平成22年3月2日、ホステス等の報酬に係る源泉税を徴収する際に控除する金額の計算をめぐって行われた裁判で、最高裁は、1、2審の東京高裁の判決を破棄し、差し戻す判決を言い渡しました。
ホステス等に対して報酬を支払う場合、所得税法では源泉徴収をする旨を定めています。
源泉徴収すべき所得税の額は、報酬等の額から、同一人に対し1回に支払われる金額について、5千円にその報酬等の計算期間の日数を乗じて計算した金額を差し引いた残額に10%の税率を乗じて算出します。(所得税法施行令第322条)
問題となったのは、この「計算期間の日数」です。
① 報酬の各集計期間の全日数となるのか
② 実際の出勤日数となるのか
この2つの解釈が争われていた裁判でした。
最高裁の判決は、ホステスの業務に関する報酬の額が一定の期間ごとに計算されて支払われている場合には、その支払金額の計算期間の日数は、ホステスの実際の稼動日数ではなく、当該期間に含まれるすべての日数を指すものと解釈し、納税者サイドを支持する判断を示しました。
1、2審判決は「出勤日のみ必要経費が発生すると考えるのが自然で、その方が実際の必要経費額に近い」と指摘し、請求を棄却していました。
これに対し最高裁は、税法が報酬の計算期間に合わせて控除額を算定すると定めたことを挙げ「租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきものではない」と指摘。そのうえで「基礎控除を採った趣旨は、できる限り還付の手間を省くことにあり、1、2審の解釈は採用できない」と結論づけました。
今後の税務当局の動きが注目される判例です。
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