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申告書作成から納税までワンクリック?隣国の税務管理SaaS事情

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申告書作成から納税までワンクリック?2010年代以降、会計・税務まわりの自動化が日進月歩で発展しています。
ワンクリックするだけで税務申告書の作成から納税まで完了してしまう、夢のようなシステムが登場する日も間近かもしれません

「ワンクリックで法人税の税務申告・納税」は実現している

2021年4月、中国の新興企業である「華盟科技咨詢」が、企業向けの税務管理SaaSプラットフォームである「税紀雲」を発売しました。
SaaS(Software as a Service)とは、インターネット等を通じてサービスを提供するソフトウェアのことです。

「税紀雲」を使えば、ワンクリックで財務会計システムから財務データを取得し、企業所得税(日本の法人税に該当)を自動的に計算、さらに申告と納税までが済んでしまうとのこと。

日本のソフトウェアで例えると、弥生会計や勘定奉行などへの入力後、自動的に納税まで完了するというイメージでしょうか。

日本では、税引前純利益を固めたあとに、税理士が手入力で申告書を作成する方法が一般的ですが、今後はそのような常識が覆ることになるかもしれません。

中国の複雑な税制事情

中国でも税務申告書の作成は、まだ手入力が一般的のようです。これは、中国の税制が複雑であることから、自動計算化が非常に難しいためです。
中国には18の税種と120種類以上の税務申告書が存在するとのことですから、その複雑さが容易に想像できます。

このような環境で、「税紀雲」の製品化までこぎ着けたことには頭が下がります。今後は、さらに出資を募って、プラットフォームの改善に努めるそうです。

日本での開発・提供はあるのか?

日本でも、会計プラットフォームを提供するSaaS企業を中心に、所得税の確定申告の自動計算システムの提供が始まっていますが、法人税の自動計算については耳にしません。

日本の法人税制も複雑な点があるので、なかなか難しいかもしれませんが、実現すれば、税務管理コストを抑制するメリットもありそうです。

おわりに

このような自動化の波の中で、税の専門家である税理士として、どのようにお客様に寄り添い、どのようなサービスを提供することができるのか、とても考えさせられます。
「税紀雲」日本版がリリースされ、もはや専門家の出番がない……とならないように、私たちは頼られ続ける存在であるよう一層努力してまいります。

辻・本郷 税理士法人では、基本業務である税務顧問はもちろんのこと、ITツールやシステムの導入支援なども専門チームと連携し、積極的にサポートさせていただいております。
DX化について、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆担当:
新宿ミライナタワー事務所
 法人ソリューショングループ

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