公社債の譲渡による所得の総収入金額の収入すべき時期の取扱い
- 所得税
1.概要
東京国税局は平成28年1月26日、「公社債の譲渡による所得の総収入金額の収入すべき時期の取扱い」についての文書回答を公表した。平成28年1月1日以後に行う公社債の譲渡による所得については株式等に係る譲渡所得等課税の対象とされることから、端境期の取扱いを示した。
2.照会の概要
平成28年1月1日以後に行う公社債の譲渡による所得に適用される「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」(以下、措置法通達)の<株式等に係る譲渡所得等の総収入金額の収入すべき時期>(措通37の10・37の11共-1(1))では、収入すべき時期を「株式等の引渡しがあった日」とするが、納税者の選択により当該株式等の譲渡に関する契約の効力発生の日に総収入金額に算入して申告があったときは「契約の効力発生の日」も認めるとしている。
しかし、証券会社等を通じて公社債を譲渡する際、契約の効力発生の日から引渡しまでに通常では4営業日を要するため、平成27年中に公社債の譲渡に関する契約の効力が発生し、その引渡しが平成28年中となる場合(例;効力発生日平成27年12月30日、引渡日平成28年1月6日)も生じることから、そのケースの取扱いについて照会した。
3.回答
平成28年1月1日前は、一定の公社債を除き譲渡に係る所得税を課さないこととされているため、その場合は何ら申告をすることなく、その譲渡による所得の収入金額の収入すべき時期を契約の効力発生の日である平成27年とすることが認められる。
東京国税局は申告不要の理由として、仮に、収入すべき時期を契約の効力発生の日とするには、措置法通達に基づいて所得税の申告書の提出が必要であるとすると、所得税法の規定によらずに所得税の申告義務を課すこととなり、相当ではないと回答している。
また、申告書の提出は不要としつつ「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(以下、計算明細書)」に記載して提出する必要があるとも考えられるが、これは株式等に係る譲渡所得等を有する者が確定申告書を提出するときに、その添付が義務付けられている書類であるため(措令25の8⑫)、そもそも申告書の提出義務がない者に計算明細書の提出を求めることも相当ではないとしている。
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