「相続税のお尋ね」とは?届く時期や理由、対応法をわかりやすく解説

「税務署から『相続税のお尋ね』が届いたけれど、どうすればいいの?」
「無視したらどうなる?」
「もし書き間違えたらペナルティがあるの?」
本記事をご覧の皆さまは、こんな疑問をお持ちではないでしょうか。

相続が発生し、おおよそ半年後に、税務署から、「相続税の申告等のご案内」あるいは「相続税についてのお尋ね」という書類が送られてくることがあります。
突然税務署から書類が届くと、驚いてしまいますが、中身を正しく理解して冷静に対応すれば心配はありません。

本記事でわかること

  • 「相続税のお尋ね」はいつどんな人に送られてくるのか
  • 相続税のお尋ねの対応方法
  • 間違えて書いたらどうなるのか

本記事が、税務署からの「相続税のお尋ね」について疑問解決の一助となれば幸いです。

1.税務署から届く「相続税のお尋ね」とは?

税務署から届く「相続税のお尋ね」とは、相続税の申告が必要になりそうな方に対して、税務署が送付する確認の書類です。
亡くなった方に一定以上の財産があり、相続税がかかる可能性がある場合に送られます。

1-1.「相続税申告のご案内」や「相続税についてのお知らせ」という名称で送られてくる

届く書類の具体的な名称は、「相続税申告のご案内」や「相続税についてのお知らせ」などがあります。

1-2.「相続税のお尋ね」が届く時期は相続発生から約半年後

「相続税のお尋ね」が届く時期は、相続が発生(被相続人が死亡)してから約半年後(6〜8ヶ月後)になることが一般的です。

相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」です。そのため、申告期限の少し前のタイミングで届くことになります。

1-3.送付先の選定は、市区町村から通知された情報・KSKシステム(国税総合管理システム)を活用している

務署は「相続税のお尋ね」の送付先の選定の際、市区町村から通知された情報「KSKシステム(国税総合管理システム)」というデータベースを活用しています。

市区町村では、死亡届を受理した際、故人の死亡情報や不動産(固定資産)の情報、住民税(所得)の情報を、地方税法の規定に基づき自動的に所轄税務署へ通知します

死亡届を市区町村に提出すると、市区町村から所轄の税務署へ故人の死亡情報や不動産の情報・住民税の内容が翌月末までに国税庁(税務署)に通知されます。(相続税法第58条第1項)

また、KSKシステムには、以下のような個人の財産や所得に関する様々なデータが蓄積されています。

KSKシステムに蓄積されている主なデータ

過去の確定申告の状況、所得、収入

不動産の売買(譲渡)情報

株式などの有価証券の取引情報

生命保険金の支払調書

退職金や役員報酬のデータなど

これらの情報を使って、相続税がかかりそうな人に「相続税のお尋ね」を送っています。

2.「相続税のお尋ね」が届いたときの正しい対応方法

本章では「相続税のお尋ね」が届いたときの正しい対応方法について解説します。

相続税のお尋ねには、相続税申告をしない場合に提出するよう書かれています。
ですから、対応は、遺産総額が「基礎控除額」を超えているかどうかで2つに分かれます。

遺産総額対応
基礎控除以下の場合同封されている「申告要否検討表」を提出する
基礎控除を超える場合同封されている「申告要否検討表」の提出は不要
「相続税申告」を行う。

※「基礎控除額」は、以下の算式で計算されます。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

詳細は下記をご覧ください。
■辻・本郷相続ガイド 相続税の基礎控除とは|控除額や計算方法について解説
■辻・本郷相続センター 相続税計算シミュレーション 

2-1.基礎控除以下の場合は「申告要否検討表」を提出する

基礎控除以下の場合は、同封されている「相続税の申告要否検討表」に財産や金額などを記入して税務署へ提出します。
【ご参考】■国税庁 相続税の申告要否検討表

また、相続税の申告要否判定コーナーを利用して、「相続税の申告要否検討表」を作成し、印刷した上で、税務署へ提出することも可能です。
■国税庁 相続税の申告要否判定コーナーお尋ねについてのQA

2-2.基礎控除を超える場合は「相続税申告」を行う

基礎控除を超える場合は、「相続税申告書」を作成して期限内に申告・納税を行います。

相続税申告を行うので、この場合、相続税のお尋ねへの回答は不要です。

なお、相続税がかからない場合でも、特例を使うことで税額が0円になる場合には、相続税の申告が必要なことがあります。例えば、配偶者控除や小規模宅地等の特例などがあります。詳細は下記の記事をご覧ください。
■辻・本郷相続ガイド 相続税の早見表 厳密な相続税額を計算するには、様々な特例や税額控除を考慮する必要がある

3.「相続税のお尋ね」に虚偽の回答をするとペナルティが課せられる

「相続税のお尋ね」に虚偽の回答をするとペナルティが課せられる可能性があります。

相続税の申告が必要であると知りながら、あえて財産を隠して「相続税のお尋ね」に嘘の回答をした場合、税務調査によって、財産の隠ぺい・仮装とみなされ、重加算税を課される可能性があります。

■国税庁 相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
■辻・本郷相続ガイド 相続税を申告しない場合のペナルティを解説!無申告は税務署に見つかるの?

※財産の隠ぺい・仮装とみなされる境界線

仮想・隠蔽とみなされる境界線は、財産を発見されにくくするための「意図的な手を加える行為」があったかどうかです。

不慣れな手続きでうっかり間違えてしまっただけであれば、素直に修正に応じることで重加算税は避けられます。しかし、以下のような行為を行うと「仮想・隠蔽」とみなされ、重加算税の対象となる可能性があります。

  • あえて遠方の銀行に口座を作って隠す
  • 財産を別の形(現金や貴金属など)に変えて隠匿する
  • 意図的に嘘の資料を作ったり、事実を偽ったりする

意図的な財産隠しは絶対にやめましょう。

4.相続税のお尋ねに関するQ&A

本章では、相続税のお尋ねについてよくある質問に回答します。

Q1. 相続税のお尋ねが来なかったら、相続税の申告はしなくていいのですか?

A1. いいえ、相続税のお尋ねが来なくても申告が必要な場合があります。

税務署は必ずしも全員に相続税のお尋ねを送っているわけではありません。
相続税のお尋ねが届かなくても、遺産総額が基礎控除額を超えている場合は、期限内に相続税申告を行う義務があります。

相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」です。早めに準備を始めましょう。

Q2. 相続税のお尋ねの回答を間違えて提出してしまったらどうなりますか?

A2. 意図的な財産隠しでなければ、過度に恐れる必要はありません。

多少間違えても、そもそも基礎控除以下で相続税がかからないのであれば、問題ありません。

しかし、遺産総額が基礎控除を超えていて、相続税の申告をしなければならないのに、それを敢て隠して、基礎控除以下のように見せて回答した場合には、場合によっては、重加算税などのペナルティが課される可能性があります。絶対に行ってはいけません。

5.まとめ

本記事では、税務署から届く「相続税のお尋ね」の仕組みや対応、重加算税やよくあるQAについて解説してきました。

突然税務署から書類が届くと、驚いてしまいますが、中身を正しく理解して冷静に対応すれば心配はありません。

相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」です。相続税申告が必要な場合には、「相続税のお尋ね」が届いてから慌てることのないよう、早めに準備にとりかかりましょう。
また、遺産総額が基礎控除を超えるかどうかの判断が難しい場合には早めに税理士に相談しましょう。

本記事が、「相続税のお尋ね」について、疑問や不安をお持ちの皆様の一助となれば幸いです。

この記事の内容は、下記のYouTubeでわかりやすく解説されています。ぜひご覧ください。
■辻・本郷 税理士法人チャンネル 【相続税のお尋ね】概要と重加算税には要注意!

辻・本郷 税理士法人の相続税申告サービス
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