辻・本郷 税理士法人
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日本と香港の間の租税協定が基本合意に至る

  • 所得税

 もはやビジネスのグローバル化は避けられません。私たち税理士法人の国際税務部門も国際ビジネスのご相談がひっきりなしの状況となっています。今回は、そのような国際ビジネスの中でも、特に脚光を集める香港の税金の話です。
 香港では、事業所得税の税率(日本でいうとこの法人税率)が16.5%と、日本と比べて大変低くなっていますし、消費税あるいは付加価値税の仕組みもありません。まさに税コストが低い国といえます。日本にて法人税率を低くしなければ国際競争力を維持できない、とよく論ざれるところですが、香港と比べれば一目瞭然ですね。すると、当然税金の安い香港に会社を作って、そちらに利益を落とすようにすれば税金が安くなるのではないかと考える人もでてくるわけですが、仮に香港に事業実態のないような会社を設立した場合には、タックスヘイブン課税といって、日本企業の所得に合算して申告することとなります。不当な課税逃れを防止するという趣旨です。
 そのような香港ですが、従前まで香港と日本の間には、租税条約がありませんでした。日本と中国の間には、日中租税条約が1984年より発効されていたのですが、香港は中国の特別行政区ですので、日中租税条約の枠組みが適用されていません。それが、この2010年に入り、日本と香港の相互の投資、経済交流を一層推進させるという趣旨で、日本と香港の間の租税協定が基本合意に至りました。
 これにより、源泉所得範囲が明確になるとともに、源泉税率の軽減が図られます。具体的には、租税協定締結後の源泉税率は、次の通り軽減されます。

配当:10%,ただし、持株割合10%以上の場合5%に軽減。
利子:10%,ただし、政府等の利子は免税。
使用料:5%

 このように軽減税率が適用されると、香港法人が日本企業から使用料、利子または配当を収受する場合にメリットが生じます。具体的には、現状、我が国の所得税法の規定により、日本法人が香港法人に、使用料、利子および配当を支払う場合は、20%に相当する所得税を源泉徴収しなければなりません。一方、香港法人では、使用料、利子または配当所得がオフショア所得(国外源泉所得)に該当するため、香港の事業所得税は生じません。よって、日本の源泉税だけで課税関係が完結しています。
 それが、日香租税協定の締結後は、日本で支払う20%の所得税分が上記税率に軽減され、その他の課税関係は変化しませんので、軽減税率分だけメリットを受けることができるというわけです。
 ここで頭に浮かぶのが、香港映画。日本の会社が香港の会社から映画の上映権を購入して日本国内で映画配給するような場合です。上映権は使用料に該当しますから、日本から香港に上映権料を支払う際に源泉税20%を支払う必要がありましたが、今後は10%だけでよいということとなりそうです。香港から映画がより日本国内に入りやすくなりますので、香港映画ファンの皆様はお楽しみに!
 ということで、租税協定の締結後、日本の税コストが安く抑えられることによって、香港企業全体の税コストは低くなり、日本に進出しやすくなります。
 いよいよグローバル化は進むばかり、この流れはどんどん加速していくでしょう。しかし、海外進出に躊躇している方もいらっしゃると思います。ご安心ください。私どもにお声掛けいただきましたら、全力でサポートいたします。

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