辻・本郷 税理士法人

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高額資産を取得した場合の仕入税額控除の特例措置の創設

  • 消費税

1.概要

税抜1,000万円以上の高額資産を取得または建設等した場合には、下記期間については消費税の簡易課税制度及び事業者免税点制度が適用できなくなります。

(1)高額資産の仕入れ等を行った場合
高額資産の仕入れ等の日の属する課税期間からその課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間まで
(2)自ら建設等をした場合
建設等に要した費用の額が1,000万円以上となった日の属する課税期間からその建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間まで

2.改正の趣旨

平成22年度の税制改正で、課税事業者選択届出書を提出した事業者と新設法人(基準期間がない期首資本金1,000万円以上の法人)が調整対象固定資産(税抜100万円以上の固定資産等)を取得した場合には、その取得した課税時期から最低3年間は簡易課税制度及び事業者免税点制度が適用できなくなりました。これは、それ以前に横行していた「(※)自販機スキーム」を封じるためと言われていました。
今回の改正は、PFI事業等を実施するために設立された特別目的会社(SPC)が、建物を取得して還付を受けてから、すぐ簡易課税制度を適用してその建物の売却代金に係る消費税についてみなし仕入率相当分を控除するというスキームを封じる目的といわれています。

(※)大きな固定資産を取得した課税期間だけ課税事業者となり、自動販売機の設置等により意図的に課税売上のみを発生させるようにして消費税の還付を受けた後に、簡易課税制度や免税事業者になってしまうことにより課税売上割合が著しく変動した場合の仕入税額の調整の適用を逃れるというスキームです。

3.今後難しくなる消費税対策

この改正によって、課税事業者選択届出書を提出した事業者や新設法人に該当しない事業者であっても、高額資産を取得して還付を受けたあと、その高額資産が稼働して課税売上が発生するときに簡易課税制度や免税事業者になることで、その高額資産から発生する売上に係る消費税を軽減するといった対策は難しくなります。

4.適用時期

本改正は平成28年4月1日以降に高額資産を取得した場合に適用されます。
ただし、平成27年12月31日までに締結した契約に基づき平成28年4月1日以後に高額資産の取得をした場合には適用されません。

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