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IT導入補助金2025がスタート!押さえておくべきポイントを解説します

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IT導入補助金2025がスタート!抑えておくべきポイントを解説します

皆さんは、「IT導入補助金」という制度をご存知でしょうか。
その名のとおり、IT活用による生産性向上をサポートする制度であり、中小企業や小規模事業者が対象となります。
最近では、社内の業務効率化のほか人材不足の対応策としてITツールを導入する企業も増えてきており、AIを活用したシステムの普及も相まって注目されています。

今回は、そのIT導入補助金について解説します。

数字で見るIT導入補助金

IT導入補助金自体は2017年から実施されています。当初予算は100億円ほどでしたが、2025年は約3,400億円の予算となっており、時代の流れやニーズにあわせて国が積極的にバックアップしている様子がうかがえます。

昨年分であるIT導入補助金2024では、1年をとおして複数回申請が受け付けられました。通常枠をはじめとしたすべての枠の総申請件数は71,767件で、そのうち50,175件が交付決定となっています。

2024年交付決定分の申請数等
申請数(2024年) 交付決定数 採択割合
71,767件 50,175件 69.9%

※参考:IT導入補助金2025「交付決定事業者一覧および交付申請件数2024」より。以下に続く2表とも同様

また、初回交付決定日である2024年4月24日と、最終交付決定日である2024年11月22日における各募集枠の動きは以下のとおりです。

2024年4月24日交付決定分の申請数等
申請類型 申請数 交付決定数 採択割合
通常枠 1,576 1,189 75.4%
インボイス枠(電子取引類型) 1,607 1,531 95.3%
インボイス枠(インボイス対応類型) 0 0
セキュリティ対策推進枠 18 14 77.8%
2024年11月22日交付決定分の申請数等
申請類型 申請数 交付決定数 採択割合
複数社連携IT導入枠 2 1 50.0%
通常枠 5,573 1,454 26.1%
インボイス枠(電子取引類型) 0 0
インボイス枠(インボイス対応類型) 11,714 1,245 10.6%
セキュリティ対策推進枠 49 29 59.2%

1年を通した全体的な採択割合は、約70%と比較的高い水準となっています

ただ、補助金の予算の関係もあるのか、最終採択分である11月22日においては全体の採択割合は15.7%、インボイス枠(インボイス対応類型)においては10.6%とかなり低い採択率となっています。

申請後、不採択となった場合であっても同一年度内の再申請は可能ですが、駆け込みでの申請はなるべく避けたほうがよいでしょう。

補助金の対象者・対象範囲

補助金の対象者・対象範囲

© betago / Qlean Market

補助金の対象者

補助金の対象者は以下のとおりです。(資本金の額や従業員数によって対象となる方が変わります)

①中小企業(個人事業主も含む)
 飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業のほか、製造業や建設業等も対象

②小規模事業者

 ※業種ごとの要件については、IT導入補助金2025事務局のWebページ「申請の対象となる方」をご確認ください。

補助金の対象範囲

補助金の対象となるものは以下のとおりです。

①ソフトウェア(会計・受発注など ※クラウド利用料なら最大2年分)

  • オプション(電帳法・セキュリティ)
  • 役務(導入支援・設定代行などのコンサル料、保守料など)

②ハードウェア(パソコン、タブレット、レジ、券売機など)
 ※ ハードウェアのみの補助は不可

申請内容に応じてさまざまな枠が設けられており、それぞれの枠(類型)によって対象資産や補助額・補助率が異なります。IT導入補助金2025事務局のWebサイト内に補助金の試算ができるシミュレーターが準備されておりますので、ぜひご活用ください。

補助金活用のポイント

ここからは補助金を活用するにあたり、押さえておきたい実務的なポイントをご説明します。

IT導入補助金は、対象事業者の範囲も広く、また対象ツールも多いため、以下のポイントを抑える必要があります。

①何を目標とするか

例:外部委託している給与計算を自社で完結させたい、請求書の発行を紙からデータに変えたい など

②どのくらいの予算で考えているか

例:年間で100万円まで、300万円の範囲内でできるだけ変えたい など

③誰に相談するか

例:システムベンダー、コンサルティング会社、商工会、顧問税理士 など

IT導入補助金では、IT導入支援事業者のサポートが必須となっており、ご自身のみでの申請はできません
そのため、ITツールの選定のほかに支援事業者の選定も行う必要があります。ただし、同じツールの導入であっても支援事業者によってサポート内容や範囲が異なるケースがあり、注意が必要です。

IT導入支援事業者の特徴

支援事業者 得意とする点(メリット) 苦手とする点(デメリット)
システムベンダー(システム会社)
  • 自社商品を取り扱うノウハウに長けている(サポート面も充実している)
  • ツールを活用した業務ごとの改善(会計、給与、勤怠など)
  • 他ツールとの横断(自社商品が中心のため選定幅が狭い)
  • 企業を分析した全体的な業務改善
コンサルティング系(代理店など)
  • 取り扱うツールの種類が幅広く、各企業に合わせた導入支援が可能
  • 企業実態にあわせた全体的な業務改善
  • 依頼内容によっては事前分析が必要となり、日数やコストが想定以上にかかる可能性がる
  • ノウハウにはばらつきがある

仮に導入するツールが同じでも、サポートする支援事業者によって支援期間が異なることがあります。
また、導入にあたって支援事業者とすり合わせができていないと、導入したはいいものの、思ったように活用できず、その結果コストだけかかってしまうケースもございます。

そのため、上記に記載したポイントを押さえながら申請を進めていくことをおすすめします。

おわりに

今回は、IT導入補助金についてご紹介しました。

当法人のグループ会社である辻・本郷ITコンサルティング株式会社では、IT導入支援事業者として皆さんの漠然としたお悩みをお聞きし、各企業にあったツールのご紹介や、業務改善案のご提案なども行っております。

「ツール導入したいけど活用するイメージが湧かない…」「そもそもどこから手を付ければいいのか…」といった方もぜひご相談ください。

執筆担当:仙台事務所 佐藤 大樹
参考文献・参考サイト

【IT導入補助金2025事務局】IT導入補助金2025

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