法定相続人とは誰なのか?迷いやすい10の事例つき

「私が亡くなった時、誰が法定相続人になるのだろう?」
「私は法定相続人なのだろうか?」

と、お悩みではありませんか。

本記事では法定相続人の基本的な考え方をお伝えした後、法定相続人が誰か迷いやすい10の事例をご紹介しています。

  • 養子はどうなる?
  • 内縁の妻はどうなる?
  • 行方不明の相続人はどうなる?

と言った、分かるようで分からない法定相続人についての疑問を解決します。

相続対策の一環として、法定相続人が誰か知りたい方、必見です。

1.法定相続人は財産を相続する権利のある人

法定相続人とは民法で定められた被相続人の財産を相続できる権利のある人です。

なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされ、法定相続人には含まれません。また、内縁関係の人(いわゆる愛人など)も、法定相続人に含まれません。ご注意ください。

1-1.法定相続人の順位

法定相続人には、被相続人との関係性によって優先順位が設けられています。

配偶者は常に法定相続人となり、配偶者以外の人は、①子供②直系尊属③兄弟姉妹の順で配偶者と一緒に法定相続人になります。

第一順位である子供がいれば、「配偶者+子供」、第一順位である子供がいなく、第二順位である直系尊属がいれば「配偶者+直系尊属」といったようになります。

■詳細はこちら
相続人の順位を解説!チャートとシミュレーションで相続人が分かる

1-2.法定相続人の範囲

法定相続人の範囲は以下の図の通りです。

1-3.法定相続人の確認方法

法定相続人は被相続人の出生から死亡するまでの連続した戸籍謄本を確認することで分かります。

元配偶者との間の子供、愛人との間に生まれ認知された子供など、複雑なケースも、戸籍謄本を見れば確認することができます。

■詳細はこちら
相続における戸籍謄本の収集方法

1-4.法定相続人であっても、財産を相続できない場合

法定相続人とは民法で定められた被相続人の財産を相続できる権利のある人です。しかし、法定相続人であっても、財産を相続できない場合があります。

1-4-1.遺言書に「法定相続人以外の人にすべての財産を遺す」と記されていた場合

遺言書に記載された財産の分割方法は法定相続よりも優先されます。しかし、遺言書であっても、法定相続人の遺留分を侵害することはできません。

たとえば、配偶者も子供もいる被相続人の遺言書に、「すべての財産を愛人に渡す」と記されていたとします。この場合、配偶者や子供がこの分け方に納得しないのであれば、必ずしも全額を愛人にわたす必要はありません。遺留分を請求することができます。

■遺留分の詳細はこちら
法定相続人に認められる遺留分の権利

1-4-2.相続欠格の場合

被相続人などを殺害したり、遺言書を破棄したりなどの重大な非行があった人は、相続人であっても相続できません。

1-4-3.相続廃除の場合

被相続人がその者に財産を相続させたくないことも当然と思われるような事由(例えば、被相続人を虐待しているなど)がある場合に、被相続人の意思に基づいて、その人は相続権を失います。

相続廃除にすることが出来る要件はとても複雑です。検討している方は相続に強い弁護士に相談することをおすすめします。

2.法定相続人が誰か迷いやすい10のケース

法定相続人が誰か迷うことが多い10のケースをご紹介いたします。
各ケースに家系図を記載しているので、イメージが湧きやすいと思います。

赤い四角で囲まれている人が法定相続人になります。

2-1.子供が既に亡くなっていて、孫がいるケース(代襲相続)

子供が既に亡くなっていて、孫がいるケースです。
この場合、孫は代襲相続人として、法定相続人になります。

法定相続人は、以下の3名です。

配偶者
子供①
孫(代襲相続人)

■代襲相続についての詳しい説明はこちら
代襲相続とは? ~相続人とその範囲~

2-2.兄弟姉妹が亡くなっていて、甥姪がいるケース

兄弟姉妹が亡くなっていて、甥姪がいるケースです。
この場合、甥姪は代襲相続人として、法定相続人になります。

法定相続人は、以下の2名です


甥(代襲相続人)

2-3.離婚した配偶者との間に子供がいるケース

離婚した配偶者との間に子供がいるケースです。
(再婚はしておらず、亡くなった日時点では配偶者はいないものとします。)

この場合、離婚した配偶者は法定相続人ではありませんが、子供は法定相続人です。

法定相続人は、以下の1名です。

子供

2-4.内縁の妻との間に子供がいるケース

内縁のパートナーがいるケースです。
(法律上の夫婦である配偶者はいないものとします。)

この場合、内縁のパートナーは法定相続人ではありませんが、子供は認知されていれば法定相続人です。

法定相続人は、以下の1名です。

子供

2-5.養子がいるケース

養子がいるケースです。
養子は実子と同じように、第一順位の法定相続人になります。

そのため、法定相続人は、以下の3名です。

配偶者
実子
養子

※法定相続人の数に含める被相続人の養子の数

以下の4つの計算をするときの法定相続人の数に含める養子の数は、一定数に制限されています。

  • 相続税の基礎控除額
  • 生命保険金の非課税限度額
  • 死亡退職金の非課税限度額
  • 相続税の総額の計算
  • 被相続人に実子がいる場合:1人まで
  • 被相続人に実子がいない場合:2人まで

2-6.相続発生時に子供が胎児のケース

相続発生時に子供が胎児のケースです。
民法では、相続において胎児は既に生まれたもの考えます。そのため、胎児は出生後に法定相続人となり、遺産を相続することができます。

そのため、法定相続人は、以下の4名です。

配偶者
子供①
子供②
胎児

2-7.非嫡出子を遺言書で認知したケース

非嫡出子を遺言書で認知したケースです。
非嫡出子とは「法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子供」です。被相続人が生前に非嫡出子を認知していれば、「2-4.内縁の妻との間に子供がいるケース」で説明した通り法定相続人になります。

しかし、ここで考えるのは、もう少し複雑なケースです。
被相続人が生前内縁の妻との間にできた子供(非嫡出子)を認知しないまま亡くなったが、遺言書を開封してみると、その子供を認知すると記載されていたケースです。

この場合、遺言書の効力で非嫡出子は認知され、嫡出子となり、実子と同じように法定相続人になります。

この場合の法定相続人は、以下の2名です。

嫡出子
遺言書で認知された非嫡出子

2-8.相続放棄した人がいるケース

相続放棄した人がいるケースです。

相続放棄した人はもちろん法定相続人ではありません。はじめから相続人ではなかったものとみなされます。

また、相続放棄した人に子や孫がいた場合、その子供や孫は代襲相続人として法定相続人になることはできないのでご注意ください。

この場合の法定相続人は、以下の2人です。

配偶者
子供①

2-9.相続人が行方不明のケース

相続人が行方不明のケースです。

行方不明であっても基本的に法定相続人となります。遺産分割協議は、行方不明の法定相続人を含めて相続人全員で行う必要があります。「かなり前に家を出てしまい音信不通状態だから、気にしなくても良いだろう。」と失踪した相続人を無視することはできないので注意が必要です。

ただし、家庭裁判所が失踪宣告をした場合、法律上では死亡しているものとみなされ、法定相続人ではなくなり、遺産分割協議にも参加する必要がなくなります。

この場合の法定相続人は、以下の3人です。

配偶者
子供①
子供②

2-10.法定相続人がいないケース

法定相続人がいないケースです。

被相続人に相続人がいない場合、生前にお世話になった人に遺言で遺贈をしたり、家庭裁判所で特別縁故者を認めてもらい、特別縁故者が財産を引き継ぐことになります。

■詳細はこちら
「おひとりさま」の相続 ~相続人が誰もいない場合は?~

3.おわりに

みなさんの法定相続人は誰か、お分かりになりましたか。

この記事をご覧になったみなさんが、「自分自身の場合の法定相続人は誰か」を把握し、必要であれば遺言書等の相続対策を実施することを、円満な相続を迎えることを、陰ながらではありますが、お祈り申し上げます。

遺言書の作成等の相続対策についてお困りのことがございましたら、相続専門税理士にご相談ください。

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