
相続の相談は誰にすればいいの?
本記事をご覧のみなさんは、このようなお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
そんなみなさんのお悩みを解消するべく、相続の相談先一覧を作成しました。
また、各相談先の料金や予約の有無など、相談先を訪れる前にあらかじめ知っておきたい情報も網羅的に紹介しています。
本記事が、みなさんがご自身にとって最良の相談先を見つけ、無事に相続手続きを終えられる一助になれば幸いです。
1.相続の相談先一覧
相続についての主な相談先は以下の7つです。
市区町村役場 | 相続に関する基本的な情報提供窓口 |
---|---|
税務署 | 相続税に関する基本的な情報提供窓口 |
弁護士 | 相続に関する法的問題の専門家 |
司法書士 | 不動産の名義変更など主に相続登記の専門家 |
税理士 | 相続税申告・節税対策の専門家 |
行政書士 | 遺言書や遺産分割協議書の作成など相続関係書類を作成する専門家 |
金融機関 | 被相続人の金融資産についての手続きや、相続した財産の運用相談窓口 |
2.相続についてのお悩み別、相談先一覧
本章では、お悩み別に相談先を解説していきます。
下の表は、相続に関するお悩みを大きく10個に分類し、それぞれの相談先を記載したものです。「まず誰に聞けばいいか分からない…」という方も、下記を参考に一歩を踏み出してみてください。
お悩みの内容 | おすすめの相談先 |
---|---|
相続に関する基本的な流れや制度を知りたい | 市区町村役場 |
相続税の基礎知識を知りたい | 税務署 |
相続トラブルを抱えている | 弁護士 |
相続放棄を検討したい、方法が知りたい | 弁護士・司法書士 |
相続人や財産の調査をしたい | 弁護士・税理士・司法書士・行政書士 |
相続税申告について相談したい | 税理士 |
不動産の名義変更など、登記の手続きが必要 | 司法書士 |
遺産分割協議のサポートが欲しい | 弁護士・税理士・司法書士・行政書士 |
被相続人の金融資産についての手続きがしたい | 金融機関 |
相続した財産の今後の運用を相談したい | 金融機関 |
次章からは、上の表でご紹介した各相談先の料金や予約の有無など、各相談先を実際に訪れる前に知っておきたい情報をまとめています。相談する前に、一読されることをおすすめします。
2-1.相続に関する基本的な流れや制度を知りたい:市役所
相続に関する基本的な情報を知りたい場合は、公的機関である「市役所」に相談することをおすすめします。
- 家族が亡くなったが、何から手続きをすればよいか
- 相続の手続きをしたいが、どの窓口に行ったらよいか
- 死亡届を提出したいが、どうしらよいか
- 世帯主変更届を提出したい
- 戸籍謄本・印鑑証明書など相続手続きに必要な証明書を取得したい
といったことを相談したい場合は、市役所に相談するとよいでしょう。
市役所は公的機関なので、安心感がありますし、相談料も無料です。
ただし、「私の場合の法定相続人は誰になりますか?」といったような個別具体的な質問については、弁護士や税理士などの専門家に相談するよう促されることが多いのでご注意ください。
相談できること | 相続に関する基本的な情報(一般論のみ) |
---|---|
相談料 | 無料 |
相談にのる人 | 市役所の職員 |
相談方法 | 主に対面 |
予約の有無 | 必要なし ※おくやみ窓口・専門家の無料相談を利用する場合は、予約が必要なケースが多い |
※おくやみ窓口
近年は「おくやみ窓口」という相続に特化した窓口を設けている市役所も多いようです。
従来は市民課・保険年金課など市役所の中でも複数の課を回って、相続について相談し、手続きを行うが一般的でした。
しかし、最近では市民の負担を軽減することを目的に相続についてワンストップで相談・手続きができるおくやみ窓口を設けている市役所も多くなりました。
このおくやみ窓口は事前予約制をとっている市役所が多いです。
市役所での相談を希望する方は、一度ご自身が住まわれている自治体のHPを確認してみてください。
■辻・本郷相続ガイド 大切な人が亡くなったら行う24の相続手続きの流れ
2-2.相続税の基礎知識を知りたい:税務署
相続税に関する基本的な情報を知りたい場合は、公的機関である「税務署」に相談することをおすすめします。
- 相続税の申告義務があるかどうかの判定方法を知りたい
- 相続税の基礎控除額の計算方法が知りたい
- 相続税の控除や特例等を適用するための要件を知りたい
- 相続税の簡易的な計算方法を知りたい
- 相続税申告書の書き方を知りたい
- 相続税申告に必要な書類の一覧を知りたい
といったことを相談したい場合は、税務署に相談するとよいでしょう。
税務署は公的機関なので、安心感がありますし、相談料も無料です。
ただし、「私の場合は相続税がかかりますか?」「私はこの特例を適用することができますか?」といった個別具体的な質問については、税理士に相談するよう促されることが多いのでご注意ください。
相談できること | 相続税に関する基本的な情報(一般論のみ) |
---|---|
相談料 | 無料 |
相談にのる人 | 税務署の職員 |
相談方法 | 対面・電話 |
予約の有無 | 必要あり (所轄の税務署に電話で予約) |
■自宅近くの税務署は、以下のHPで検索できます
国税庁HP 税務署の所在地などを知りたい方
■電話で相談したい方は、以下のHPから電話番号を確認できます
国税庁HP 税についての相談窓口
2-3.相続トラブルを抱えている:弁護士
相続トラブルが起こっている場合は、専門家である「弁護士」に相談することをおすすめします。
- 遺産分割の内容に納得がいかない
- 相続人同士で争いが起きてしまっている
- 見つかった遺言書が偽造の疑いがある
- 遺言書が遺留分を侵害していたので、遺留分侵害額請求を行いたい
といったように、既にトラブルに発展している場合は、紛争解決の専門家である弁護士に相談するようにしましょう。
相談内容 | 相続トラブル全般(個別具体的な内容OK) |
---|---|
相談料 | 有料(初回相談料は無料の事務所が多い)相談料は相談内容と、相談者が弁護士に相談した結果得られる経済的利益の額によって変わってきます。 あくまで一例ですが、遺産分割調停を相談した場合の着手金で20-30万円程度のことが多いようです。また、遺産分割調停に成功したら、その経済的利益の額を反映した報奨金を別途支払う必要があります。 |
相談にのる人 | 弁護士・弁護士事務所の職員 |
相談方法 | 主に対面 |
予約の有無 | 必要 |
■辻・本郷相続ガイド 相続を進める中で問題になりやすい15のこと
2-4.相続放棄を検討したい、方法が知りたい:弁護士・司法書士
相続放棄について相談したい場合は、専門家である「弁護士または司法書士」に相談することをおすすめします。
また、弁護士・司法書士ともに、相談にのるだけでなく、相続放棄の手続きの代行も依頼することができます。
弁護士と司法書士、どちらの専門家を選べばよいかは、相談者の状況によって変わります。
ご自身がどちらの専門家に相談すべきかは、以下の表を参考に選択してください。
弁護士 | 相続放棄するかどうか迷っている 家庭裁判所とのやり取りを専門家に任せたい 相続債権者(亡くなった人の債権者)と揉める可能性がある |
---|---|
司法書士 | 相続放棄の手続きのみを依頼したい |
弁護士 | 司法書士 | |
---|---|---|
相談内容 | 相続放棄について(手続きの代行もOK) | |
相談料 | 約3-10万円 | 約3-5万円 |
相談にのる人 | 弁護士・弁護士事務所の職員 | 司法書士・司法書士事務所の職員 |
相談方法 | 主に対面 | |
予約の有無 | 必要 |
■相続放棄についての詳細はこちら
相続放棄の期間は3ヶ月!期限を過ぎた時の対処法や期間伸長の申立を解説!
2-5.相続人や財産の調査をしたい:弁護士・司法書士・税理士・行政書士
相続人・相続財産調査について相談したい場合は、専門家である「弁護士・税理士・司法書士・行政書士」のいずれかに相談することをおすすめします。
また、どの専門家へも、相談にのるだけでなく、相続人・相続財産調査の代行も依頼することができます。
どの専門家を選べばよいかは、相談者の状況によって変わります。
ご自身がどちらの専門家に相談すべきかは、以下の表を参考にしてください。
弁護士 | 相続人同士の争いがある場合 |
---|---|
税理士 | 相続税申告を行う必要がある場合 |
司法書士 | 不動産の名義変更も依頼したい場合 |
行政書士 | 相続人・相続財産調査だけを依頼したい場合 |
弁護士 | 税理士 | 司法書士 | 行政書士 | |
---|---|---|---|---|
相談内容 | 相続人・相続財産調査について(調査の代行もOK) | |||
相談料 | 約10-30万円 | 約10-30万円 | 約10-30万円 | 約5-10万円 |
相談にのる人 | 弁護士・税理士・司法書士・行政書士 各事務所の職員 | |||
相談方法 | 主に対面(一部オンライン面談を行っている事務所もあり) | |||
予約の有無 | 必要 |
■相続人・相続財産調査の詳細はこちら
相続人調査とは?正しく戸籍を揃える方法・専門家に依頼すべき基準も
2-6.相続税申告について相談したい:税理士
相続税に関する悩みは、専門家である「税理士」に相談することをおすすめします。
また、相談の結果、相続税申告が必要であった場合、相続税申告の代行も依頼することができます。
- 相続税申告書の作成代行
- 二次相続を見据えたシュミレーション
- 相続税の控除・特例等の適用検討
- 相続税申告に必要な書類の作成
- 節税対策全般に関するコンサルティング
- 相続税申告に関するセカンドオピニオン
といったような、「税金」に関するお悩みは、税金の専門家である税理士に迷わずに相談しましょう。
相談内容 | 相続税全般(相続税申告の代行OK) |
---|---|
相談料 | 有料(初回相談料は無料の事務所が多い)相続税申告を依頼した場合の費用は「遺産総額の0.5-1.5%程度」 |
相談にのる人 | 税理士・税理士事務所の職員 |
相談方法 | 主に対面 PCによるオンライン面談も可能な事務所もあり |
予約の有無 | 必要 |
■相続税申告を税理士に依頼した場合の費用の詳細はこちら
相続税申告における税理士費用は「遺産総額の0.5~1.5%」
2-7.不動産の名義変更など、登記の手続きが必要:司法書士
相続登記に関する悩みは、登記の専門家である「司法書士」に相談することをおすすめします。
また、司法書士には相続登記の申請の代行も依頼することができます。
司法書士は登記の専門家です。
相続登記を行いたい場合の相談先は、司法書士一択です。
相談内容 | 相続登記全般 (代行もOK) |
---|---|
相談料 | 有料(初回相談料は無料の事務所が多い) 約5-15万円 |
相談にのる人 | 司法書士・司法書士事務所の職員 |
相談方法 | 主に対面 |
予約の有無 | 必要 |
2-8.遺産分割協議のサポートが欲しい:弁護士・税理士・司法書士・行政書士
遺産分割に関するお悩みは専門家である「弁護士・税理士・司法書士・行政書士」のいずれかに相談することをおすすめします。
また、どの専門家へも、遺産分割協議書の作成代行も依頼することができます。
弁護士と税理士、どちらの専門家を選べばよいかは、相談者の状況によって変わります。
ご自身がどちらの専門家に相談すべきかは、以下の表を参考にしてください。
弁護士 | 相続人同士の争いがある場合 |
---|---|
税理士 | 相続税申告を行う必要がある場合 |
司法書士 | 不動産の名義変更も依頼したい場合 |
行政書士 | 遺産分割協議の作成代行だけを依頼したい場合 |
弁護士 | 税理士 | 司法書士 | 行政書士 | |
---|---|---|---|---|
相談内容 | 遺産分割に関するお悩み全般(遺産分割協議書の作成代行もOK) | |||
相談料 | (着手金)20-30万円程度 (成功報酬)経済的利益に応じて | 相続税申告と合わせて、遺産総額の0.5-1.5%程度 | 10万円前後 | 3万円前後 |
相談にのる人 | 士業・士業事務所の職員 | |||
相談方法 | 主に対面(一部オンライン面談を行っている事務所もあり) | |||
予約の有無 | 必要 |
2-9.被相続人の金融資産についての手続きがしたい:金融機関
被相続人の金融資産の手続きは金融機関に相談することをおすすめします。
相続が発生すると被相続人の預金・保険などの金融資産の手続きを行う必要があります。
被相続人の遺品・通帳の明細などから、取引のあった金融機関を確認し、名義変更や解約などの手続きを行いましょう。
預貯金 | 銀行など |
---|---|
株・投資信託など | 証券会社 (投資信託は銀行で購入している場合もある) |
死亡保険金 入院給付金 | 生命保険会社 |
相談料 | 無料 ただし、遺品整理業務を依頼していた場合は別途費用が発生 |
---|---|
相談にのる人 | 金融機関の職員 ※FPなど各種資格を取得している方も多数 |
相談方法 | 主に対面 |
予約の有無 | 必要な場合もある ※窓口に赴く際に予約が必要な金融機関が多い |
2-10.相続した財産の今後の運用を相談したい:金融機関
相続した財産の今後の運用については、金融機関に相談することをおすすめします。
2-9.被相続人の金融資産における手続きを行った際に、各金融機関の担当者から今後の運用について話があることでしょう。
運用を預金にするのか、保険にするのか、株式や投資信託にするのかで、取引すべき金融機関が異なってきますので、ご自身とご家族で話し合い、金融商品と金融機関を選定してください。
また、困った場合は独立系FPに相談すると、中立的なアドバイスを得ることができます。
相談料 | 無料 ただし、商品を購入した際、仲介手数料が発生する |
---|---|
相談にのる人 | 金融機関の職員 |
相談方法 | 主に対面 |
予約の有無 | 必要な場合もある ※窓口に赴く際に予約が必要な金融機関が多い |
3.相続の悩みは「士業グループ」に相談することがおすすめ
相続の悩みは「士業グループ」に相談することをおすすめします。
なぜなら、みなさんの相続に関する悩みが多岐にわたる一方で、各専門家には専門分野が決まっているからです。
例えば「相続税が一番大きな悩み」である人であっても、相続財産の中に不動産があった場合、相続登記が必要ですし、相続手続きを進める際中に相続人同士が争うリスクもあります。
この場合、税理士・司法書士・弁護士の各専門家を探し、アポを取り、相続の状況を一から説明することになります。
大切なご家族が亡くなり、ただでさえ時間と心に余裕がない状況で、悩みごとに専門家を探し、アポを取り、相続の状況を一から説明するのは骨の折れる作業です。
士業グループであれば、グループ内に弁護士・司法書士・税理士の各専門家がいる上に、多数の金融機関と提携しているので、相続の悩みをワンストップで解決することができます。
最初に相談いただいた専門家を窓口として、他の専門家を斡旋し、ワンストップで手続きを行うことで、悩みごとに専門家を探すことも、アポを取ることも、相続の状況を一から説明することも必要なくなります。
みなさんに与えられた時間は有限です。
みなさんご自身の生活もありますし、慣れない相続手続きに時間を費やすくらいであれば、故人の遺品を整理したり、故人との思い出に思いをはせたりする方が良いのではないでしょうか。
みなさんご自身のために、相続の相談は士業グループに相談することを強くおすすめします。
4.相続についての相談は辻・本郷 グループへ
相続に関するお悩みは国内最大規模の士業グループである「辻・本郷グループ」へご相談ください。
各専門家と連携し、相続に関するあらゆるお悩みをワンストップで解決することができます。
辻・本郷 税理士法人は、グループ内に弁護士法人・司法書士法人をはじめ、相続に精通した各分野の専門家を有しています。
これにより、税理士による相続税申告だけでなく、遺産分割協議、不動産の名義変更、口座解約手続き、二次相続の対策まで、相続全般のご相談にワンストップで対応可能です。
相続は税金だけでなく、法律や不動産、金融にまたがる複雑な手続きが必要となるケースも少なくありません。
「誰に相談すればよいか分からない」「どこから手をつけてよいか不安」といったお悩みも、相続税申告に強い税理士が中心となって、以下の7社を中心に、トータルにサポートいたします。
どちらの企業・法人に最初にご相談いただいても構いません。
しかし、実際には以下の2つの窓口からご相談をいただくことが多いです。
- 相続トラブルが発生しているお客様は、TH弁護士法人/TH総合法律事務所に直接ご連絡を
- それ以外のお客様は10ヶ月という短く明確な期限がある相続税申告について相談できる辻・本郷 税理士法人にまずご連絡を
お悩み | 企業・法人名 | お問い合わせ先 |
---|---|---|
相続税 | 辻・本郷 税理士法人 | ■お問い合わせフォーム フォーム |
相続登記 | 辻・本郷 司法書士法人 | ■電話 050-5799-8571 |
相続トラブル | TH弁護士法人/TH総合法律事務所 | ■電話 03-6911-0410 ■メール メールで相談 |
相続した財産の今後の運用 (不動産の売却) | 辻・本郷 スマートアセット株式会社 | ■お問い合わせフォーム フォーム |
相続した財産の今後の運用 (生命保険の活用) | 辻・本郷 インシュアランス株式会社 | ■お問い合わせフォーム フォーム |
遺産整理 | 一般財団法人 辻・本郷 財産管理機構 | ■お問い合わせフォーム フォーム |
ファミリーオフィスの運営 | 辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社 | ■お問い合わせフォーム フォーム |
■辻・本郷 税理士法人のグループ会社の一覧は法人概要をご覧ください。
5.まとめ
みなさんの悩みに最適な相談先はどこか、お分かりになりましたでしょうか。
相談する際は2章で解説した各相談先の詳細を確認しておくと、大体の料金や予約の有無がわかるので便利です。ぜひご活用ください。
また、私の所属する辻・本郷グループは、相続税申告に強い税理士が中心となってトータルにサポートし、ワンストップで進めていきます。
現在、Webからお申し込みの方限定で、相続コミコミプランをご用意しております。詳しくは下記をご覧ください。
■辻・本郷税理士法人の相続税申告サービス 相続コミコミプラン
本記事をご覧になったみなさんが、ご自身にとって最良の相談先を見つけ、無事に相続手続きを終えられることを願っております。