税理士にも相談するようにしましょう。


2.相続税申告を税理士に依頼する3つのメリット

冒頭にご説明させていただいた通り、相続税申告を税理士に依頼することは、相続人が背負うリスクを軽減することにつながるので、相続人にとって「コスパのよい選択」であると考えています。

2章では相続税申告を税理士に依頼するメリットを、「税金」「時間」「メンタル」の3つの観点から詳しく説明します。

2-1.【税金】適正な財産評価で、無駄な税金を限りなく「0」にできる

相続税申告を税理士に依頼すると、適正な「財産評価」と「控除・特例の適用」により、無駄な税金を限りなく「0」にすることができます。

あくまで一例ではありますが、以下のような土地の評価であれば、税理士が適切な「財産評価」「控除・特例の適用」を行うことにより、土地の評価額は5,016万円のマイナス、相続税額は400万円のマイナスになります。逆の言い方をすれば、相続人ご自身で相続税申告を行うと、納める必要のない400万円以上の相続税を納めることになる可能性もあるのです。

また、たとえ遺産総額の1%を税理士報酬で支払ったとしても、最終的に相続税申告にかかるトータルのお金は、税理士に依頼した方が安くなる可能性もあります。

いかがでしょう。相続税申告を税理士に任せることが、コスパの良い選択であるということをご理解いただけたでしょうか。

以下に「財産評価」と「控除・特例の適用」について、上記の例を活用しながら、詳しく解説しています。さらに詳しく根拠を知りたい方はご覧ください。

2-1-1.財産評価

相続税申告を税理士に依頼すると、適正な財産評価により、無駄な税金を限りなく「0」にすることができます。

相続税申告は全ての相続財産を評価し、その金額をベースに相続税額の計算を行います。
しかし、相続財産を評価する時に減額要素を見落とすと、財産評価額が高くなり、本来払うべき金額よりも高い相続税を納めることになります。

【減額要素の一例】(土地の場合)
・不整形地の場合
・500㎡以上の宅地の場合
・道路に接していない場合
・4m以下の道路に面している場合 など

特に土地などの不動産評価はとても複雑で専門的な知識が必要です。
税理士は土地の評価に精通しています。また、机上での評価だけでなく、現地調査を行った上で不動産鑑定士の意見を聞くなど足を使った作業も行うので、減額要素を見落とすことなく適応することができるので、無駄な税金を限りなく「0」にすることができるのです。

2-1の冒頭で説明させていただいた例を詳しくみてみましょう。以下のような不整形地(歪な形をした土地)を考えてみます。
不整形地は、真四角な整形地と比べると利用価値が低く需要も少ないため、相続税評価額が減額することができます。

以下の土地の場合、不整形地の減額を適用しなかった場合の評価額は6,000万円、不整形地の減額を適用した場合は4,920万円になります。よって約18%にあたる1,080万円が減額されました。

土地の評価額が1,080万円減額されると、相続税額も数十万単位で変わってきます。(相続税は累進課税のため、一概に〇円安くなるとは言えません。)

2-1-2.控除・特例の適用

相続税申告を税理士に依頼すると、適正な控除・特例により、無駄な税金を限りなく「0」にすることができます。

相続税には相続財産の状況に応じて、相続税が軽減できる控除や特例が数多く設けられています。しかしこれらの控除や特例は適用条件が複雑で、対象なのかどうかを自分で見極めるのは、ほぼ不可能です。

ですが税理士は知識の長年の実務経験に基づくノウハウにより、適切に控除・特例を適用することができます。その結果、無駄な税金を限りなく「0」にすることができるのです。

【主な相続税の特例】
  ・配偶者の税額の軽減(詳細はこちら
  ・小規模宅地等の特例(詳細はこちら

【主な相続税の特例】
  ・未成年者の税額控除(詳細はこちら
  ・障害者の税額控除(詳細はこちら
  ・贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)(詳細はこちら
  ・相次相続控除(詳細はこちら
  ・外国税額控除(詳細はこちら

2-1の冒頭で説明させていただいた例を詳しくみてみましょう。以下のように被相続人と相続人である妻と娘が同居していた家の建っている土地を考えてみます。このようなケースの場合、細かい要件はここでは省略させていただきますが、「小規模宅地の特例」を適用することができた場合、土地の評価を80%下げることができます。

小規模宅地の特例を適用しなかった場合の評価額は6,000万円、適用した場合の評価額は1,200万円まで下がります。さらに、土地の評価額が4,800万円減額されると、相続税額も300万円前後で変わってきます。(相続税額は累進課税のため、相続財産の総額によって税率が異なってくるため一概に〇円とは言えません。)

2-2.【時間】相続税申告に要する時間を大幅に軽減できる

相続税申告を税理士に依頼すると、相続税申告に要する時間を大幅に軽減することができます。※上記の図は一例です。相続税申告に要する時間は内容によって変わります。

相続税申告を相続人ご自身で行う場合、膨大な時間がかかります。
なぜなら、相続税申告と一口にいっても、実際には以下の作業を全て、一人で調べながら行わなければならないからです。

【相続税申告に要する作業】

・必要書類の収集
・遺産分割協議と協議書の作成
・相続財産の評価
・相続税申告書の作成
・相続税申告書を税務署に提出

一方で、相続税申告を税理士に依頼すると、書類収集の大部分も代行してもらうことができますし、財産の調査や評価も全て代行してもらうことができます。また、遺産分割についても、税理士が相続人のご意向を伺った上で遺産分割報告書を作成するので、時間の大幅な短縮につながります。

1つ例をみていきましょう。

・相続人 :配偶者・子ども2人
・家族仲 :円満
・相続財産:自宅である土地と建物
      メガバンク・地銀・信用金庫にそれぞれ預貯金
      証券会社に投資信託、国債
      終身保険
      自動車                 

というケースを考えてみます。

この場合、相続人ご自身で相続税申告を行うのに要する時間は約192時間です。

相続税申告に要する時間(相続人ご自身で行う場合)  ※時間数はあくまでも一例です。
必要書類の収集約30時間
・市役所・法務局での手続き各々1時間、移動時間各々往復2時間
・各金融機関につき手続き1時間、移動時間が各々往復2時間
・自宅に保管されている保険証券や領収書を収集
遺産分割協議と協議書の作成約50時間
・印鑑登録の時間も含む
相続財産の評価約10-50時間
・土地の評価 5-25時間
・投資信託の評価 2-10時間
・国債の評価 1-5時間
・その他 2-10時間
相続税申告書の作成約50時間
・調べながらの入力45時間
・見直し・印刷5時間
相続税申告書を税務署に提出約10時間
・税務署滞在時間
・往復移動時間
約192時間

では、税理士に依頼した場合はどうでしょう。

税理士に依頼した場合、相続人自身が相続税申告をするのに必要な時間は、約10時間に軽減することができるのです。その差は約19倍です。

相続税申告に要する時間(税理士に依頼した場合)  ※時間数はあくまでも一例です。
相続人しか収集できない
必要書類の収集
5時間
・市役所手続き1時間、移動時間往復1時間
・自宅に保管されている保険証券や領収書を収集5時間
遺産分割協議1時間
・シュミレーションを税理士が提案するため短縮
税理士との面談(約3回)3時間
約10時間

※上記の図は一例です。相続税申告に要する時間は内容によって変わります。

いかがでしょう。遺産総額の0.5%から1.5%の税理士報酬で、相続税申告に要する時間が1/19まで軽減できる場合もあります。税理士に依頼することは、コスパのいい選択というのをご理解いただけたことと思います。

2-3.【メンタル】ノンストレスで安心な相続税申告ができる

相続税申告を税理士に依頼すると、「初めての作業を自分一人で期限内に行うストレス」「税務調査のストレス」から解放され、ノンストレスで安心な相続税申告をすることができるでしょう。

2-3-1.初めての作業を自分一人で期限内に行うストレス

相続税申告を税理士に依頼すると、「初めての作業を自分一人で期限内に行うストレス」から解放され、ノンストレスで安心な相続税申告をすることができるでしょう。

相続税申告書は各種財産の評価方法・基礎控除額・法定相続人・法定分割割合など、相続税の基礎知識を理解していないと、申告書類を作成することはもちろん、相続税額を計算することもできません。

常生活において馴染みのない相続税の基礎知識を、自分一人で一から勉強して、決められた期限内に相続税申告書を作成することは精神的にもかなりのストレスがかかります。

税理士に依頼すれば、財産の評価・相続税申告書の作成を全て、資格を持った専門家が代行することで、ノンストレスで安心な相続税申告ができるでしょう。

2-3-2.税務調査のストレス

相続税申告を税理士に依頼することで、「税務調査のストレス」から解放され、ノンストレスで安心な相続税申告をすることができるでしょう。

相続税申告書の第1表の右下には税理士の署名欄がありますが、自分で相続税申告をした場合だとこの署名欄が空欄になり、漏れや誤りがある可能性が高いと判断され、税務調査が行われる確率が非常に高くなります。

自分自身が作成した申告書を「間違っている」と指摘され、自宅に税務署職員が来て何時間もヒアリングを受けるのは、かなりのストレスです。

税理士の署名があることで税務調査が行われる可能性をぐっと減らすことができます。
また、もし万が一、税務調査が入った場合であっても、税理士が責任をもって対応・立ち合いを行います。


3.税理士報酬の相場は遺産総額の0.5-1.5%

相続税申告を税理士に依頼した場合、その税理士報酬の相場は遺産総額の0.5~1.5%です。
また、多くの税理士事務所はHPや初回無料面談で料金を公開しています。

税理士報酬額の例(概算)※自社調べ
遺産総額5,000万円25-75万円程度
遺産総額1億円50-150万円程度

何十万という価格を見てしまうと、「高い!」と直感的に思い、「自分でやった方がよいのではないか…」と考えるのが当然だと思います。

しかし、2章でご紹介させていただいた通り、たとえ遺産総額の1%を税理士報酬で支払ったとしても、最終的に相続税申告にかかるお金は、税理士に依頼した方が安くなるケースがあります。税理士に相続税申告を依頼することは、実は「コスパの良い」選択と言えるでしょう。
※図の数値は2章の例の場合の数値であり、あくまで一例です。

3-1.税理士報酬が相場より高くなるケースもある

税理士報酬が相場である「遺産総額の0.5-1.5%」よりも高くなるケースがあります
具体的には以下のようなケースです。

  • 土地の形状が複雑で評価しにくかったり、相続した土地の数が多くてそれぞれの評価に手間がかかる場合
  • 申告期限まで時間がない場合
  • 遺産の中に非上場株式がある場合
  • 相続人が多い場合
  • 戸籍謄本などの必要書類の取得を代行してもらった場合
  • 現地調査が必要になった場合(報酬ではなく旅費交通費などの実費を追加)
  • 後日、税務調査が入ってその対応を依頼した場合

一般的には最初に提示されている報酬額はあくまで見積額です。実際の報酬は、相続税の申告が終わってから確定することになります。

「報酬に納得がいかない」と揉めることがないよう、随時報酬額を確認しながら進めるようにしましょう。

3-2.ケーススタディ

それでは一つ例を出して、税理士報酬の金額をご紹介いたします。

遺産総額は7,000万円なので、基本報酬は1%である70万円です。しかし、不動産として自宅以外に貸家を持っていたり、税理士に依頼した日が申告期限の3ヶ月前であるため加算報酬も必要となります。

このケーススタディで使用した基本報酬の%や加算報酬の額はあくまでの一例です。税理士報酬の考え方をご理解いただければと思います。


4.相続税に強い税理士を選ぶポイント5選

次に相続税に強い税理士を選ぶポイントを5つ、長年年相続専門の税理士として相続税申告業務に従事してきた私がご紹介いたします。

このポイントは私の属している辻・本郷税理士法人を宣伝するのではなく、一人の税理士としてフラットに書いておりますので、ぜひご活用いただければと思います。

4-1.相続専門の税理士である

相続専門の税理士を選んでください。

税理士選びは医者選びとよく似ています。
みなさんは目に違和感を覚えた時、何科を受診しますか。目を扱う専門家である眼科ですよね。
耳鼻科など専門外の医師に大切な自分の身体を診てもらったりはしませんよね。

実は税理士にも医者と同じように「専門分野」があるのです。
みなさんのご自宅の近くにある税理士の専門は“何税“でしょうか。企業向けの法人税である場合がほとんどです。法人税のスペシャリストである彼らは相続税は専門外なのです。中には一度も相続税申告を行ったことがない税理士もいるくらいです。

「税理士に任せたから安心」ではありません。相続税申告は「税理士選び」が重要です。
相続税申告は「相続税専門の税理士」に依頼してください。

4-2.事務所が面談しやすい場所にある

事務所が面談しやすい場所にある税理士を選びましょう。

税理士事務所へは、初回面談・中間報告・最終報告と最低3回は赴きます。
訪問する予定の相続人全員が無理なく訪問できる場所にある税理士事務所を選びましょう。
また、近年は自宅に来訪してくれる税理士も増えています。自宅への来訪を希望する場合は、来訪できるエリア内かどうかも合わせて確認しましょう。

また、ご相続人同士のお住まいが離れている場合や、不動産が遠方にある場合は、1つの事務所では対応できないこともありますので、全国ネットワークがある税理士事務所に依頼することをおすすめします。

4-3.他の専門家と連携している

弁護士や司法書士・行政書士など、他の専門家と連携している税理士を選びましょう。

相続に関するお悩みは税金だけに限らず、遺産分割トラブルや不動産の名義変更、金融機関での口座解約手続き、二次相続に備えた対策など多岐にわたります。

税理士が窓口となり、弁護士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、ファイナンシャル・プランナー(FP)など他分野の専門家と連携し、手続きをワンストップで進めることができる税理士に依頼することをおすすめします。

4-4.税理士報酬額の基準が明確である

税理士報酬額の基準が明確である税理士を選びましょう。

税理士報酬額は数十万円から数百万円と高額です。その報酬の根拠や内訳が不明確であったり、最終的にいくらかかるのか分からないままでは、その税理士を信頼して、大切な家族や資産の状況を教えるのは難しいのではないでしょうか。

明朗な会計は信頼を生みます。税理士報酬が明確である税理士を選び、安心して相続税申告を依頼できるようにしましょう

4-5.代行したお客様に税務調査が入った件数が少ない

税務調査の件数が低い税理士を選びましょう。

相続税に不慣れな税理士に依頼すると、財産評価や特例の適用についてのノウハウが乏しく、結果として税額計算を誤る可能性が高いので、税務調査のリスクが上がります。

一方で相続税に強い税理士は、法人内に国税庁OBが在籍するなど、税務調査に関するノウハウも蓄積しています。

そのノウハウをもとに税務調査で指摘を受ける可能性のある事項については、相続税申告書の提出前に事前に検討を行い、税務調査のリスクを減らすことができるのです。

税務調査の件数や割合をHP等で公表している税理士は多くはありませんが、集計している税理士は多いようです。アポイントを取得する際に尋ねるようにしましょう。


5.依頼するなら辻・本郷 税理士法人!その5つの理由

次に相続税申告を依頼するなら辻・本郷 税理士法人をおすすめする理由を5つご紹介いたします。

この理由は、一人の相続専門税理士として、辻・本郷 税理士法人をフラットな目線で見たときに、素直に「いいな」と思うところを書いております。

5-1.【理由1】相続税申告数年間3,827件!相続業務に特化した、プロフェッショナル集団

辻・本郷 税理士法人では、相続税申告の経験が豊富な相続税専門スタッフが、あなたの相続を全力でサポートします。

相続税申告は、税理士の実力によって財産価額や税額が大幅に変わることも少なくありません。

当法人は年間の相続税申告件数が3,827件(2021年10月~2022年9月)と、業界トップクラスを誇ります。積み上げてきたノウハウと高い専門性を持ち、在籍する400名以上の相続専門スタッフが共有しているので、ご依頼者様に満足していただける相続税申告が実現可能なのです。

また、相続税の減額ポイントや特例の適用についてくまなく確認するのはもちろんのこと、二次相続を見据えた上で、ご家族に最適な遺産分割方法を提案いたします。

5-2.【理由2】全国74拠点で相談ができる

北は北海道から南は沖縄まで、各エリア(北海道・東北、関東、中部、関西、中国・四国、九州・沖縄)に全国74拠点の事務所があります。(拠点数は業界1位)
自宅や職場からアクセスしやすい距離に事務所があるので、お越しいただく際の移動にかかる負担も軽減できます。

また、相続人同士のお住まいが離れている場合や、不動産が遠方にある場合でも、各エリアの事務所と連携をとって、スムーズに財産調査を進めることが可能です。

事務所一覧はこちら

5-3.【理由3】専門家と連携し、相続に関連するあらゆるお悩みに対応

グループ内に弁護士法人や司法書士法人などを有しており、弁護士・司法書士・不動産鑑定士・土地家屋調査士・ファイナンシャル・プランナー(FP)など他分野の専門家と連携し、手続きをワンストップで進めることができます。

相続に関するお悩みは税金だけに限らず、遺産分割トラブルや不動産の名義変更、金融機関での口座解約手続き、二次相続に備えた対策など多岐にわたります。

「相続が発生したけれど、誰に相談すればよいか分からない…。」とお悩みな方も、辻・本郷 税理士法人にご相談いただければ、グループ内でワンストップで解決することができます。

5-4.【理由4】明瞭な料金体系

辻・本郷 税理士法人の相続税の税理士報酬額は、「遺産総額の1%程度」と明確です。
また、報酬の内訳や加算報酬が発生する場合の基準等を詳細にお伝えいしています。

明朗な会計でお客様と信頼関係を育んでまいります。安心して相続税申告業務をお任せください。

5-5.【理由5】税務調査対応などのアフターフォローも万全

社内には国税OBが多数在籍し、税務署に指摘を受ける可能性のある事項については、申告書の提出前に事前に検討を行うことで、税務調査のリスクを事前に防いでいます。

また、相続税申告後に税務調査が入った場合でも、責任をもってご対応・立ち合いをいたします。

5-6.辻・本郷 税理士法人へのご相談・お問い合わせはこちら

■電話でご相談・お問い合わせ
0120-912-914
受付時間:9:00-21:00(土日祝も受付中)

■メールでご相談・お問い合わせ
メールで相談・問い合わせする


6.よくあるQ&A(依頼検討編)

次によくあるQ&A(依頼検討編)をご紹介いたします。

6-1.税理士との面談に相続人全員の同席は必要か

相続人全員の同席は必ずしも必要ではありません。
代表相続人の方と面談させていただくことで、代行可能です。

ただし、遺産分割協議書には相続人全員の実印が必要となります。面談にいらっしゃれない相続人がいる場合は、代表相続人の方に取りまとめ等を依頼させていただく場合もございますのでご了承ください。

6-2.既に銀行・証券会社に相続に関する相談をしているが、税理士への相談も必要か

必要です。
銀行や証券会社の社員が、相続税申告・相続財産評価の代行を行うことはできません。

銀行・証券会社の社員は遺言書や生命保険などを活用した生前の相続税対策などの相談にのることはできますが、相続税申告書の作成を行うことはできません。

相続税申告・相続財産の評価を希望している場合は税理士へ依頼しましょう。

また、銀行や証券会社は提携している税理士法人があるのが一般的です。
銀行・証券会社から税理士を紹介されることもありますが、必ずしもその税理士に依頼しなくてはいけないわけではありません。ご自身でHP等で調べた税理士法人に相続税申告書の作成業務を依頼することもできます。

6-3.司法書士に既に相続の相談をしているが、税理士への相談も必要か

必要です。
司法書士は不動産登記の専門家ではありますが、相続税申告・相続財産の評価を行うことはできません。

相続税申告・相続財産の評価を希望している場合は税理士へ依頼しましょう。

6-4.申告期限まであと1ヶ月しかない…税理士へ依頼することはできるのか?

可能です。
ただし、全ての税理士が対応できるわけではないので、「申告期限まで1ヶ月しかない」という旨をアポイントを取る際に必ず伝えてください。

また、申告期限までの期間が短い場合は加算報酬が発生する可能性があります。料金についても事前に確認してから依頼しましょう。

6-5.万が一税務調査になつた時、税理士は協力してくれるのか

はい、協力します。
大多数の税理士は相続税申告後に税務調査が入った場合でも、責任をもって対応・立ち合いを行います。

税務調査に不安がある場合は、アポイントや初回面談時に確認するようにしましょう。

6-6.相続財産に関する全ての情報を税理士に見せるのに抵抗ある…

税理士に依頼する場合は、相続財産に関する全ての情報を、税理士に伝えてください。
税理士はみなさんの代理人、つまり味方です。

相続税は「被相続人の所有していた全ての財産に課せられる税金(相続税法第2条)」です。

万が一、相続財産に関する全ての情報を税理士に伝えず、故意に一部の財産のみで相続税申告を行ってしまった場合、その事実が税務調査等で発覚すると、過少申告加算税・延滞税といったペナルティが課せられます。
また、相続人が多額な現金を引き出し申告しなかった場合など、悪質な財産隠しと認定された場合は、相続税法違反として、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金等の刑事罰を受ける可能性もあります。

税務調査からお客様自身を守るためにも、相続財産に関する全ての情報を税理士に伝えるようにしてください。


7.よくあるQ&A(財産評価編)

次によくあるQ&A(財産評価編)をご紹介いたします。

7-1.相続人の預金通帳を見せるのに抵抗がある。必ず提出するのか

はい。必ずご提出いただきます。

相続人の通帳は、被相続人からの生前贈与・生命保険契約・直前現金引き出し等の確認に使用するために必ずご提出いただく必要があります。

また、上記は税務調査で指摘されやすい事項です。後々税務調査となり、加算税や延滞税を支払わないためにも、必ず提出してください。

7-2.謄本や公図など、相続税申告の必要書類の収集も依頼することができるのか

はい、可能です。

ただし、一部、相続人本人ではないと収集できない書類もありますので、ご注意ください。
こちらの記事に各必要書類を収集できる人が誰なのか、まとめて掲載しているので、参考にしてください。

また、必要書類の収集も依頼した場合は加算報酬が発生する可能性が高いです。料金についても事前に確認してから依頼しましょう。

7-3.税理士によって相続税額が変わると聞いたが、なぜなのか

土地の評価方法、控除・特例の適用状況によって、相続税額は変わってきます。

相続税における土地の評価には様々な減額要素があります。

一例として

  • 不整形地の場合
  • 500㎡以上の広大な宅地の場合
  • 道路に接していない土地の場合 などが挙げられます。

相続財産を評価する時にこのような減額要素を見落とすと、財産価格が高くなり、本来払うべきよりも高い税額を納めることになります。

また、相続税には相続財産の状況に応じて、相続税を軽減させる控除や特例が多く設けられています。

一例として…

  • 配偶者の税額の軽減
  • 小規模宅地等の特例
  • 未成年者の税額控除
  • 相次相続控除    などが挙げられます。

土地の評価方法、控除・特例の適用は、正直なところ税理士の腕次第です。相続税に精通している税理士であれば複雑な適用要件を読み解き、適正な相続税額の算出ができます。一方で相続に不慣れな税理士は減額要件を見落としてしまうなど、高い税額を納めることにもなりかねません。

4章でご紹介させていただいたポイントをもとに相続税申告に強い税理士を選んで依頼してください。


8.よくあるQ&A(報酬編)

次によくあるQ&A(報酬編)をご紹介いたします。

8-1.基礎控除ギリギリの相続財産額。万が一、相続税が発生しなかった場合の税理士報酬はどうなる?

税理士報酬は発生します。

なぜなら、相続財産を評価し、相続税申告書を作成してみて初めて、相続税が発生するかどうか分かるからです。税理士が行っている作業としては、相続税が発生している場合と全く同じため、その「作業の手間」に報酬が発生するのです。

基礎控除を超えるかどうか微妙な場合は、アポイントや初回面談など早めの段階でその旨を伝え、報酬についてクリアにしてから、依頼するかどうか決めるようにしましょう。

8-2.税理士報酬は相続財産から控除できるのか

控除できません。

相続財産から控除できるのは相続時に債務の確定している金額です。(※葬儀費用は除きます。)
税理士報酬は相続発生後に確定する金額のため、控除の対象外です。

8-3.税理士報酬を支払うタイミングはいつなのか

相続税申告の前後に支払うことが一般的です。

相続税の申告時点では、ほとんどのケースで金融機関の相続手続きが完了しているため、預金の凍結は解け自由に引き出せるようになっていると思われます。受け継いだ金融資産から税理士報酬を支払うことも可能です。

また、前金が必要な事務所もありますのでご注意ください。

報酬を支払うタイミングは税理士から初回面談時に説明することが一般的ですが、万が一説明がなかった場合は必ず確認するようにしましょう。


9.まとめ

相続税申告は税理士に依頼すると「税金」「時間」「メンタル」、どの面をとっても、相続人ご自身で相続税申告をするよりもメリットがあります。

一見高いと思われる税理士報酬ですが、このメリットを考えると実は「コスパのよい選択」と言えるでしょう。

また、本記事では相続専門の税理士である私から見た「相続税に強い税理士を選ぶポイント」もお伝えしております。私の属している辻・本郷 税理士法人を宣伝するのではなく、一人の相続専門税理士としてフラットに書いておりますので、ぜひご活用いただければと思います。

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