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会社設立時の資本金はいくらが適切か ~税金面での考え方

  • 税務・会計
会社設立時の資本金

2006年に会社法が施行されたことにより、資本金1円でも会社を設立できるようになりました。
会社を経営する元手となる資本金ですが、税法の世界では、資本金の額により課税方法が変わることがあります。

そこで、今回は会社設立時の資本金について法人税、消費税の課税方法の観点から知っておくべきポイントをご紹介します。

資本金1,000万円未満なら消費税の免税事業者になる

会社設立時の資本金が1,000万円未満の場合、最大で2年間消費税の免税事業者となります。
免税事業者の場合には、消費税の納税が免除されます。

資本金等が大きくなるほど法人住民税の均等割が増える

法人住民税の均等割は資本金等の額に応じて課税されます。
東京23区の場合、均等割は下表の通りですが、資本金等が1,000万円以下(従業者50人以下)では年間7万円の課税である一方、資本金等1,000万円超(従業者50人以下)では年間18万円、資本金等1億円超(従業者50人以下)では29万円と、資本金等が大きくにつれて均等割の負担額も大きくなります。

資本金等の額従業者数均等割額
1,000万円以下50人以下7万円
50人超14万円
1,000万円超~1億円以下50人以下18万円
50人超20万円
1億円超~10億円以下50人以下29万円
50人超53万円
10億円超~50億円以下50人以下95万円
50人超229万円
50億円超50人以下121万円
50人超380万円

資本金1億円以下の場合、法人税における優遇税制が適用される

法人税では資本金の額が1億円以下の会社は中小法人又は中小企業者とされており、資本金1億円超の会社に比べてさまざまな優遇税制があります。
以下に、資本金1億円以下または資本金3,000万円以下の会社が適用できる6つの代表的な優遇税制をご紹介します。

法人税の軽減税率

法人税の軽減税率

資本金1億円以下の会社は、所得金額が800万円以下の部分は15%の法人税の軽減税率が適用されます。なお、所得800万円超の部分については、23.2%の税率が適用されます。
資本金1億円超の会社では、所得金額が800万円以下の部分にも23.2%の法人税率が適用されます。

交際費のうち800万円までの損金算入が可能

資本金1億円以下の会社は、交際費の定額控除限度額として800万円までは損金(税務上の費用)になりますが、資本金1億円超の会社には定額控除限度額800万円の制度は適用されません。

一定の設備投資を行った場合の税額控除

資本金3,000万円以下の会社が一定の設備投資を行った場合には、設備投資額の一部を法人税から控除できますが、資本金3,000万円超の会社には適用されません。

一定の設備投資を行った場合の特別償却

資本金1億円以下の会社が一定の設備投資を行った場合には、減価償却費を通常の額に上乗せして計上できます。

30万円未満の少額減価償却資産の損金算入

資本金1億円以下の会社が30万円未満の少額の固定資産を取得した場合、年間300万円までは全額を損金とすることができます。

欠損金の繰戻還付

資本金1億円以下の会社が決算で欠損金が生じた場合には、その欠損金を前期の所得と相殺して法人税の還付を受けることができます。

おわりに

多くの場合、税法では資本金が小さいほうが節税メリットは大きいのですが、許認可が必要な事業を行う場合には、最低資本金が決められているものもあります。
また、親会社など他のグループ会社がある場合には資本金の判定方法が異なることもあります。

私たち辻・本郷 税理士法人では、会社設立時の資本金のご相談から実際の会社設立までサポートを行っておりますので、お悩みのことがあればぜひご相談ください。

執筆担当:
法人ソリューショングループ 大島 直樹

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