遺言書の検認後の流れとは?5ステップで解説

遺言書の検認が終わったけど、この後どうすればいいの?

本記事をご覧の方はこのようなお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

遺言書の検認とは、自筆証書遺言などを家庭裁判所に提出して、相続人の立ち会いのもと、遺言書を開封して内容を確認することです。

検認が終わると検認済証明書(遺言書の原本と裁判官による証明書が綴られて割印されたもの)を受け取ります。
本記事では、相続専門税理士監修のもと、遺言書の検認後(検認済証明書を受け取った後)の流れを5ステップで解説します。

■遺言書の検認についての詳細はこちら
 遺言書の検認とは?必要な状況・理由・流れを網羅的に解説

■遺言書の検認を「受けるまでの流れ」はこちら
 遺言書の検認手続きの流れ6ステップ


1.遺言書の検認後の流れ5ステップ

遺言書の検認後の流れを5ステップで紹介します。

遺言書の検認後の手続きは、厳密に説明すると以下の5ステップになります。

※遺言執行者に相続人のうち誰かが指定されている場合、遺言書の内容を確認し、相続人全員が納得するようであれば、財産目録を作成せずに、各々が相続された財産の手続きを進めていくことが多いようです。

1-1.【ステップ1】遺言書に全ての相続財産が記載してあるか確認する

遺言書に全ての相続財産が記載してあるか確認しましょう。

全ての相続財産が記載されていれば、ステップ2:遺言執行者が誰かを確認するに進んでください。

※遺言書に全ての相続財産が記載されていない場合

遺言書に全ての相続財産が記載されていない場合は、相続手続きを進めることなく、遺産分割協議を行いましょう。

遺言書に記載されていない相続財産は、遺産分割協議で分割方法を決めます。
また、遺言書に記載してあった相続財産は、遺言書通りに相続する可能性が高いですが、記載されていない相続財産により各相続人の受け取る割合が大きく変化することもあります。
後々、相続人の間で揉めることがないよう、記載されていない相続財産の遺産分配協議が済んでから相続手続きを進めることをおすすめします。

2-1.【ステップ2】遺言執行者が誰かを確認する

遺言執行者が誰かを確認しましょう。
遺言執行者とは、「遺言の内容を実現させるため、権利と義務を負う人」です。

遺言執行者は必ず選任しなければならないものではないので、記載されていない場合もあります。
記載されている場合は、遺言書の本文に以下のように記載されています。

■遺言執行者についての詳細はこちら
 遺言執行者とは何をする人?選任すべき5つのケースを紹介

1-3.【ステップ3】遺言執行者が遺言書をもとに財産目録を作成する

遺言執行者が遺言書の内容をもとに財産目録を作成します。

財産目録とは、財産情報を一覧にまとめたものです。
遺言執行者には「遺言の内容を実現するために、相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為をする」という権限のもと、財産目録を作成します。

なお、遺言執行者が指定されていない場合、遺言執行者が相続人のうちの誰かである場合は、実情としてこの財産目録を作成しないこともあります。

■財産目録のイメージについては、裁判所HP記載の相続財産目録を参照

1-4.【ステップ4】財産目録をもとに、各々が相続する財産を確認する

財産目録をもとに、各々が相続する財産を確認しましょう。

財産目録には財産の詳細が書かれています。
自分が相続する財産が、「なに(土地・預金・投資信託など)」で「どこにある(住所・銀行口座の番号など)」を確認しましょう。

1-5.【ステップ5】各々相続手続きを進める

各々、相続手続きを進めましょう。
具体的には、以下のような手続きがあります。

相続した財産の種類行う相続手続き相続手続きを行う場所
不動産相続登記法務局
預貯金解約
名義変更
銀行
株・投資信託解約
名義変更
証券会社
生命保険保険金の請求
解約
契約者変更
生命保険会社
自動車名義変更(移転登記)運輸支局

※相続手続きをする際は、自筆証書遺言の場合、検認済証明書が必要

相続手続きをする際は、自筆証書遺言の場合、検認済証明書が必要になります。

検認済証明書とは、検認が終わった際に、家庭裁判所から受け取る書類です。
遺言書の原本と裁判官による証明書が綴られて割印されたものになります。

忘れずに持参するようにしてください。


2.遺言書におかしな点が見つかった場合の対応

遺言書におかしな点が見つかった場合の対応について説明します。

遺言書の検認は「遺言書が有効である」という証明ではありません

検認の終わった遺言書を相続人間で確認した結果、以下のようなおかしな点が遺言書に見つかることがあります。

  • 遺言書の筆跡が遺言者本人のものではない
  • 遺言の作成日には既に認知症になっていた

このような場合、遺言無効確認の訴えを家庭裁判所に起こすことができます。
訴えの結果、遺言書が無効になった場合は、相続人全員による遺産分割協議で相続手続きを行うことになります。

遺言書におかしな点が見つかつた場合は、相続手続きを進めることなく、弁護士に一度相談することをおすすめします。

■遺言書について相談できる辻・本郷グループの税理士法人はこちら
 TH弁護士法人/TH弁護士事務所


3.まとめ

本記事は相続専門税理士監修のもと、「遺言書の検認が終わったけど、この後どうすればいいの?」とお悩みの方を対象に、以下のポイントを解説してきました。

本記事の内容を参考に、検認後の相続手続きを行い、無事に相続手続きが終わることを、陰ながらではありますがお祈り申し上げます。

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