資産管理会社のメリットとデメリット

アパートなどの不動産経営を行っている方の中には、資産管理会社の設立を検討している方がいらっしゃると思います。資産管理会社の設立にはメリットだけでなく、デメリットもあります。本稿では、資産管理会社を設立する前に知っておきたいポイントについてご紹介します。

まとめ

個人が不動産を保有して不動産経営を行うよりも、資産管理会社が不動産を保有して不動産経営を行う方が節税効果を期待できますし、相続対策にもなります。一方、デメリットもあるので、資産管理会社を設立した場合の試算をオススメします。

資産管理会社のメリット

資産管理会社を設立した場合の主な節税効果としては、次の3つが挙げられます。
(1)経費として認められるのは、個人の場合は賃貸事業に直接関わる部分だけに対し、法人は一部の間接経費も認められるため、経費の範囲が広いです。
(2)個人で保有した場合にかかる所得税の税率は、法人で保有した場合の法人実効税率より高いことが多いです。
(3)個人で保有した場合、本人のみの所得になりますが、法人の場合は役員報酬を支払うことで所得を分散することが可能です。
この他にも、個人(所得税)の場合は欠損金の繰越控除が3年なのに対し、法人(法人税)の場合は10年であるなどのメリットがあります(※)。個人で運用を行うよりも、資産管理会社を設立して運用する方が、節税効果を見込めるケースは多く、ぜひ試算をおすすめします。

※所得税、法人税いずれも青色申告の場合です。また、法人税は平成28年度の税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する事業年度に生ずる欠損金額の繰越期間が10年になりました。

相続対策としても有効

家族が役員報酬を受け取ることは相続対策としても有効です。相続税は原則として現金で納付するので、相続税を納付する時に納税資金に困る心配を減らせます。そして、不動産収入が相続財産として蓄積されることを防ぎます。
また、不動産の保有状況によっては、遺産分割に手間がかかる可能性があります。例えば、代償金を支払う場合や、土地を分筆する場合が生じるなど、手続きが煩雑になることが想定されます。資産管理会社が不動産を保有していれば生前に株式を少しずつ贈与するということが可能になり、相続財産となる株式を減らすこともできます。

資産管理会社のデメリット

資産管理会社を設立する場合にはデメリットもあります。主なデメリットとして、次の3つが挙げられます。
(1)不動産経営が赤字であったとしても法人住民税均等割が発生します。
(2)資産管理会社として株式会社等を設立する際に設立費用がかかります。
(3)不動産を個人から資産管理会社に移転する際、登録免許税や不動産取得税等の税金がかかります。また、譲渡所得が生じれば所得税が課されます。

資産管理会社にはメリットだけでなくデメリットもあるため、不動産関係の税金に詳しい税理士に相談して、事前にシミュレーションすることをおすすめします。

上仲孝明