辻・本郷 税理士法人

検索する

少額資産特例の令和4年度改正について ~貸付に用いた資産の除外

  • 法人税
  • 税務・会計

少額資産特例の令和4年度改正

先ごろ、お客様より下記のような主旨のご質問を受けました。

「子会社に貸与する少額資産の取得を予定していますが、少額資産の特例に係る改正(=貸付の用に供した資産を除く)があったので、貸与目的では少額資産特例は適用できないですよね?」

答えは、節税目的でなければ従来どおり「適用有り」となります。

では、節税目的に該当しない貸付けとは、具体的にどういった内容なのか見ていきましょう。

※少額資産特例は、少額の減価償却資産の取得価額の損金算入(法令133)・一括償却資産の損金算入(法令133の2)・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入(措法67の5)を指します。

貸付に用いた資産の除外に至った背景

令和4年度(2022年)の改正は、課税所得を繰り延べることを目的とした以下の節税スキームへの対抗策と捉えられます。

まず、自らが行う事業で使用しない少額資産(建設用足場・ドローンなど)を大量に取得し、少額資産特例を適用し一時に多額の経費を計上します。
次に、取得した資産の貸付を行い、レンタル料を収受。貸付期間後は売却します。

経費を一時に計上し、貸付期間に応じて収益を計上することにより生じる課税の繰延効果が狙いです。

主要な事業として行われる貸付は今までどおり

貸付の用に供した資産は少額資産特例の適用はできなくなりましたが、例外があります。
それが「主要な事業として行われる貸付」=節税目的でない貸付です。
具体的には次のような貸付が、「主要な事業として行われる貸付」に該当します。(財務省令)

  • リース業を営む法人のそのリース
  • 製造業のほかリース業を営む法人のそのリース
  • 企業グループの管理運営を行う親法人が子会社に対して行う事務機器等のリース
  • 製造業を営む法人が下請け業者等の取引先に対して行う機械等のリース
  • 不動産販売業を営む法人が販売した建物に併せて行う附属設備のリース

おわりに

少額資産特例は、会社にとって身近な論点かと思います。貸付はとにかく適用なしと思い込んでいらっしゃいませんか。この記事が、正しい理解の一助になりましたら幸いです。

執筆担当:
法人ソリューショングループ 田端 幸治

サービスに関するお問い合わせ

  • お電話でのお問い合わせの場合、原則折り返し対応となります。直接の回答を希望される場合、お問い合わせフォームをご利用ください。
  • 海外からのお問い合わせにつきましても、お問い合わせフォームをご利用ください。
  • フリーダイヤルへおかけの際は、自動音声ガイダンスにしたがって下記の2つのうちからお問い合わせ内容に沿った番号を選択してください。
    1/相続・国際税務・医療事業に関するお問い合わせ
    2/その他のお問い合わせ
お問い合わせフォーム 0120-730-706

9:00~17:30(土日祝日・年末年始除く)