上場株式の譲渡損益をどうやって計算する?

同じ銘柄の上場株式について頻繁に売り買いを繰り返していると、一体いくら利益が出ているのか正確に把握しにくくなります。ここでは、同じ銘柄の上場株式を売り買いした場合に譲渡損益をどのように計算するのかまとめました。

まとめ

上場株式の譲渡損益を計算する際には、取得費の計算を総平均法によって行います。特定口座で同日に同一銘柄を売り買いする場合には、実際の売り買いの順番に関わらず、買いを先に計算し、次に売りを計算して譲渡損益を算出します。

上場株式の譲渡損益の計算方法は

上場株式の譲渡損益は、譲渡対価の額から取得費と手数料等を差し引いて計算します。取得費の計算は、総平均法に準ずる方法で行います。下記の例を用いて計算方法を説明します。

表1 譲渡損益の計算例

4月1日と2日に株式を購入して3日に売却しています。3日の譲渡対価の額(売却金額)から取得費と手数料等を差し引いて譲渡益を計算します。取得費は、(購入価額+手数料等)÷株数によって計算し、1円未満の端数は切り上げます。

<取得費等の計算>
4月1日購入分 1,050円×200株+270円=210,270円・・・【1】
4月2日購入分 1,020円×100株+111円=102,111円・・・【2】
(【1】+【2】)÷300株=1,041.27円 → 1,042円(1円未満切上)

<譲渡益の計算>
(1,100円×100株)-(1,042円×100株+111円)=5,689円

したがって、4月3日の取引で生じた譲渡益は5,689円となります。

この取引の後、4月4日に200株買い増し、5日に300株売却しています。

<取得費等の計算>
既に保有している分 1,042円×200株=208,400円・・・【3】
4月4日購入分 1,050円×200株+270円=210,270円・・・【4】
(【3】+【4】)÷400株=1,046.675円 → 1,047円(1円未満切上)

<譲渡益の計算>
(1,200円×300株)-(1,047円×300株+270円)=45,630円

上記の計算のとおり、4月5日の取引で生じた譲渡益は45,630円となります。

同じ日に取引をした場合の譲渡益の計算方法は?

同じ銘柄を同じ日に売り買いした時の算出方法も同様の手法で算出します。ただし、特定口座の場合、譲渡損益の計算をする際には実際の売り買いの順番に関わらず、買いが先に、売りが後にあったものとして計算します。表2のように、4月9日に100株売却し、その後、同日中に100株購入した場合を例にとって説明します。

表2 実際の取引発生順

まず、同日中に同一銘柄の売買があった場合、先に購入した取引を計算します。計算しやすいように、9日の買いが先になるよう並び替えをします(表3)。

表3 譲渡損益計算のために並び替えた表

<取得費等の計算>
4月8日購入分 1,050円×200株+270円=210,270円・・・【1】
4月9日購入分 1,110円×100株+111円=111,111円・・・【2】
(【1】+【2】)÷300株=1,071.27円 → 1,072円(1円未満切上)

<譲渡益の計算>
(1,200円×100株)-(1,072円×100株+111円)=12,689円

上記の計算のとおり、4月9日の取引で生じた譲渡益は12,689円となります。

取引のたびに、自分で計算するの?

総平均法による計算は分かりにくいかもしれませんが、特定口座を開設していれば、証券会社が計算を行ってくれます。しかし、計算の仕組みを理解していないと、利益が出ると思って売却した取引が損失であったり、思っていた以上に損失が出てしまったりと想定外の事態になりかねません。想定外の事態にならないよう、計算の仕組み理解して取引した方が良いでしょう。

上仲孝明