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プレスリリース

平成28事務年度の租税条約等に基づく情報交換実績に関して


1.情報交換に関する動向

 経済のグローバル及びボーダーレス化の進展が、個人や企業の海外取引や海外資産の保有・運用を複雑・多様化させています。パナマ文書やBEPS(税源浸食と利益移転)に関する報道等により、富裕層による海外資産隠しや多国籍企業による租税回避行為に対する国際的な関心が高まっています。
 このような状況を背景に、G20やOECDにおいて、国際的な脱税及び租税回避行為に対処するため、各国税務当局間での協力と連携を一層推進し、租税条約等に基づく情報交換を拡充することの重要性が国際的な共通認識となっています。

2.日本の情報交換の事績

(1)要請に基づく情報交換
 個別の納税者に対する調査において、国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に、必要な情報の収集・提供を外国税務当局に要請します。この制度は国際的な取引の実態や海外資産の保有・運用の状況を解明する有効な手段となっています。国税庁から外国税務当局への要請件数は平成25事務年度から減少傾向でしたが、平成28事業年度は473件と前事務年度の366件から増加に転じており、今後も増加していくことが見込まれています。外国税務当局から国税庁への要請件数も同事業年度で415件と前事務年度の158件から増加しています。
 また、地域別にみると国税庁から外国税務当局への要請の多くは、アジア・大洋州が全体の82.7%を占めている状況です。

(2)自発的情報交換
 国際協力等の観点から、自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供するものです。国税庁から外国税務当局に提供した自発的情報交換の件数は272件であり、前事務年度の186件から増加しています。外国税務当局から国税庁に提供された自発的情報交換件数は549件で、BEPSプロジェクトの勧告の影響等により前事務年度の33件から大幅に増加しています。
 地域別にみると、国税庁から外国税務当局への272件の提供のうち、アジア・大洋州の国・地域の提供が103件ともっとも多くなっています。

(3)自動的情報交換
 法定調書から把握した非居住者等への利子、配当、不動産賃借料、使用料、給与・報酬、株式の譲受対価等)についての情報を、支払国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付するものです。国税庁から外国税務当局に提供した自動的情報交換の件数はICTの活用による事務処理の効率化によって、531千件と前事務年度の188千件から大幅に増加しています。「共通報告基準(CRS)」(※1)に基づく自動的情報交換が開始する平成30事務年度以降は、さらに件数が増加することが見込まれます。外国税務当局から国税庁に提供された自動情報交換の件数も205千件と前事務年度の117千件から増加しています。
 地域別にみると、国税庁から外国税務当局への531千件の提供のうち、日本から利子・配当等の支払いが多い欧州・その他の国・地域向けへの提供が294千件であり、過半数を占めています。

(※1)共通報告基準(CRS)
 外国の金融口座を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するために、OECDで策定された共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)に従って、金融機関が非居住者に係る金融口座情報を税務当局に報告し、これを各国税務当局間で互いに提供しあう制度です。
 日本においても国内法がすでに整備されており、平成30年4月30日までに国内の金融機関から報告を受け、平成30年9月末までに外国の税務当局へ初回の情報提供が行われます。

3.日本の情報ネットワークの状況

 情報交換の重要性に関する世界的認識が高まる中、二国間租税条約等(租税条約、租税協定、情報交換協定、日台民間租税取り決め)及び執行共助条約の整備が進み、平成29年11月現在で、我が国の情報交換ネットワークは、123か国・地域をカバーしています。

(出典:国税庁公表資料)


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